トランプ大統領、国連総会演説で北朝鮮の日本人拉致を非難 「13歳の少女を拉致した」
2017.9.19 23:50 産経新聞
国連総会の一般討論で演説するトランプ米大統領=19日、ニューヨークの国連本部(ロイター)
【ニューヨーク】トランプ米大統領は19日、国連総会で初の一般討論演説を行った。持論の「米国第一」を掲げつつ、北朝鮮の
核・ミサイル開発問題などの世界的懸案への各国の連携を呼びかけた。
トランプ氏は、北朝鮮が核兵器や弾道ミサイル開発を追求し、「全世界に脅威を与えている」と強く非難。北朝鮮が核兵器開発を
停止しないのならば、米国は北朝鮮を「完全に破壊せざるを得なくなる」と強調した。
また、弾道ミサイル開発に邁進する金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と揶揄し、北朝鮮は「自滅の道を歩んでいる」と
述べた。
トランプ氏は、全ての加盟国に対し、北朝鮮が「敵対的な態度」をやめるまで孤立化に向けた圧力をかけ続けるべきだと訴えた。
また、中国やロシアが9月、国連安全保障理事会決議に賛成したことについて一定の評価をした上で、対北圧力の強化に協力
するよう呼びかけた。
国連総会の一般討論で演説するトランプ米大統領(壇上手前)=19日、ニューヨークの国連本部(AP)
一方、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんを念頭に、「日本人の13歳の少女が拉致された。
彼女はスパイの養成に利用された」と述べ、北朝鮮を厳しく非難した。
トランプ氏はさらにイランについて、地域情勢を不安定化させる「残忍な政権だ」と非難。2015年のイラン核合意について
「恥ずべきものだった」と述べ、合意見直しの可能性について示唆した。
また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)などのテロリストが全世界を「破壊しようとしている」として、米国が過激派
対策に一層注力する姿勢も示した。
トランプ氏は、世界の平和と繁栄を維持する上で、各国の「公平な負担」が必要だと強調。米国が巨額の国連拠出金を支出して
いるのは「不公平だ」と不満を表明した。
また、中国による軍事進出が続く南シナ海問題で、「法を尊重すべきだ」と述べて、中国による現状変更の試みを強く牽制した。
日本人の拉致について触れたので日本では大きく報道されてますが、それより北朝鮮への警告はかなり厳しいものです。
「13歳の少女が拉致」に触れたことは、安倍首相とトランプ氏の緊密なコミュニケーションができているということの現れでしょう。
トランプ米大統領は国連総会の演説で北朝鮮問題について、北朝鮮が米国を脅すのであれば米国としては北朝鮮を
破壊する以外、他に道はないと断言した。
「米国は多くを耐えている。米国は強い。だが我々が自国を守り、あるいは我々の同盟国を守る必要が生じた場合、北朝鮮を
完全に破壊する以外、他に道はない。ミサイルの人間(ロケットマン・金正恩)は自分と自国民のために『自殺』のミッションを
遂行している。
米国は(北朝鮮破壊の)用意があり、欲し、その能力を有するが、その必要性がなくなることを期待している。」トランプ米大統領は
国連総会の演説でこう述べた。
トランプ大統領は北朝鮮の動きを見守るよう提案し、「北朝鮮にとって、非核化が唯一の受け入れ可能な未来であることを認識する
時が到来したのだ」と語った。
トランプ大統領は国連安保理が先日、北朝鮮に関する決議を採択したことを指摘し、「私は中国とロシアが制裁発動を支持して
くれたことに謝意を表したい。これに加わった皆さん、ありがとう。だが我々はこれよりずっと多くを行う必要がある。
北朝鮮が敵対的な行為を止めないのであれば、金体制を孤立化させるために全諸国がともに作業を行うときが来たのだ」と補足した。
これより前、米国のトランプ大統領の側近のうち外交に関与する3人が、北朝鮮問題を軍事的手段によって解決する可能性に
ついて言及。
特にティラーソン国務長官は、アメリカ政府は北朝鮮問題の平和的解決の手段を見つけようとしているが、第一優先ではないにせよ
軍事的手段というのも、やはりあり得るとの見解を示していた。
またヘイリー米国連大使は17日、北朝鮮が「無謀な」行為を続けるのであれば、同国は「破壊されるだろう」と強く警告している。