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『ジャズ小説』 筒井康隆

2018年07月26日 22時33分00秒 | ■読書
ジャズ・フリーク「筒井康隆」が、こよなく愛する古今の名ナンバーを題材にして描いた短篇集『ジャズ小説』を読みました。


最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉に続き「筒井康隆」作品です。

-----story-------------
こよなく愛する古今のジャズの世界を題材にした、時に恐怖、時にたのしい十二の物語。
著者の“原点”ともいえるSFファンタジー。

「ルイ・アームストロング」「アート・ブレイキー」「ソニー・ロリンズ」「エラ・フィッツジェラルド」「ビリー・ホリデイ」…。
名手の演奏するジャズの名ナンバーに触発されて描く、「筒井康隆」ならではの華やかな12の短篇集。
恐怖あり、笑いあり、ファンタジーあり、ショートショートあり。
解説は、畏友「山下洋輔」氏による「筒井康隆」論65枚の力作。
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1994年(平成6年)6月から1995年(平成7年)5月にかけて「千趣会」発行のCDブック『Immortal Jazz Monochrome』向けに書き下ろされた作品… 全作品がジャズをテーマにしているのですが、作品のジャンルはSFからサスペンス、ドタバタ、ファンタジーと多岐にわたり、風刺あり、笑いあり、恐怖あり、不条理ありと多彩なバリエーションで愉しませてくれる12篇が収録されています、、、

もしかすると、イチバンの大作は「山下洋輔」による46ページにわたる解説かも… という、ジャズの魅力をたっぷりと伝える一冊でした。

 ■ニューオーリンズの賑わい
 ■葬送曲
 ■はかない望み
 ■ソニー・ロリンズのように
 ■ラウンド・ミッドナイト
 ■懐かしの歌声
 ■恐怖の代役
 ■陰謀のかたち
 ■チュニジアの上空にて
 ■ムーチョ・ムーチョ
 ■ボーナスを押えろ
 ■ライオン
 ■附録 ディスク情報 文・鈴木琢二
 ■極私的逸脱的妄想的発作解説<筒井康隆の大音楽世界> 山下洋輔


読んでいるとジャズを聴きたくなる… そんな佳作が並んでいましたが、そんな中でも、、、

ジャズ・クラブのバーテンダーが、店に通ってくる素敵な女性の気持ちを掴んだ… と思わせておいて、実は試されていたという『はかない望み』

妻が自分の所属するジャズバンドのメンバーに恋してしまい、泣く泣くバンドメンバーと妻を引き合わせようとするが… 実は、自分にも喜ばしいことが待っていたという『ソニー・ロリンズのように』

芝居の歌の部分だけの吹替えを頼まれたジャズシンガーの女性が、役者の仕事まで奪うことになり… オチが読めるものの恐怖を感じざるを得ない『恐怖の代役』

ドラマーのことが気に入らないバンマスが、一旦ジャズバンドを解散・再結成することでドラマーをバンドから外そうと画策するが… 結果的に自分がバンドから追い出されてしまう『陰謀のかたち』

が特に印象に残りましたね… 久しぶりに、ゆっくりジャズを聴きたくなりました。




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