ショック・ドクトリン (NHKテキスト 100分DE名著テキスト)②
どさくさ紛れにこの新自由主義の政策を注入するということで、チリのクーデターの時の注入実例を挙げている。わが国の国鉄民営化は特段のことのない時であったし、電電公社がNTTになったのは日本が調子のよい時であった。どさくさ紛れではない。しかし、終身雇用が崩壊するような法案が通ったのはバブル崩壊後の経済混乱して倒産企業が多く出た小泉政権の時であったから、クーデターほどのことはないにせよどさくさ紛れであった。これを日本のショック・ドクトリン注入の実例にするのがいいのではないか。
あのころはもう日本経済はあかん、お先真っ暗やという報道ばかりが流されていたが終身雇用をやめる法案が通ってしまうとそのあとはそんなひどいことは起こらなかった。日本に新自由主義を根付かせるためにバブル崩壊をひきおこしたのなら、巨大な経済を手のひらで転がすことができるということで新自由主義者は相当大きな力をお持ちと考えられる。大金を操作して金融市場に混乱を引き起こし多くの経済学者に恐怖をあおる発言をさせそのすきに法案を通す、そんなことが本当にできるのだろうか。ここはナオミ・クラインさんの原著を読むのが良いと思うが外国のヒトの本は分厚い上に読みにくいので躊躇する。
次にショックを起こしてまでも新自由主義の法案を通したいのは間違いなく国民健康保険であろう。保険財政はもう持たないと言われて久しい。法案の原案はもうできているのだそうである(ちょっと先走った予想かも)、ちょっと見せてもらいたいもんだ。もうすでに医療を提供する会社は日本にもできているらしい、この会社はこの法案によって巨大化することが予想される。革命に近いような大きな変化がおこるだろう。
そのときの混乱を起こすために、日本の財政破綻のうわさを盛んに撒いているのかもしれない。それでもし日銀の金庫の中にあるおカネより大量のおカネを動かすことができれば、国債を売り崩すことはできるから。夏の夜の怪談話であればいいんだけど。
ついでに、竹中平蔵さんはミルトン・フリードマンの弟子だそうでそれは納得できるが、前の前の日銀総裁白川さんも弟子なんだそうである。黒田さんの名前はここにはなかった。
さらにこんな内容の本がアノNHKから出版されていることに驚く。なにか深い深い裏があるのか、と勘繰りたくなる。本当なのかと疑いたくなる本である。新自由主義者のことが嫌いだけどよく知っているという人がこの本を書いている。新自由主義が嫌いという人がお読みになるのに適した本である。
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