「聞こえますか?」
「はぃ・・・」
「寝ないでください。」
遠くから声が聞こえる。
返事をしたくても声が出ない。
目を開けると、暗闇の中に光が見えてくる。
「聞こえますか?起きてください。」
「はぃ・・・」
「目を開けてください。」
「足を動かせますか?」
「はぃ・・・」
声をならない声を振り絞る。
声を出したいけど、うまく出ない。
足も動かしたいけど、動かない。
遠い。
目を開けていたいけど、朦朧とし、また遠くなる。
「聞こえますか?」
「終わりましたよ。」
「起きてください。」
「はぃ・・・」
そんなやり取りを何度か繰り返すうちに、
段々と麻酔が醒めてきたのか、状況が理解できてきた。
頭では理解できているものの、
声も出づらく、また、意識も遠くなる。
「ありがとうございます。」
「今から部屋に戻りますね。」
「結構寝てました?」
「1時間くらいですかね。(手術も)早かったですよ。」
部屋に戻り、いろんな機器を取り付れた。
「痰が出そうでしたら、出してくださいね。」
「はい。」
しばらく眠った。
両親も帰っていった。
あっという間に終わった。
前日の夜から絶食。
当日10時まで水のみ。
その後、点滴やら準備して手術。
時間も20-30分。
終わってみれば、あっという間だった。
正直、手術前の一人の時間は不安もあった。
すぐに終わることも知っていた。
けど、不安だった。
そんな時に、一緒にいてくれる存在は、
大きく、とても心強い。
前日、妻に付き添ってもらって入院した。
当日、仕事の妻に変わり、両親が立ち会ってくれた。
色々話していると気が紛れて良かった。
どうもありがとうございます。
前日から当日の手術前に掛けて、
紛らわすように映画を三本見た。
Amazon primeにも助けられた。笑
四半世紀を一緒に過ごしたヘルニア
大学生活も社会人生活も、
野球も応援も海外旅行も、
結婚も子育ても、
主に20代から30代をともに過ごした。
「ヘルニア、見ましたか?」
「見ましたよ。」
ついさっき、医師がやってきて教えてくれた。
ヘルニアが、大きく、骨にくっついていたので、
保存療法や安静にしていても中々元に戻らず、
痛みやしびれが続いたのかも、と。
1.1gだった。
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無理な動きや急な動きはしないように。
1ヶ月は飛んだり跳ねたりせず安静にして下さい、と。
それにしても、この解放感。
歩いても座っても痛みやしびれが出ない。
当たり前のことが当たり前にできる。
嬉しすぎる。
バイバイ、ヘルニア!
今までの経過と、手術の選択については、また次に。
さぁ、
今日も
元気に
笑顔で
明るく
楽しく
ヘルニアからの解放感を味わいながら
最高の一日にしよう!!
一人一人の応援団
junworld