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主夫の徒然なるままに

下流老人、続下流老人 を読んで

「下流老人」藤田孝典
下流老人という言葉が市民権を得て、だいぶ時間がたつ。格差社会は、老人にも直撃し、多くの老人たちが、貧困の中で喘いでいる。
 この本の中での考察や論点に異議を挟むつもりはない。ただ、「すごい」「なるほど」と思った点を拾ってみる。
(1)貯金「1500万円」退職金「1500万円」計3000万円で63歳で退職。独り身故アパート暮らし、お墓だけは作っておこうと900万円、その後、2度の心筋梗塞、「高額療養費助成金」の制度を知らず、さらに無年金の会社に勤め、年金無し。貯蓄があれば、何とかなる思いは一挙に崩れ、治療を受けながらの生活保護の暮らしとなる。3千万の貯金でも一瞬にして下流へ。
(2)熟年離婚の盲点。「仕事一筋で暮らしてきたならば、夫は妻に逃げられてはいけない。」家事は女性がするものという発想がぬけ切れない多くの男性高齢者は、料理が下手、どころか、下手レベル以下の生活能力のため病気へのリスクが最大値となり、最短で病気に。掃除も洗濯もできずゴミ屋敷とまでいかなくても非衛生的な生活が目に見えてくる。離婚では、年金も専業主婦と2分割になる。妻に逃げられないように最善の、そして、最愛の態度で臨む必要アリだと筆者は語る。

 「まもなく日本の高齢者の9割が下流化する。」 私はだいじょうぶと考えている高齢者、もうすぐ高齢者になるあなた、必ず高齢者になるすべての日本人、こうならないために我々は、我が国はどうすべきか、考えなくては。

 「続・下流老人」
 本日4/1(2022)、年金が下がる決定された。下げ率は、0.4%。国民年金満額でも259円、20万の年金をもらっている幸運な人で800円の下落である。少しの減額であるが、問題は、「年金が下がる」という不安が日本中に蔓延し、年金の不心感がますます上昇するという現象である。若者は年金を払うのをためらい、老人は老後を楽しむどころか、どうやって働き続けるかで心と体を痛める。
 こうならない日本にするにはどうすべきか。いくつかの方法論が述べられているが、例えば、消費税を欧米並みに上げ(20%)、その分、年金その他の福祉を上昇させる。そのことで将来の不安からくる過剰な貯金を抑制し、経済を循環させる。無理に高齢で働き続ける悲惨を下げることができ、若者に十分な就業機会を与えることができる。
 個人的に納得できる案として、「福祉は現物支給にする」というのがたった。お金をもらっても貧困ビジネスに吸収され、あるいは、パチンコ屋競馬、飲酒に消えていくのならば、必要な福祉を現物で与える。「車いすを現物で渡すようになれば、偽って車いすを欲しがる輩はいないのではないか」現実には、難しい方法論であるが、なるほどと思ってしまった。

 日本は、格差社会の広がりの中で、貧困の不幸を背負う人が、数年で激増する。特に老人の貧困と若者の貧困は、早い時期に政治的に解決しなければ、日本は、さらに、不幸で貧しい国になっていく。
 
 自分は「だいじょうぶ」と思っているもうすく老人の仲間入りする50代、60代前半の人に読んでもらいたい一冊である。

<主夫の作る夕食>
家庭中国料理店「品品食堂」からもらった調味料を加えると麻婆豆腐や胸肉の炒め物が、がぜん美味しくなる。中華にちょっとはまっている。



<思い出の一枚>
4畳半に詰め込んだ20代の頃のマイルーム。

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