希望の党の小池百合子代表の期待値に陰り 横文字のオンパレードで実相糊塗 第三極は「共闘」にすきま風も
2017.10.8 22:33 産経新聞
与野党8党首による8日の党首討論会で際立ったのは、希望の党の小池百合子代表(東京都知事)の「失速」だった。
リアル、パラダイム、ダイナミック…。空疎な横文字のオンパレードは、にわか仕立ての政党の限界を印象づける。選挙戦は3極が
争う構図だが、野党第一党・民進党をのみ込んだ「第二極」に黄信号がともり始め、「第三極」の共闘もすきま風が吹いている。
横文字連発…具体性欠く
安倍晋三首相(自民党総裁)と小池氏の直接対決が注目された討論会だが、ふたを開けてみれば、各党からやり玉に挙げられた
小池氏が苦しい釈明を繰り返す場面の連続だった。
まず矛先が向いたのは、安全保障法制を実質的に容認する希望の党に、安保法制を「違憲」と断じてきた民進党から大量の
前職らが合流している矛盾だ。
公明党の山口那津男代表が「プラカードまで掲げて反対した民進党から100人を超えて公認を出した」と指摘すると、小池氏は
民進党出身者をこう擁護した。
「野党の立場で『政府を追及する』ということで厳しく対処されてきた」
与野党の立場が逆転すれば政治的主張も変わる、と公言したに等しい珍説だ。小池氏は「リアルな政治を進めていこうという
ことで(民進党出身者と)一致している」と釈明してみせたが、野合の実相を横文字で糊塗する姿勢は空々しい。
希望の党が公約に掲げたベーシックインカム(最低所得保障)などの財源を首相から問われた際も、小池氏は「要はパラダイム
(概念)を変えていきましょうということです」。
質疑では財源に関する質問が挙がったが、小池氏は「かなりエッジの効いた提案をさせていただいている」「ベーシックインカムは
実験的な部分もある」といった曖昧な答えを繰り返し、具体的な展望には踏み込まなかった。
希望の党の首相指名に関する質問にも「選挙の結果を見ながら進めていく」と答えをはぐらかし続けた。
温度差鮮明…苦笑いも
一方、衆院選での候補すみ分けが進む「第三極」の立憲民主、共産、社民3党も温度差を露見させた。
「共闘の力で国民的な多数派を作る努力をしたい」
選挙戦での連携に最も前のめりな共産党の志位和夫委員長は「共闘」という言葉を繰り返し口にした。
これに対し、立憲民主党の枝野幸男代表は「選挙協力」や「共闘」という表現は一切用いなかった。共産党と政権をともにすることは
ないという立場を堅持する立憲民主党としては、政権選択選挙である衆院選での協力関係がクローズアップされるのは避けたい
ところだ。
とはいえ、立憲民主党には「民進党の左派色を先鋭化させた政党」(旧民主党閣僚経験者)というイメージがついて回る。
社民党の吉田忠智党首は「左傾化」をこう歓迎してみせた。
「立憲民主党ができて、だいぶ社民党の政策に近づいたという実感はある」
「日本流保守」を標榜する枝野氏は首をかしげ、苦笑するほかなかった。
【ノーカット】党首討論会 与野党8党首が激論かわす 日本記者クラブ
奢れるメディアは久しからず 朝日・毎日のベテラン記者の噴飯質問に思わず赤面してしまった…
2017.10.8 21:40 産経新聞 阿比留瑠比
8日の日本記者クラブ主催の党首討論会は、会場にいて赤面する思いだった。学校法人「加計学園」をめぐるベテラン記者
(記者クラブ企画委員)らの質問があまりに噴飯もので、聞くに堪えなかったからだ。例えばこんなやりとりがあった。
安倍晋三首相「朝日新聞は(獣医学部新設の審査に一点の曇りもないと証言する)八田達夫・国家戦略特区諮問会議議員の
報道はしていない」
朝日新聞・坪井ゆづる論説委員「しています」
安倍首相「ほとんどしていない。ほんのちょっとですよ。アリバイづくりでしかない。加戸守行・前愛媛県知事が(7月10日の国会で
ゆがめられていた行政が正されたと)証言した次の日は全く報道していない」
坪井氏「しています」
安倍首相「本当に胸を張って(報道を)しているということができますか」
坪井氏「できます」
会場から笑い声が漏れる中、坪井氏はあくまで、社の論調と異なる加戸氏らの意見もきちんと報道していると言い張っていた。
安倍首相も苦笑を浮かべつつ、国民に新聞のファクト・チェックをするよう求めるにとどめていたが、実際はどうだったか。
7月11日付の朝日新聞と毎日新聞の朝刊は、加計学園誘致を進めた当事者である加戸氏の証言について、一般記事中で一行も
取り上げず、審査の詳報の中でごく短く触れただけだった。
朝日がいかに「(首相官邸サイドに)行政がゆがめられた」との前川喜平・前文部科学事務次官の言葉を偏重し、一方で前川氏に
反論した加戸氏らの証言は軽視してきたかはもはや周知の事実である。
それなのに、どうして胸が張れるのか全く理解できない。
また、毎日新聞の倉重篤郎専門編集委員の安倍首相の返答をさえぎりながらの傲岸不遜で稚拙な質問も、テレビ視聴者らに
