親の荷物の片付けをすれば必ず和服が出てくる。子供の時代では、和服を着る機会は、結婚式以外ほとんどない。それだから、和服の価値も全く分からない。私自身も結婚した時に義両親から、男性用の和服で40万円以上のものをプレゼントされた。お正月に2回ほど着たけれどもそれからは、どこにしまってあるかも忘れてしまっている。妻の着物姿も結納と結婚式以外見たことがない。
そういう家庭が多いからだろう。着物買い取りに関心が高まっている。着物買い取りの宣伝をよく見るようになった。特に6・7月は、買い取り価格5倍の宣伝で「バイ〇ル」が大々的に宣伝をしているのが目に付くようになった。
兄夫婦もその宣伝を見て、母親の和服を処分しようと考えたのであろう。電話で予約して、200枚以上のレコードとともに出張買い取りをお願いしたようである。私も自身のレコードと義両親のレコードを処分した経験があるので、それなりの値段で買い取ってもらったことを話した。「バイ〇ル」では、レコード一枚80円、場合により50円で買い取るとの電話連絡があったとのこと。80円なら買い取ってもらうことを決意したようである。
義両親の和服も処分してもいいかと妻と相談したら、着ることがないので一緒に買い取ってもらったらという話になった。そこで「バイ〇ル」のHPなどをみて、そのシステムや口コミなどを調べてみた。
「バイ〇ル」自身のHPの口コミ件数は多い印象であった。ざっと読んでいくと、出張買取に来た担当者が非常に丁寧で、安くなった場合もその理由をちゃんと説明してくれたなどの説明があった。ただし、あまりの安さに驚いたなどの口コミも多くあり、5~1の評価で、5と1が最多というちょっと変わった分布グラフも見た。もちろん、じょうずに★4や★3で「とてもいい5」の評価をしている感じの口コミ表もあった。その他のサイトや口コミブログなどもいろいろとググってみたが、それなりの安値であるが納得できる買い取り業者だというのが多かった。
そこで義母の和服もついでに評価・買い取りしてもらおうと兄夫婦に頼んだ。持ち運ぼうとする日が、あいにくの大雨ということでとりやめることにした。
他の買い取り業者も調べるためにパソコンでいろいろ検索してみた。けっこう多くの買い取り会社があることを知った。「バイ〇ル」に関しては、「バイ〇ル」自身の口コミではなく、その他の口コミサイトでの「バイ〇ル」の口コミを見つけ、チェックしてみることにした。そこでの評価は、どこでも5~1の評価で、1(最悪)が最多であることが判明した。和服の買い取り額は高くても数百円から2千円、それも数十枚の和服の合計額がその程度ということ。「ほかに貴金属とかブランドものなどありませんかと言う担当が多くいる」との口コミを多いのに驚いた。目的はそちらにありそうである。よほどの高級和服以外は、お呼びではないという感じである。
「要らなくなった家電を無料で引き取ります」に、声をかけたら、家の中まで無断で入ってくる業者の話を思い出したが、老人だけの家庭では危険を感じるかもしれない。
そこで、もう一度「バイ〇ル」自身のHPの口コミを全部読んでみることにした。5(最良)を付けた口コミは、基本的に、「買い取りに来た担当者は非常に丁寧で紳士的に接してくれた」という内容ばかりで、言い回しが、違っているが、内容は同じというパターンが多かった。1(最悪)を語っているものは、買い取りに関する落胆と怒りに満ちていた。
そこで思い出すのが、ビッグモーターの口コミである。ビッグモーターの社員が★5の口コミを書き込んでいたという宣伝方法である。車を買うのも売るのも初めて、あるいは、2、3回目という人は、やはりこの手の口コミには騙されやすいのではないだろうか。また、和服を売るなどは、初めて、あるいは、一生に1、2度しかない場合が多いので、どうしても宣伝と口コミに騙されてしまうのではないかと推測される。 500円で買い取られた着物が、1万円でHP売られていて、即座にクーリングオフを使って買い戻したという口コミも見つけた。
兄の家に担当者が来た。着物買い取り額は0円。そこで、兄嫁は、売るつもりがなかった自身の持つ高級な着物の買い取り額を聞いた。「今頃、着物など着る人がいると思いますか」と言われたそうである。あなたの会社は、何?と思うのが当然であろう。レコードは、最初の話では、1枚80円、場合により1枚50円という話であったが、査定額は、1枚20円ということで、即座に拒否したそうである。結局、取引の話をするよりも、ゴミとして捨てた方が、よほど気分がいい、という結論になってしまったそうである。
あるネットの記事に、「お金持ちはビッグモーターに近づかない」というのがあった。あれだけの宣伝をし、高給を支払っている会社が、まともな仕事をしているはずがない、というのであった。ビッグモーターの噂は聞いていたので私も決して近づかなかったが、TVのCMなどをバンバンに打つ企業は、やはり、なにか裏がありそうで怖い。和服の買い取りも、〇〇質店の宣伝も、ものすごい量の保険会社のCMも、無料だの1対1だの甘言でだますように誘惑する塾のCMも、危なくて近づけない、そう思うのは、私だけだろうか?
<義父の残したこれらのレコードも売れたのに驚いた=大阪のスノーレコードに売却=>