全米に広がる反ユダヤ感情、墓石の大量破壊も
By KRIS MAHER and IAN LOVETT
全米に反ユダヤ感情の波が広がるなか、ミズーリ州ユニバーシティシティのユダヤ人墓地で先週末に最大200基の墓石が破壊された。
地元警察によると、容疑者は特定されておらず、犯行の動機も不明だ。警察のコメントは得られていない。
ミズーリ州のエリック・グレイテンズ知事(共和党)はフェイスブックで事件について、「反ユダヤ主義とみられる卑劣な破壊行為」だと述べた。
1893年から同墓地を管理している協会の幹部は、破壊された墓石が170~200基に上ると述べた。警察は同墓地などへの監視を強めると話していたという。同幹部によれば、地元のユダヤ人コミュニティーはショックを受けているが、広範な支援に勇気づけられてもいる。
同協会は21日午後、影響を受けた家族のリストを作成しており、22日午前には掲載する方針だと述べた。墓地によると、多くの墓石は正面が下になった形で倒されており、そのままでは被害状況が把握できない。
ドナルド・トランプ大統領は21日に国立アフリカ系米国人歴史文化博物館で行った演説で、「米国のユダヤ人コミュニティーやコミュニティーセンターを狙った反ユダヤ主義の威圧的行為は恐怖であり悲痛だ。憎しみや偏見や悪意を根絶しなければならないことをあらためて思い知らされる」と述べた。
この演説の1週間前、ユダヤ人や公民権運動の団体がトランプ氏に対し、最近の反ユダヤ的な事件に直接言及するよう訴えていた。
ユダヤ系団体、北米JCC連盟のデービッド・ポスナー氏はトランプ氏の21日の声明を歓迎。「トランプ大統領がそれらの攻撃を反ユダヤとみなした今朝の声明を確認した」とし、「そのように認識されることが非常に重要だ」と述べた。
同連盟によると、20日には11カ所のユダヤ人コミュニティーセンターに爆弾予告の脅迫電話があった。今年これまでに米27州の54カ所とカナダの1カ所のJCCに爆弾の予告があった。これに対し昨年は、1年で1回だけだったという。いずれの施設でも爆弾は見つからなかった。