米海軍、中国系ハッカーの標的に 契約業者システムに不正侵
2018 年 12 月 15 日 01:12 JST THE WALL STREET JOURNAL
【ワシントン】中国系ハッカーが米海軍の契約業者のシステムに不正侵入し、艦船の保守点検データから
ミサイル整備計画まで、ありとあらゆる情報を盗もうとしている。そのため、海軍はサイバー攻撃に対する
ぜい弱性を総点検することになった。当局者や専門家が明らかにした。
過去1年半で不正侵入事件が相次ぎ、契約業者の弱点が浮き彫りになった。当局者からは、中国政府との
関連が指摘される過去有数のサイバー作戦だとする声も聞かれる。
当局者の話では、サイバー攻撃は米軍の全部門に影響を及ぼしているが、ハッカーは高度な軍事技術を
入手しようと、特に海軍と空軍を標的にしているようだ。
ある当局者によると、ここ1年で海軍の契約業者がとりわけ深刻な攻撃に見舞われてきた。
米当局者やセキュリティー専門家によると、海軍の元請け・下請け業者から盗まれたとみられる情報は、
先進の軍事技術に関する非常に機密性の高いものが多い。大手から中小企業までさまざまな企業が
被害を受けた。小規模事業者の中には、ネットワークのセキュリティーに投じる資源が不足している
企業もあるようだ。
6月には海軍の業者のシステムに大々的な不正侵入事件が発生した。当局者によれば、盗まれた情報には
潜水艦向け超音速対艦ミサイルの整備計画も含まれていた。
ロードアイランド州ニューポートの海軍対潜戦センター(NUWC)の契約業者がサイバー攻撃を受けたが、
その社名は明らかにされていない。
セキュリティー対策を手掛ける企業や関係筋によれば、ハッカーは海軍など米軍向けの先端技術を
開発する大学や軍事研究施設も標的にしている。