ラオスのダム決壊から1カ月 避難者6000人、補償が焦点 建設企業の責任追及へ
2018.8.23 20:27 産経新聞
【シンガポール】ラオス南部アッタプー県で建設中だった水力発電用ダムが決壊してから、23日で1カ月。
洪水で家や農地を追われた住民への補償が今後の焦点となるなか、ラオス政府は日本を含む海外の専門家を招いて
決壊原因の解明を進め、建設企業などの責任を追及する構えだ。
ラオス政府が、国連機関などと16日付で発表した被害状況は死者39人、行方不明者97人、緊急施設への
避難者6千人、影響を受けた被災者1万3100人。救援活動は大量の泥に阻まれ難航が続いているという。
決壊したダムは、韓国のSK建設と韓国西部発電、タイのラチャブリ電力、ラオスの国営企業による合弁会社が
建設中だった。
ラオスの英字紙ビエンチャン・タイムズ(21日付、電子版)によると、SK建設の代表者は18日、
ラオス政府に1千万ドル(約11億円)を救援資金として寄付し、「事故に見舞われた現地住民への深い追悼」を
述べた。同社は200人で現地の救援にも当たり、仮設住宅も建設するという。
ラオス政府は、新規ダム建設を全面中止し、決壊に関し、構造など原因究明と、決壊につながる関係者の
汚職を調査する、2つの組織を8日に立ち上げた。
トンルン首相は21日、現地調査した国際大ダム会議(本部パリ)のシュレイス会長や東京電力の技術者の
表敬訪問を受けた。東電は「ラオス政府の要請を受け、調査団のサポートを実施した」としている。