国連を利用した「日本たたき」のウラ 日韓合意、組織犯罪処罰法改正案などにケチ 左翼勢力の「マッチポンプ構図」 (1/2ページ)
2017.06.03 夕刊フジ
国連側による、日本を貶める攻勢が続いている。衆院を通過した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案
についても、国連特別報告者が「プライバシーや表現の自由を制約する恐れがある」などとケチをつけ、一部野党や左
翼メディアが大騒ぎした。国連事務総長は「国連の総意を反映するものではない」と明言したが、背景に何があるのか。
自民党の国際情報検討委員会でも激論が交わされた。
「いずれの問題も根っこは通じている。日本の立場を明らかにし、国際的な理解を求めたい」
同委員会の原田義昭委員長は5月24日の会合で、語気を強めてこう語った。
国連側のイチャモンとしては、まず拷問禁止委員会が同月12日、慰安婦問題の日韓合意について、韓国への見直し
を勧告。同月18日には、国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏が、組織犯罪処罰法改正案を冒頭のように批判し
た。さらに、特別報告者のデビッド・ケイ氏は6月中に、日本の「表現の自由」の現状を問題視した報告書を国連人権理
事会に提出するという。
自民党の国際情報検討委員会では、出席者から「政府の中に専門部署をつくるべきだ」「国連などに、もっと日本人ス
タッフを入れて、情報を小まめに収集できる態勢を構築しよう」といった意見が相次いだ。
そもそも、前出の「勧告」や「報告書」は、国連が公的権限を付与したものではなく、あくまで私的な存在にすぎない。だ
が、これらが及ぼす国際的影響力は大きい。
原田氏は「今までは問題が起こる都度、モグラたたきのように対処してきたが、もう追いつかない。根本的に対策を考え
直さなければならない時がきた」と訴えた。
同委員会委員長代行を務める片山さつき自民党政調会長代理も「こうした報告書の発端は、慰安婦問題に関する
1996年の『クマラスワミ報告書』だ。根拠となった吉田清治氏の証言が虚偽と判明した後も、特別報告者のラディカ・ク
マラスワミ氏は『修正の必要はない』と突っぱねて、報告書は事実上生き続けている」と指摘した。
理不尽な「勧告」や「報告書」の背景として、日本の左翼勢力が、国連の委員会に働きかけて日本を批判させ、それを
日本国内での政治的活動に利用する「マッチポンプの構図」がある。
安倍晋三首相も5月27日、G7サミットが開かれたイタリア南部シチリア島・タオルミナで、国連のグテレス事務総長と
会談した。グテレス氏は国連特別報告者について『国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連
の総意を反映するものではない』と述べた。
子孫にいわれなき禍根を残さないよう、今こそ明確で総合的な対策を取るべきだ。