尖閣危機! 日本漁船追い回す中国船の映像公開せよ。元海上保安官・一色正春氏が提言「中国は尖閣侵略の意図を隠さなくなった」
2020.5.26 夕刊フジ
尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国海警局の船(海上保安庁提供)
沖縄県・尖閣諸島周辺で今月初め、中国海警局の公船が領海侵犯して、日本漁船を
追い回すという異常事態が起きた。日本領海で他国が警察権を行使するなど、絶対に
許してはならない。元海上保安官の一色正春氏は、中国公船による主権侵害や日本漁船が
危険な目に遭った映像を、日本政府は国際社会に公開すべきだと訴えている。
「明らかに日本側を脅して反応を見ている。中国は尖閣侵略の意図を隠さなくなった」
一色氏はこう語った。
2010年9月、尖閣諸島付近の海域で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たり
する事件が発生した。当時の民主党政権は映像公開を渋ったが、一色氏は同年11月、
衝突した際の映像を動画サイト「ユーチューブ」に流出させ、中国による危険を日本国民
に知らせた。
あれから10年、事態はさらに深刻になった。
中国公船は5月8日から3日間にわたり、日本領海などで日本漁船を追尾し、
電光掲示板などで「退去」を求めたという。約30メートルの距離まで接近することも
あった。日本人の生命や安全が危機にさらされたうえ、日本の主権が公然と侵害された
のである。
元防衛政務官である自民党の山田宏参院議員は「中国公船の追尾映像を世に出さない
限り、中国の傍若無人ぶりは分からない。日本の船舶も航行の安全を保てなくなる」と、
海保側に映像の公開を求めている。
映像公開には、海保だけでなく、防衛、外務両省なども絡み、最終的には官邸が判断
する問題といえそうだ。
一色氏は「日本固有の領土である尖閣周辺のかつてない危機について、国民に知って
もらうためにも映像を公開すべきだ。なぜ、もっと多くの国会議員が声を上げないのか
疑問だ。中国に強くモノを言えないとすれば、どこの国の国会議員なのか分からなくなる」
と語っている。
一色正春氏