不快感を与えたのではないか。
「あなたのお友達が、獣医学部の新設を認められたこと、行政的な厚遇を受けたことについてあなたは何のアレもないんですか。
反省もないんですか。問題も感じないんですか」
加計学園の理事長が、安倍首相の友人であることで行政的な厚遇を受けたといつ証明されたのか。ここ数カ月の不毛な議論や
報道を振り返っても、そんな「事実」は見当たらない。
しかも、倉重氏は質問の中で「安倍さんが関与したかしないかは分かりません」と認めている。事実の裏付けもなく相手に問題が
あると仮定の上に仮定を重ねて決め付け、反省を強いるのが記者の仕事だと思われたらかなわない。
常日頃、安倍政権の「おごり」を糾弾しているマスメディア側のほうが、よほどおごっているのではないかと感じる寒々しい光景だった。
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加計問題、なぜか報道されない「当事者」前愛媛県知事の発言全容
前川氏の「行政がゆがめられた」発言に対し、加戸氏は「岩盤規制に国家戦略特区が穴を開け、『ゆがめられた行政が正された』と
いうのが正しい」と反論。さらには、今回の加計問題を報じるメディアへの批判も展開するなど、踏み込んだ発言の内容が賛否を広げている。
「獣医師が確保できない」
加戸氏は旧文部省OBで、愛媛県知事を1999年から2010年まで3期12年務めた。今治市への獣医学部誘致をスタートさせた
「当事者」で、今回の閉会中審査では与党側の求めに応じて参院での審議に参考人として出席した。
自民党の青山繁晴議員の質問で答弁に立った加戸氏はまず、
「10年前に愛媛県知事として今治市に獣医学部の誘致を申請した当時のことを思い出して、はなもひっかけて貰え
なかった問題が、こんなに多くの関心を持って頂いていること、不思議な感じがいたします」
と皮肉の効いた一言。続けて、鳥インフルエンザやBSE(牛海綿状脳症)といった感染症対策の充実を大きな目的に
獣医学部の誘致に取り組んだが、文科省への申請は一向に通らなかったとして、
「(前川氏の)『行政がゆがめられた』という発言は、私に言わせますと、少なくとも獣医学部の問題で強烈な
岩盤規制のために10年間、我慢させられてきた岩盤にドリルで国家戦略特区が穴を開けて頂いたということで、
『ゆがめられた行政が正された』というのが正しい発言ではないのかなと思います」
と述べた。
さらに加戸氏は、四国では「獣医師が確保できない」現状もあったとして、国や専門団体が獣医学部誘致に反対する
ことは「あまりにも酷い」と感じていたと説明。その上で、
「私の知事の任期の終わりの方に、民主党(当時)政権が誕生して『自民党じゃできない、自分たちがやる』と
頑張ってくれた。(中略)ところが、自民党政権に返り咲いても何も動いていない。何もしないで、ただ今治だけに
ブレーキをかける。それが、既得権益の擁護団体なのかと、悔しい思いを抱えてきた」
と声を震わせて訴えた。
YouTubeが「すべてを語り尽くしている」
このように獣医学部新設をめぐる経過を説明した上で、加戸氏は、自身が訴えてきた獣医師の養成が進まない中で、
現在「今治は駄目、今治は駄目、加計ありき」と言われることについて「何でかなと思ってしまう」との不満を漏らした。
そして、
「私は、加計ありきではありません。たまたま、今治選出の議員と加計学園の事務局長がお友達だったからこの話
が繋がってきて、飛びついた。これもダメなんでしょうか。お友達であれば、全てがダメなのか」
と主張。続く質問の答弁では、「本質の議論がされないまま、こんな形で獣医学部がおもちゃになっていることを甚だ残念に
思う」とも述べた。
さらに加戸氏は、加計学園問題をめぐるメディア報道にも不満を漏らした。これまでに受けた取材について、
「都合のいいことはカットされて、私の申し上げたいことを取り上げて頂いたメディアは極めて少なかったことは残念」だと
指摘。
その上で、国家戦略特区諮問会議の民間議員が6月13日に開いた記者会見で、加計学園の獣医学部新設のプロセスに
ついて「正当」と結論付けたことを、加戸氏はYouTubeの動画で見たとして、
「これが国民に知ってもらうべき重要なことなんだなと思いました。(中略)あのYouTubeが全てを語り尽くしている
のではないかな、と思います」
とも話していた。
三原じゅん子氏「加戸氏も大事な事話してるのに、、、」
こうした加戸氏の答弁は、主にインターネット上で大きな注目を集めており、その踏み込んだ訴えの内容に賛否の大きく分かれた意見が
出ている。加戸氏の答弁を支持するユーザーからは、
「加戸さんの話は響くものがあった。地方は何か打って出なくてはいけないのに、野党も前川さんも規制で閉めだすことばかり」
「加戸元知事の切実な訴え聞くとこの問題の本質って既得権益を持つ獣医学会との戦いなんだな・・・・て思う」
