岸防衛相「領土、断固守り抜く」 防衛相協議で中国をけん制
岸信夫防衛相は14日、中国の魏鳳和(ぎほうわ)国務委員兼国防相とテレビ会議形式で
約1時間半協議した。岸氏は沖縄県・尖閣諸島周辺で相次ぐ中国公船の領海侵入で強い懸念を伝え、
「我が国の領土・領空・領海を断固守り抜く」とけん制した。岸氏の就任後、日中の防衛トップによる
会談は初めて。
両氏は東シナ海での偶発的衝突を回避する「海空連絡メカニズム」に基づくホットライン開設に
向けて調整を加速すると確認した。
尖閣諸島について、岸氏は
「歴史的にも国際法上も我が国の領土であり、解決すべき領有権の問題は存在しない」
と強調。中国の王毅国務委員兼外相が11月に来日した際の沖縄県・尖閣諸島を自国領土とみなした発言も
「全く受け入れられない」と指摘した。
岸氏は会談後、記者団に、中国側の領海侵犯に関し
「力を背景とした一方的な現状変更の試みに対する強い懸念を伝達した」
と述べた。
両氏は南シナ海の問題や台湾問題、北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題などについても協議した。
岸氏は中国の軍事拡張を念頭に
「中国が国防政策や軍事力の透明性を向上させ、国際社会の懸念を払拭(ふっしょく)させるべきだ」
と求めた。