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航空自衛隊、F35に空対地ミサイル検討…射程300キロ

2017-06-26 17:04:34 | 軍事・兵器・訓練演習・自衛隊

F35に空対地ミサイル検討…射程300キロ

2017年6月26日8時38分   読売新聞
 

 政府は、航空自衛隊に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機「F35」に、遠く離れた地上の敵を攻撃できる「空対地ミサイ

ル」を導入する方向で検討に入った。

自衛隊への導入は初めてとなり、2018年度予算に関連経費の計上を目指している。国内の離島有事に備えるのが主

目的だが、自衛のために相手国の基地などを攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有を念頭に置いているとの見方もある。


 複数の政府関係者が明らかにした。空自のF4戦闘機の後継となるF35は米軍などが採用している。敵のレーダーに

探知されにくい高度なステルス性能を持つ。空自は計42機を導入し、今年度末から三沢基地(青森県)に順次配備する

予定だ。このF35に導入する有力候補として検討しているのは、F35の国際共同開発に参加したノルウェーが主体と

なって開発中の「ジョイント・ストライク・ミサイル(JSM)」だ。海上の艦船を狙う「空対艦」とともに、空自が現在保有して

いない「空対地」ミサイルの能力を併せ持ち、射程は約300キロ・メートルとされている。


 防衛省は南西諸島などの離島防衛に備え、態勢強化を進めている。陸上自衛隊に新型輸送機「オスプレイ」を導入す

るほか、海兵隊機能を持つ「水陸機動団」を創設する予定だ。長射程の空対地ミサイルは、安全な空域から効果的に打

撃を与えることができる。このため、防衛省は外国軍艦の離島接近を阻止したり、占拠された島の奪還作戦を行ったり

する場合に備え、導入を検討する必要があると判断した。


 一方で、高度なステルス性を備えたF35と、長射程の空対地ミサイルを組み合わせれば、実質的には他国の基地を

攻撃するための使用も可能となる。


 敵基地攻撃能力は憲法上認められているものの、専守防衛の観点から政策判断として保有しない、というのが政府の

これまでの立場だ。空対地ミサイルを導入すれば近隣諸国が反発する可能性があるが、政府としては、離島防衛があく

までも主眼で、敵基地攻撃能力の保有を目的としたものではないとして理解を求めるとみられる。


 ただ、北朝鮮が核・ミサイル開発を続け、挑発行為を繰り返す中、抑止力向上のため敵基地攻撃能力の保有を求める

声は高まっており、安倍首相は検討する意向を重ねて示している。自民党安全保障調査会は20日にまとめた次期中期

防衛力整備計画(19~23年度)に向けた提言の中間報告で、政府に敵基地攻撃能力保有の検討を迅速に開始するよ

う促した。


 ◆敵基地攻撃能力=他国の領域にある基地を攻撃する能力。米国が4月のシリア攻撃に使用した「トマホーク」など

の巡航ミサイルが代表例。政府は1956年2月の国会答弁で「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とはどうし

ても考えられない」として、ほかに手段がない場合、敵基地攻撃も個別的自衛権として認められるとの見解を表明した。

自衛隊は現在、具体的な装備体系を持っていない。