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映画 ベルデット

2024-11-13 20:51:51 | 日記

映画 ベルデット

 フランス映画らしい洒落が効いているかと期待したが、何もなくてがっかりした。シラク大統領の奥さんの政治家としての出世譚とみることができる。その最後に「夫の許可なくして何もできないというような風潮がいけない。」という発言があって、これは本来力のある女性が夫に踏みつけにされていた人生を取り戻す復讐物語であったことがやっとわかった。

 わたしは先入観なかったので、大統領を揶揄するかさらに進んで民主主義を揶揄するかと身構えてみていたが、大統領への揶揄は少しはあったと思うが政治体制への揶揄はなかったようである。そんな深い映画ではない。ただシラク大統領にどんなスキャンダルがあったのかとかの知識がないのでそんなことがあったのかと真偽を疑うところがある。

 道理で私の人生を返して頂戴と大声で叫びそうな感じの50から60代の女性が多いはずである。映画や小説は生きられたかもしれない別の自分の人生を見にくる場でもある。女性はさぞや溜飲をさげ満足されたであろうが、わたくしは関係ないものを見せられてかなり不満である。ただ千九百年代後半のフランスにしてこんなことがまかり通っていたのかと勉強しただけである。

 

 男はみなドヌーブさんを見たいから来るのが本当だろう。オーラと貫禄はすごいものがあるが、間の取り方が上手ではないので(ある程度予想していたことだけど)観客は退屈であった。脇役は大統領夫人についているアシスタント役が光っていた。他の俳優さんはどうも駄目である。大統領らしい人、首相らしい人から人選するとこうなるのかもしれないが失敗作だと思う。演技ができてかつ大統領らしい首相らしいになるとむつかしいだろうと同情を禁じ得ない。



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