シリア化学兵器調査メカニズムについての国連安保理投票 ロシア 米発案の決議案に拒否権を発動

ロシアは、シリアの化学攻撃を調査する新たなメカニズムを提案した米国の国連安保理決議案を封じた。
米国の決議案には安保理の12のメンバーが賛同。安保理常任理事国のロシアとボリビアが反対。中国は棄権した。
米国案は、新たな 独立国際調査機関(UNIMI)のレポートが検討された後、国連安保理は、シリアの化学兵器への国際的な管理を
樹立し、これを廃絶する決議2118に対する違反を明らかにし、国連憲章第7章の平和に対する脅威に基づいて措置を講じる
というもの。
ロシアは独自の決議案を提出し、安保理に対して東グータ地区へ化学兵器禁止機関の専門家グループの派遣を支持するよう
提案したい意向。
英国の国連大使が、シリアの化学兵器調査は独立したものでなければならないため、ロシアには調査を行う資格がないと
発言したことは注目に値する。
国連安保理 ロシアの決議案も採択できず
国連安全保障理事会では11日、ロシアが提出した化学兵器禁止機関(OPCW)の調査団のシリア派遣を支持する決議案は過半数の9票を獲得
できなかった。
ロシアの決議案には安保理常任理事国のロシアと中国、またはエチオピア、カザフスタンとボリビアが賛同。安保理常任理事国の
米国、英国とフランスが反対。棄権は6カ国だった。
先に伝えられたところによると、ロシアは同日、シリアの化学攻撃を調査する新たなメカニズムを提案した米国の
国連安保理決議案を封じた。
これより前、西側諸国は、東グータ地区ドゥーマで起きた化学兵器による攻撃をシリア政府によるものと決めつけた声明を表していた。
これに対してロシアは、シリア軍は塩素爆弾を投下したとする情報を否定。ロシア外務省は、シリア軍が有毒物質を使用したとする
情報の目的はテロリストを弁護し、外から行われうる武力攻撃を正当化するものとする声明を表した。
ロシア軍参謀本部は3月13日の時点ですでに、東グータ-地区で武装戦闘員らによって、化学兵器使用を脚色した煽動が
準備されている事実を公表しており、これが将来、シリア攻撃の口実に使われる可能性があると指摘していた。