テドロスWHO事務局長が加盟国に約740億円の資金支援を要求
2020.2.6 08:21 産経新聞
【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日、肺炎を
引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に対応するために、加盟国に今後3カ月間で
6億7500万ドル(約740億円)の資金支援を要求した。
WHOによると、資金は主に、医療・保健制度が整っておらず、新型肺炎の実態把握が
遅れている途上国を支援するために使用する。
アフリカなどの途上国では、新型肺炎の診断が十分に行われていないことから、
感染拡大が懸念されていた。テドロス氏は5日、記者会見で「国際社会は今、
(新型肺炎の対策に)投資しなければ、後でより多くの代償を払うことになる」
と警告した。
一方、テドロス氏は会見で、英外務省が4日に中国本土に滞在している英国民に
退避するよう勧告したことについて、「すべての国が証拠に基づいて意思決定を
行うことを勧める」と慎重な判断をとるようクギを刺した。テドロス氏はこれまでも、
中国への渡航や貿易を「不必要に妨げる措置は必要ない」と発言していた。
新型肺炎をめぐっては、WHOは11、12両日にスイス・ジュネーブの本部で、
治療法やワクチン開発について専門家が協議する会合を開催する。