イラク・シーア派指導者が政府退陣を要求、大規模デモ死者60人に
2019年10月5日 11:12 発信地:バグダッド/イラク AFP
【10月5日 AFP】イラク各地で汚職や失業の増加などに抗議して行われている大規模デモが4日目を
迎え、警察との衝突で多数の死者が出る中、同国のイスラム教シーア派(Shiite)指導者ムクタダ・
サドル(Moqtada al-Sadr)師は4日、政府に退陣を要求した。
シーア派民兵組織の元指導者で、現在は国会最大の政党連合に所属するサドル師は、これ以上死者を
出さないためにも「政府が退陣し、国連(UN)の監視下で早期選挙を行うべきだ」と主張した。
4日夜、イラク人権高等弁務団(Iraqi High Commission For Human Rights)は、4日間にわたる
大規模なデモにより、少なくとも60人が死亡したと発表。死者のうち、民間人か治安当局側かの内訳に
ついては明らかにしなかった。前回の発表では、死者は44人だった。
死者60人のうち、18人は首都バグダッドの1か所の病院で報告されている。また1600人以上が
負傷しており、死者数は今後さらに増える可能性がある。
4日にバグダッドや他の都市で行われたデモは大混乱し、少なくとも計10人が死亡した。治安部隊に
よると、このうち警官2人と民間人2人が「身元不明の狙撃手」によって射殺された。