ジョセフHC「チームを誇りに思う」
日本のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「粘り強さ、勇気、決意、最初から最後までタックルを
する姿は、どれだけすばらしいチームだったのかを示している。このチームを誇りに思う」と話しました。
日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは試合後の会見で「試合に出ていない選手も含め、
日本のチームすべてに誇りを持っている。また、私たちが振り返ると多くのファンがいて、すばらしい
応援が力になった。最後の5分は20点以上の差がついていたが、選手たちはけがをしてても諦めず
とにかく立ち上がって試合をした。諦めなかったということはコーチとしてうれしく、ワールドカップが
終わってもこの誇りを忘れない」と試合を振り返りました。
そして、「多くの人たちのたゆみない努力が結果に結び付いた。チームのみんなが貢献してくれて、
今までのことが達成できた。この達成を味わいたい」と日本代表をワールドカップで史上初のベスト8に
導いたことなどを喜びました。
そしてこの3年間の指揮について「日本の選手たちはメンタリティーが変わり信念と自信ができた。
自分のやっていることに対していかなる状態であっても自信を持つことができた。これはいちばん
大きな達成だ。自分たちと仲間を信じることが非常に重要で、それが私の仕事だ。私たちはよい
状態なので、これを続ければよいと思う。日本では育成が進み、若い選手も成長しており、日本の
将来を担うと思う」と日本代表がさらに成長できるという認識を示しました。
リーチ主将「熱い応援ありがとう」
キャプテンとして日本代表をけん引したリーチ マイケル選手は「日本のファンは本当に最高。
熱い応援ありがとうございました。ファンゾーンやパブリックビューイングの皆さんの熱い応援
ありがとうございました」と感謝のことばを繰り返していました。
日本代表のキャプテン、リーチ マイケル選手は「正直な気持ちとして、このチームのキャプテンが
できて、本当に誇りに思う。『ワンチーム』を作り上げ、勝つためにできるすべてのことをやってきた。
きょうの試合ですべてを出したが、南アフリカがすばらしく、強みのモールやスクラムを徹底的に
やってきた。80分間、戦い続けたのが日本の強さで、誇りを持っている。多くのサポーターに心から
感謝したい」と振り返りました。
そのうえで、試合終了後、グラウンドでチームで円陣を組んだ際に、仲間に向かって、「下を向く時間は
必要ない。胸を張ろう。このチームを作りキャプテンをできたことを誇りに思う。選手一人一人も
誇りに思うべきだ。今後の態度や姿で見せることが大事だ」と伝えたことを明かしました。
トンプソン「新しい歴史作れた」「いろいろな意味で寂しい」
チーム最年長38歳のトンプソン ルーク選手は、今シーズンかぎりでの現役引退を表明していて、
ワールドカップでの南アフリカ戦が代表最後の試合となりました。
試合後、トンプソン選手は「いろいろな意味で寂しい。日本代表として最後の試合になったことに
ついての気持ちは難しくてことばにできない」と声を詰まらせていました。
そのうえで「準々決勝を戦えたことが信じられない。このチームはすばらしい。日本の皆さんの応援も
すばらしかった。誇りに思います」と話し、目を潤ませていました。
代表初出場から12年、トンプソン選手は4大会連続出場となった今大会、持ち味である豊富な運動量と
献身的なプレーで日本の史上初のベスト8進出を支えました。
また、今大会では、5試合中、4試合に出場して、ワールドカップの通算出場試合数を14に伸ばし、
みずからが持つ日本代表の歴代最多記録を更新しました。
トンプソン選手はトップリーグの下部リーグの近鉄に所属していて、チームによりますと来月から
来年1月まで行われるリーグ戦が現役選手として最後のプレー機会になるということです。
そして、日本のファンに向けて「皆さんのすばらしい応援、本当に感動しました。ありがとう
ございました。最高の大会でした。準々決勝に進めたこと、1次リーグで4試合に勝ったこと、
新しい歴史を作れたこと、本当にすばらしいと思う」と感謝の気持ちを口にしました。
堀江「最高のチーム」
フッカーの堀江翔太選手は「自分たちがしてきたことをすべて出すことができた。最高のチームで、
最後まであきらめない姿勢を全員が持っていた。次の若い世代が僕たちの姿を見て、上に上がろうと
いう気持ちを持ってくれたら幸いだ」と話していました。
福岡「これからは東京五輪へ」
ウイングの福岡堅樹選手は「すべての面で相手が一枚上手だった。ベスト4より上を目指している
チームと、自分たちとの力の差を見せつけられました」と悔しそうな表情で話していました。
福岡選手は将来的に祖父や父と同じ医師の道に進むため、今大会を最後に15人制の代表から引退し、
7人制で争われる来年の東京オリンピックを最後に選手を引退する意思を表明しています。
これについて福岡選手は「15人制の代表はきょうで最後になります。今回の経験は日本のラグビー界
にとっても、自分自身にとっても大きな経験になりました。これからは東京オリンピックに向けて
一から頑張りたい。また今回、感じたものを生かしていきたい」と話しました。
田村「次へのバトン渡しは完了した」
スタンドオフの田村優選手は、「敵も味方も陣形が整わない、『アンストラクチャー』の状況を
