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『こうして誰もいなくなった』 有栖川有栖

2024年12月27日 21時37分40秒 | ■読書
有栖川有栖の中短篇小説集『こうして誰もいなくなった』を読みました。
有栖川有栖の作品は先日読んだ『カナダ金貨の謎』以来ですね。

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ジャンルを超えた驚きがここにある!ファン必読の短編集。

仮想通貨で成功した若き大富豪に招待された10名の男女が、"海賊島"で巻き込まれる不気味な連続殺人事件――クリスティの名作を大胆に再解釈した表題作をはじめ、書店店長の名推理が痛快な「本と謎の日々」、肥大化した男の欲望と巨大生物の暴挙に恐怖する「怪獣の夢」、遊び心に満ちたタイポグラフィが楽しい「線路の国のアリス」など多彩な14篇を収録。
ジャンルを超越した物語世界の魅力を堪能できる、唯一無二の作品集!
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ファンタジー色の強い作品からホラータッチの作品、本格ミステリまで、ジャンルを超えたノンシリーズ物の中短篇を14篇を収録して2019年(平成31年)に刊行された作品です。

 ■前口上
 ■館の一夜
 ■線路の国のアリス
 ■名探偵Q氏のオフ
 ■まぶしい名前
 ■妖術師
 ■怪獣の夢
 ■劇的な幕切れ
 ■出口を探して
 ■未来人F
 ■盗まれた恋文
 ■本と謎の日々
 ■謎のアナウンス
 ■矢
 ■こうして誰もなくなった
 ■あとがき
 ■文庫版あとがき
 ■解説 千街晶之

孤島に招かれた10人の男女、死刑宣告から始まる連続殺人――有栖川有栖があの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリにしあげた表題作を始め、名作揃いの豪華な短編集!

ジャンルを超えた中短篇が14篇が収録されているので玉石混合……好みの作品ばかりではありませんでしたが、そんな中でイチバン印象に残ったのは、表題作でアガサ・クリスティの名作ミステリ『そして誰もいなくなった』へのオマージュとも思える『こうして誰もなくなった』かな、、、

デンスケと名乗る謎の大富豪から海賊島に招待された男女が、ディナーの席で各自の過去の罪状を暴露され、「判決は全員死刑。命をもって罪を償ってもらいます」と宣言され、1人ずつ殺されていく……まさに現代版の『そして誰もいなくなった』という印象でしたね。

その他では、

ホラー的な展開から、ミステリ風コントのようなオチが付いており、NHK-FMの『クロスオーバーイレブン』用に描かれた『館の一夜』、

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』のパスティーシュ で、鉄道とアリスがコラボレーションしたファンタジー作品『線路の国のアリス』、

服毒自殺を図るために出会った2人の男女……決行のその日、大地震が発生したことにより大きく運命が変わってしまう『劇的な幕切れ』、

江戸川乱歩の少年探偵団シリーズのパスティーシュ で、明智小五郎が活躍する『未来人F』、

かな……好みの作品が半分くらいでしたね。

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