2017年7月12日 21時52分 NHKニュース
日本海の日本の排他的経済水域内で、今月7日水産庁の漁業取締船が、北朝鮮のものと見られる船舶に一時追跡され、小銃のよう
なものを向けられていたことがわかり、政府は、中国・北京の外交ルートを通じて、北朝鮮側に抗議しました。
政府関係者によりますと、今月7日日本海の日本の排他的経済水域で、違法操業を取り締まる水産庁の漁業取締船が、船籍不明の
船舶に一時追跡され、その際取締船に向けて小銃のようなものが向けられたということです。
政府は、船籍不明の船舶について、北朝鮮のものである可能性が高いとして、中国、北京の日本大使館を通じて北朝鮮側に抗議し、
再発防止を求めたということです。
日本海の日本の排他的経済水域では、北朝鮮などから来た漁船が違法操業を行っていると見られ、水産庁では、漁業取締船を出す
などして対応にあたっています。
政府は、取締りの態勢を強化するため、石川県の能登半島沖の排他的経済水域に海上保安庁の巡視船などを派遣する方向で調整
に入っています。
水産庁「極めて遺憾」
北朝鮮船が銃口向ける=水産庁取締船に、日本海EEZ-北京大使館通じ抗議
2017/07/12-21:22 時事通信
日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内で7日、北朝鮮船籍とみられる船舶が水産庁の漁業取締船に小銃の銃口を向けていたこと
が12日、政府関係者への取材で分かった。外務省は北京の日本大使館を通じて北朝鮮側に抗議し、再発防止を求めた。
水産庁によると、7日午後5時前、日本のEEZ内の日本海で、水産庁の漁業取締船に北朝鮮籍とみられる船1隻が接近。乗組員が
小銃のようなものを取締船に向けた。両船は近い距離にあった。
取締船が安全を確保する行動を取り、北朝鮮船籍とみられる船は離れていった。
政府関係者によると、現場は日本海中央付近。周辺海域は「北大和堆(きたやまとたい)」や「大和堆」と呼ばれ、イカなどの好漁場と
して知られる。北朝鮮の漁船による違法操業が目立っているという。
国際社会の制裁で外貨不足に陥る北朝鮮は金正恩朝鮮労働党委員長が号令を掛け、外貨稼ぎの手段として漁業に力を入れてい
る。北朝鮮では漁業は軍が管轄しているとされ、北朝鮮軍の船舶だった可能性もある。
30年以上にわたって大和堆でイカ釣り漁を続ける山形県酒田市の漁船船長の本間健さん(61)によると、6月20日ごろから大和堆
で北朝鮮船籍とみられる不審な漁船がイカ漁をする光景が目撃されていた。
今月上旬には大和堆で、操業する不審船が100隻を超え、本間さんらの漁船が北海道沖まで避難したという。本間さんは「私たちの
船の光を目掛けて寄ってくる。日本の漁場が乗っ取られている」と指摘。「銃を持っているとすれば、万が一船にぶつかったら何をされ
るか分からない」と話した。