熱海土石流、住宅など130棟被害…避難者は計551人に
静岡県熱海市で3日に起きた大規模な土石流で、現場周辺では4日、被災者の救出活動が続いた。
市によると、住宅など130棟が被害を受け、避難者は計551人に上る。
救出活動は午前6時から、自衛隊や警察など約700人態勢で行われた。雨の影響で中断が繰り返され、
難航したものの、家屋に取り残されていた13人を新たに救出した。高齢の女性1人が重症で、
ほかの男女12人にけがなどはなかったという。救助された住民らは、3日の分も含めて23人となった。
死者は4日時点で女性2人。
一方、市は4日、居場所が分からない147人の安否確認を進めると発表した。被災した家屋に実際に
住んでいたかどうかも含めて調べる。
市は発生当初、親族や知人から「連絡がつかない」と、市災害対策本部や消防に問い合わせのあった
約20人を「安否不明」としていた。氏名や年齢などは公表していない。
土石流に巻き込まれた130棟には127世帯、215人が住民登録されている。これまでに68人の
安否が確認され、ほかの147人は避難先などにいるのか、居住していたのかどうかも分からないという。
県は4日、土石流の起点となった斜面付近に、開発行為に伴う盛り土があり、そのほとんどが崩落
したと発表した。県は、土石流の発生と開発行為の関連性を調査する方針だ。
「お母さんが来たよ」母子を救出…熱海土石流
警視庁動画
警視庁は4日、土石流で被災した静岡県熱海市に派遣した広域緊急援助隊の救助活動を撮影した動画を公開した。映像ではマンションの2階に取り残された母親と赤ちゃんを2階の窓から救出。先に救助された赤ちゃんに「お母さんが来たよ」「大丈夫」などとあやし、後から救助した母親に渡す様子などが収められている(プライバシー保護のため、映像を一部加工してあります)=2021年7月4日公開