新型肺炎でアジア系差別。「#私はウイルスじゃない」拡散―仏
2020年01月30日13時34分 時事通信
パリ郊外の空港に到着したマスク姿の旅行者ら=27日(EPA時事)
【パリ時事】欧州初の新型コロナウイルス感染が確認されたフランスで、アジア系
住民に対する人種差別が問題となっている。「握手を拒否された」などと嘆く声が
聞かれる一方、「差別ではなく予防だ」と正当化する声も。ツイッターでは
「#私はウイルスじゃない」と人種差別を糾弾するハッシュタグ(検索用の目印)が
拡散している。
パリ中心部の公園を散歩中に人種差別行為に遭遇したというジャーナリストの
マキシム・シャオさんはツイッターで、周りの人が「近づかない方がいい、ウイルスに
感染しているかも」と話しているのを聞いたと投稿。「露骨に避けられるのはアジア人
だからだ」と指摘した。
ベトナムから南仏に留学中の女子高生フェン・トランさんは仏紙パリジャンに対し、
バスの中で複数の女子にからかわれたと打ち明けた。「(肺炎による)死者が増えて、
私も感染していずれ死ぬような言い方をされた」と嘆いた。
一方で、パリジャンによれば、ツイッターでは「武漢の中国人かソウルの韓国人か
なんて分からないからアジア人の隣には座らない。差別ではなく予防だ」などとする
投稿も散見される。ある救急医は同紙に対し、「『アジア系の団体観光客と
擦れ違ったが大丈夫か』と電話相談があったが、感染リスクはかなり低い」と強調し、
過剰反応を控えるよう呼び掛けた。