作ろうと話していて、チャンスを作ることはできたが、前半、相手の選手が1人、10分間の退場に
なったことでいろんなプランができて逆にぶれてしまった。本当はもっと蹴りたかった」と振り
返りました。
また、後半8分で退いたことについては「ケガをしてハーフタイムで注射を2、3本打ったが、
話すのもキツい状態だった。まだプレーはできたが、相手のプレッシャーもあったので」と満身創いの
状態での交代だったことを明かしました。
そのうえで、「間違いなく史上最強で最高のチームだった。このチームが大好きなので、負けたこと
よりも終わった悔しさが大きい。5週間、プレッシャーの中でラグビーを続ける難しさを感じたし、
5試合連続で出る選手が多かったので、体とメンタルのコンディションを整えるのが難しかった」と
大会全体を振り返りました。
さらに今後については「自分が代表に入った時よりはいい状態で終われたというか、次へのバトン
渡しは完了した。このレベルでラグビーをやるのはこれが最後だと思う」と話し、代表からの引退を
示唆しました。
稲垣「やるべきことはたくさんある」
プロップの稲垣啓太選手は「1発勝負の試合は、スクラムなどのセットプレーが重要になると
理解していた。前半は上手くいったが後半に南アフリカが勢いに乗ってしまったのは、間違いなく
セットプレーが起点だった。スクラムでペナルティを与えてしまったことが勝敗を分けた」と
悔しそうに振り返っていました。
スクラムで劣勢になった原因については「レフェリーのコールがうまく聞こえず、タイミングで後手に
回ってしまった。日本はディテールの部分を積み上げてきたが、この試合はディテールで南アフリカが
上回った。相手がすばらしかった」と話しました。
ただ、大会全体を通しては「長谷川慎コーチのスクラムが、世界に通用すると示せたことを選手全員が
喜んでいる」と収穫も口にしました。
そのうえで「ただ1つはっきりしているのは、また4年後に向けた準備が始まるということだ。
次の目標を達成するために個人個人、何が必要で何をやらないといけないかを理解しないといけない。
すぐにトップリーグも始まるし 日本のラグビーを発展させる使命も感じている。同時進行でやって
いくし、まだまだやるべきことはたくさんある。もっともっと強くなってまた4年後この舞台に戻って
きたい」と目を潤ませながら話しました。
中村「ここで終わって悔しい」
力強いタックルで今大会の日本の躍進に貢献したセンターの中村亮土選手は「悔しいです。優勝を
目指しているチームは強かった。大会期間中、楽しめたし、ぎりぎりの戦いの中でやれたのは
ラグビー選手として光栄だ。まだまだ伸びしろがあるチームだと思っていたので、ここで終わって
しまうのは悔しい」と振り返りました。
そして、「こういう負け方したので、次への思いが強くなっている」と話し、次回のワールドカップを
見据えた思いを話しました。
田中「やってきたことは、間違っていなかった」
スクラムハーフの田中史朗選手は「フィジカルの勝負になると分かっていて、前半は全員が体を
張っていい試合をした。しかし最後、相手にトライをとられたのは、実力がまだまだ足りないと
いうことだ。次の4年を見越して、今の代表選手や若手が頑張らないといけない」と振り返りました。
そのうえで「きょうの競技場の風景を見ると、自分たちがやってきたことが間違っていなかったと分かる。
日本のラグビーが文化になりつつあって、それが僕が目指していたことなのでありがたいです」と
笑顔で話しました。
そして「この2年は自分の人生の中でいちばんしんどかった。いまは試合が終わったばかりで今後に
ついては考えられない。ただ日本のラグビーを愛しているし、自分自身ももっとレベルアップしたい」
と話しました。
姫野「次はチームの中心に」
若手のホープとして今大会活躍したナンバー8の姫野和樹選手は「いい経験だった。
こちらの気持ちより相手の実力が上回っていた」と敗戦を振り返りました。
そして、「きょうという日を忘れずに、日本ラグビーの新しいスタートとして4年後に向けてやって
いかなくてはならない。次はチームの中心として引っ張れる存在になれるように頑張っていきたい」
と話し、次回の大会を目指す決意を話しました。
レメキ「7人制で五輪目指す」
ウイングのレメキ ロマノ ラヴァ選手は「南アフリカは強かった。結果も悔しいが、仲間と会えなく
なるのはさみしい」と話しました。
そのうえで、「とりあえず少し休んで、これから7人制ラグビーで、来年の東京オリンピックを
目指したい」と話し、新たな挑戦に決意を示しました。
松島「やりきった」
今大会、チーム最多となる5つのトライをあげたウイングの松島幸太朗選手は「南アフリカとの
試合でもしっかり最後まで出し切ることができた。さらに先に行くことが出来ず、悔しい思いもあるが
いまはやりきった思いの方が大きい」と振り返りました。
山中「平尾さんも見てくれていた」
準々決勝が行われた10月20日は、ワールドカップ日本大会の開催に尽力し、その成功を願いながらも
3年前に53歳で亡くなった「ミスターラグビー」こと平尾誠二さんの命日でした。
平尾さんが現役時代に活躍して、総監督兼ゼネラルマネージャーを務めた神戸製鋼に所属する
フルバックの山中亮平選手は「勝っても負けても胸を張れるような試合をしたいと思っていた。
思い切ってプレーできたし、すべての力を出し切りました。よい試合だったと思うし、平尾さんも
見てくれていたと思う」と話していました。