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『マルタの鷹』 ダシール・ハメット (著), 小鷹信光(翻訳)

2018年11月28日 22時56分00秒 | ■読書
アメリカの作家「ダシール・ハメット」の長篇ミステリ作品『マルタの鷹(原題:The Maltese Falcon)』を読みました。


東西ミステリーベスト100で海外篇の36位として紹介されていた作品… 「ダシール・ハメット」作品は初めてですね。

-----story-------------
私立探偵「サム・スペード」の事務所を若い女が訪れた。
悪い男にひっかかり、駆け落ちした妹を連れ戻して欲しいとの依頼だった。
「スペード」の相棒が相手の男を尾行するが、相棒も男も何者かに射殺されてしまう。
女の依頼には何か裏があったのか…。
やがて、「スペード」は黄金の鷹像をめぐる金と欲にまみれた醜い争いに巻き込まれていく―「ハンフリー・ボガート」主演映画で知られる、ハードボイルド小説の不朽の名作。
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アメリカの文学誌『ブラック・マスク』の1929年(昭和4年)9月号から翌1930年(昭和5年)1月号に連載され、1930年(昭和5年)に刊行された作品、、、

「ダシール・ハメット」によって創作された私立探偵「サム・スペード」の登場する唯一の長編小説… ハードボイルド派を確立した作品として有名な作品です。


サンフランシスコの私立探偵「サム・スペード」は、駆け落ちをして家出した17歳の妹を連れ戻したいという「ワンダリー」と名乗る女性の依頼を受けて、相棒の「マイルズ・アーチャー」「フロイド・サースビー」という男を尾行させる… しかし、その夜「サースビー」「アーチャー」は、いずれも銃で撃たれ死体となって発見され、「スペード」「アーチャー」の妻「アイヴァ」と密通していたことから、警察の「ダンディ警部補」等は彼に嫌疑を向ける、、、

「スペード」「ジョエル・カイロ」というなよなよした色の浅黒い男の訪問を受ける… 彼は「スペード」が何かを握っていると考えており、それを探ろうとしている様子だった。

女依頼人に再会した「スペード」は、彼女が最初に名乗ったのは偽名で、本名は「ブリジッド・オショーネシー」であること、「カイロ」とも関係していることを知る… 2人を引き合わせた「スペード」は、彼らの会話からその関心がある黒い鳥の彫像にあること、「G」なる人物もまたそれを求めているらしいことを知る、、、

やがて「G」こと「キャスパー・ガットマン」「スペード」に接触してくる… 「スペード」ははったりをしかけて、彼らの捜し求める16世紀のマルタ騎士団にゆかりを持つ、最高の宝石類で飾り立てられ輝かしい金製の鷹の彫刻「マルタの鷹」の存在を聞きだす。

「ガットマン」は、ロシアの将軍が「マルタの鷹」を所持していることを知り、「カイロ」「サースビー」「オショーネシー」の3人を代理人として派遣したが、「マルタの鷹」の価値に勘付いた3人はそれを秘匿してしまったのだという… やがて、「オショーネシー」の意を受けて、貨物船「ラ・パロマ号」の船長「ジャコビ」「スペード」の事務所を訪れる、、、

彼は銃で撃たれており「マルタの鷹」「スペード」に託して息絶える… 「マルタの鷹」を手に入れた「スペード」はそれを切り札に「ガットマン」らと交渉し、すべてのいきさつをあぶりだす。

「マルタの鷹」の取り分をめぐる仲間割れから、「アーチャー」も殺されたのだった… それをめぐって3人の男が殺されることになった「マルタの鷹」は模造品だった、、、

「ガットマン」らの態度からそれが高価なものだと気付いた持ち主のロシア人が、偽物をつかませたのだった… 落胆しながらも、再び「マルタの鷹」を求めてコンスタンチノープルに向け出立していった「ガットマン」らを、「スペード」はあっさりと警察に密告する。

そして、「アーチャー」を射殺した実行犯であった「オショーネシー」も、必死の哀願にもかかわらず、「スペード」は無慈悲に警察に突き出すのだった。


オープニングから、いきなり2件の殺人事件が発生し、その発端となった謎の女、そのあとを追って地中海から来た男、ギャング一味の暗躍、そして、その昔マルタ島騎士団がスペイン皇帝に献上した純金の鷹の彫像「マルタの鷹」をめぐる血みどろの争奪戦と、最初から最後まで、緊張感が漂う作品でしたね、、、

登場人物の台詞に婉曲表現が多用されているところが特徴のひとつらしいのですが… ちょっと、わかり辛いというか、伝わりにくい部分がありましたね。


以下、主な登場人物です。

「サム・スペード」
 サンフランシスコの私立探偵

「エフィ・ペリン」
 スペードの秘書

「マイルズ・アーチャー」
 スペードのパートナー

「アイヴァ」
 アーチャーの妻

「ブリジッド・オショーネシー」
 事件の依頼人

「フロイド・サーズビー」
 ブリジッドが尾行を依頼した男

「ジョエル・カイロ」
 レヴァント人

「キャスパー・ガットマン」
 鷹の彫像を追っている男

「ウィルマー・クック」
 ガットマンの手下

「ジャコビ」
 パロマ号の船長

「シド・ワイズ」
 弁護士

「ブライアン」
 地方検事

「トム・ポルハウス」
 主任刑事

「ダンディ」
 警部補


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