といった意見が出る一方、今回の発言内容について、
「県議と加計の事務局長がお友達で話が進んだと公平でないことを自分で言ってんだ」
「今治市に獣医学部の大学を誘致したいという彼の熱い思いと今回の政策プロセスの不透明性の間には何の関係もない」
と否定的にみる意見もみられた。
そのほか、前川氏をはじめとした計3人の参考人の答弁のうち、加戸氏の発言がメディアの報道で取り上げられるケースが少ないという
指摘も目立った。実際、自民党の三原じゅん子参院議員は7月11日14時過ぎに更新したツイッターで、
「昨日の閉会中審査の模様が報じられていますが、どの番組も平井卓也議員と青山繁晴議員の質疑はスルー。加戸元愛媛県知
事も大事な事話してるのに、、、」
との不満を漏らしている。
「安倍総理が好きか嫌いかだけで...」
また、閉会中審査が行われた10日夜に放送された情報番組「ユアタイム」(フジテレビ系)で、番組MCを務めるタレントの市川紗椰さん
(30)は、加戸氏の答弁について、
「私が印象的だったのは、加戸前愛媛県知事です。なんか、それがすべてだったのかなって気もした。経緯を丁寧に説明してい
て、辻褄が合うんですよね、議事録とかを見ると。なんか、いいのかなって、納得しちゃいました」
と好意的に捉えていた。
また、同番組では、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が、加計学園をめぐる問題を報じるメディアへの「苦言」を漏らす場面も。
モーリー氏は「(加計学園問題は)そもそも様々な観点があるし、メディアは、それを能動的に一番初めに取材できたと思う」とした上で、
「ただどうしても、野党による内閣への追及ということで、ショーアップに加担して尻馬に乗ってしまったように思います。だから下手
をすると、今回信頼を失うのは自民党というよりも、メディアが敗者になる可能性があります」
と指摘。続けて、「(メディアは)本来の機能を果たしてこなかったんじゃないか、エンターテインメントと報道を混同してまったのではないか。
そう自戒を込めて思います」とも話した。
こうした発言を受け、市川さんは「この問題について話す人は、目の前にある材料というよりも、安倍総理が好きか嫌いかだけで
ポジションを取っているような...」との感想を漏らしていた。
加戸vs前川 「前川の精神構造を疑う」「加戸先輩が捏造するとは思わないから誤解だ」 文科省の先輩と後輩の対決再び
2017.7.25 22:59 産経新聞
学校法人「加計学園」をめぐる25日の参院予算委員会で、愛媛県今治市への獣医学部誘致に尽力した加戸守行前愛媛県知事と政府の
決定過程を批判している前川喜平前文部科学事務次官が再び直接対決した。旧文部省OBの加戸氏は、後輩の前川氏について
「テレビ取材に虚構の話をした」と批判し「想像を事実のように話している。精神構造を疑う」とまで述べた。
加戸氏の説明によると、取材は、加計問題について前川氏に事前に行ったインタビュー映像を加戸氏に見せながら見解を問う形式で
行われた。この中で、平成25年1月に創設された教育再生実行会議の委員に加戸氏がなった理由について、前川氏は「安倍首相が
加戸氏に加計学園の獣医学部設置を教育再生実行会議の場で発言してもらうために頼まれた」と発言していた。
加戸氏が「そんなはずはない」と笑い飛ばしたため、前川氏の発言を含め報じられることはなかったという。
実行会議の議事録によると、加戸氏は25年5月と10月の会合で四国での獣医学部新設を要請したが、加戸氏は「表門からは入れない
から」と苦肉の策として発言したと説明している。
加戸氏は25日の参院予算委で「(前川氏は)そこまで想像をたくましくして物を言うのか。安倍首相をたたくために全国に流れるテレビの
取材に応じ、私の取材ができなければ、生で流れていたかもしれない。自分の後輩ながら精神構造を疑った」と振り返った。
さらに「私は前川氏を買っているが、なぜ虚構をテレビで話すのか。その後も想像が全て事実であるかのごとく発言をしている。
それが国民をそういう方向に持っていくことになると危惧している」と批判した。
前川氏は、28年9月に和泉洋人首相補佐官と面会した際に「総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」と伝えられて
獣医学部新設を進めるよう指示されたと主張し、「加計ありき」の根拠としている。
ただ、和泉氏が答弁で否定するなど、逆に「(前川氏の)思い込み」(自民党・青山繁晴氏)との追及を受けた。加戸氏の発言が事実なら、
一連の前川氏の発言の信憑性が揺らぐことになる。
前川氏は「『総理に頼まれてその発言をした』と言った覚えはない。加戸先輩が事実を捏造するとは思わないから、誤解だ。
チェックしていただければ分かる」と否定した。