2016/6/27 The Wall Street Journal
【社説】スタバ「ラテの量が少ない」訴訟を考える
Photo: Associated Press
読者の皆さんは、「マクドナルド・ホットコーヒー事件」という米国の古典的な損害賠償訴訟を覚えているだろう。
79歳の女性がファストフード大手のマクドナルドからテイクアウトで購入したコーヒーカップを車の中で膝の間にはさんでいてこぼし
、やけどをしたとして同社を訴えて、賠償金286万ドル(当時のレートで約3億円)の評決を受けた1994年の訴訟だ(訳注:裁判は後に
60万ドル未満とされる金額で和解)。
今度は同様の裁判で、コーヒーチェーン大手のスターバックスが対象になっている。同社の「グランデ」サイズなどのラテ飲料の量が規
定よりも少ないとして、集団訴訟が提起されたものだ。
サンフランシスコで起こされたこの訴訟によれば、スターバックスはラテを注ぐ際、客に提供するカップの縁から0.25インチ(約0.64
センチメートル)を空けるようバリスタに指示している。
原告2人は、これではラテ飲料の全体量にフォームミルク(泡)が含まれることになり、
「食品科学界や計量科学界の定める業界基準」に反すると主張している。
またシカゴで提起されている別の訴訟は、スターバックスのアイスコーヒーなどが宣伝よりも少ない容量になっていると訴え、
最低500万ドルを求めている。
「氷は『液体』ではない」ので容量に数えるべきでないというのだ(情報源はWorld of Earth Science 2003, encyclopedia.com)。
こうした訴訟が物事をはっきりさせてくれたことに感謝したい。
原告の言うこの「ごまかし行為」は、さらに重大な不正になるとされる。
同社は冷たい飲み物に多く課金しており、より大きな利益を懐に入れているからだというのだ。
かくしてスターバックスは差別的な価格設定でも提訴されていることになる。
訴訟は、「100%倫理的に原料調達された」と主張する企業を不正行為、怠慢による事実誤認表示、商品性の明示的保証違反、黙
示的保証違反、そして不当利得で告発している。
訴訟はまた、カリフォルニア州とイリノイ州の消費者保護法違反も追加している。
スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は顔をしかめているに違いないが、
恐らく「損害賠償金をせしめる盗人のような悪徳弁護士」と戦う米国の人々に改めて感謝してもいるだろう。
スターバックスはラテ訴訟を一蹴しようと動いたが、サンフランシスコ地区連邦地裁のテルトン・ヘンダーソン判事は先週、原告は不正
に対する損害賠償をカリフォルニア州法に基づいて追求できるとの判断を下した。
同判事は「ラテを消費する一般人の相当多くの人々は、『グランデ』とは液体16オンスを含んでいると信じているだろう」と述べた。
ああ、悲しいかな、こんなことが起きるのは米国だけだ。
氷が多いという訴訟 ↓
「氷が多過ぎ」 スタバを相手取り客が訴訟 損害賠償請求額500万ドル(5億3000万) 米国 ★スタバその1
中国のスターバックスまた値上げ、その原因は?
脱税、コーヒーの量のごまかし、遺伝子組換え作物の表示反対と消費者に誠実な企業ではないですね。
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