Break Time

coffee breakで気分転換を~♪

女王はかえらない

2015-04-28 20:48:47 | 読書
降田天著「女王はかえらない」を読んだ。

2015年 第13回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作

三部構成の最後の一部が何もかも想像を絶する展開で驚いた。




あらすじ(サイト参照)

「女王」といっても、これはどこかの王国の話ではない…描かれるのは残酷な学級内階層(スクールカースト)の争い。
片田舎の小学校で女王ポジションに君臨していたマキは、転校してきた都会っ子のエリカにその座を脅かされる。
次第に発展していくクラス全体を巻き込んでの権力闘争。
しかしその背景には「ケンカ」という次元では収まらないほどのあまりにも深い闇が潜んでいた。
当事者の小学生を描いた第一部、教師を描いた第二部、謎が明かされる第三部。
「この話は繋がっているのかな?」という不思議な感覚を覚えつつ読み進めていくと戦慄の事実にぶち当たる。
二度読み必至!とことん裏をかかれ、最後の最後まで驚かされる。


テンペスト

2015-04-24 22:11:09 | 読書
池上永一著「テンペスト」を読んだ。
壮大な琉球王国滅亡への道を一人の女性の目から描いた物語。
神がかり的な立身出世の物語であると同時に、宮廷絵巻でもある。
長編小説ながら、一気に読み進んだ。

 


あらすじ(サイト参照)

誰よりも聡明な少女・真鶴は、女であるというだけで学問を修められないことを不公平に思っていたが、
跡継ぎと目されていた兄の失踪を機に宦官・孫寧温と名乗り、性を偽って男として生きていくことを誓う。

科試に合格した寧温は、王府の役人として、降りかかる難題を次々と解決し、最速の出世を遂げていく。

そんな寧温は数々の敵に阻まれ、遂に八重山に謀反人として流刑される。
寧温は真鶴に戻り、九死に一生を得るが、その類稀なる美貌と才覚を見初められ、
自分の意思とは裏腹に王の側室として王宮へ返り咲くこととなる。

平穏な生活はペリーの来航により急を告げる。外交に長けた人物として、
八重山にいると思われた孫寧温に対して王府へ戻るよう王命が下り、
真鶴は昼間は宦官・孫寧温として、夜は側室・真鶴として一人二役をこなすことになる。

薩摩と清国、2国の狭間で揺れる琉球に近代化の波が押し寄せる。

鹿の王

2015-04-16 10:56:14 | 読書
上橋菜穂子著「鹿の王」 2015年本屋大賞第1位! 第4回日本医療小説大賞 受賞作を読んだ。
私には久しぶりの大作で、読みごたえがあって、ロマンがあって感動を覚えた。

 


あらすじ(サイト参照)

強大な帝国にのまれていく故郷を守るため、死を求め戦う戦士団<独角>。
その頭であったヴァンは、奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。
ある夜、ひと群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。
その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾う。
一方、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、
医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。

ヴァンとホッサル。
ふたりの運命が交叉するとき、見たこともない世界が眼前に現れる。
厳しい世界の中で、暖かく他者を支えながら生きる人々の、

死者におくる入院案内

2015-04-08 12:45:53 | 読書
赤川次郎著「死者におくる入院案内」を読んだ。
軽妙なタッチで読者をひきつけてどの話もうまく描かれていて流石と思った。



あらすじ(サイト参照)

霧深い夜に腹を裂かれた女と通り魔の正体(外科)、希望溢れるはずの新しい団地で、
入居日を過ぎても姿が見えない若夫婦の行方(精神科)、
人気作家の元に現れた身に覚えのない「我が子」とその母(産婦人科)、
余命三ヶ月と診断されて家を飛び出した少女と強盗犯の奇妙な絆(放射線科)、
法医学者のもとを訪れる、「今日殺された」と主張する謎の客 (法医学教室)……迷える人間たちの病状は実にさまざま。

バリエーションに富んだ切り口とテーマでまとめられた本作は、まさに赤川流ユーモアサスペンスの真骨頂。
殺意と悪意の病に罹った「患者」たちに「名医」赤川次郎がおくる、7つの診療科への入院案内だ。
劇薬級のブラックユーモアに病みつき、中毒注意! 傑作ミステリー短編集。

二度のお別れ

2015-04-06 19:59:26 | 読書
黒川博行書「二度のお別れ」を読んだ。
初作がサントリーミステリー大賞佳作賞になった記念すべき作品。面白かった。




あらすじ(サイト参照)

4月1日午前11時34分、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。
400万円を奪い、客の一人をピストルで撃ったのち、彼を人質にして逃走した。
大阪府警捜査一課は即刻追跡を開始したが、強奪金額を不服として犯人は人質の身代金1億円を要求、
かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。名手の記念すべきデビュー作となった、シリーズ第1弾

キャッツアイころがった

2015-04-03 17:20:04 | 読書
黒川博行著「キャッツアイころがった」を読んだ。
美大生の女子二人が探偵まがいでインドにまで行くくんだりは、物語ならではの脚色のようにも感じたが
読んだ後味がとても良かった。




あらすじ(サイト参照)
【第4回サントリーミステリー大賞受賞】
滋賀県北部の余呉湖で、身元不明の死体が見つかった。
唯一の手がかりは、胃の中にあった宝石・キャッツアイ。
続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が殺害される。ともにキャッツアイを口に含んだ状態で発見される。
余呉湖との関連に頭を悩ませる警察をよそに、事件の鍵は殺された美大生が生前旅行していたインドにあると、
啓子と弘美は一路彼の地へ旅立つ。第4回サントリーミステリー大賞を受賞した、著者の出世作。