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『文庫版 地獄の楽しみ方』 京極夏彦

2024年12月28日 21時54分05秒 | ■読書
京極夏彦の特別授業を書籍化した『文庫版 地獄の楽しみ方』を読みました。
京極夏彦の作品は3年前に読んだ『百器徒然袋 雨』以来ですね。

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「あなたの世界」は言葉ひとつで変わってしまいます。
 
SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。
言葉の罠にはまらないため、語彙を増やして使いこなすわざを身につけましょう。
小説家・京極夏彦が指南する、地獄のようなこの世を楽しく生きていくための「言葉」徹底講座。
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2019年(令和元年)に「学校では教えてくれない本物の知恵を伝える白熱授業」と題して京極夏彦が聴講生50名を対象に特別授業を行った内容をもとに、同年に刊行された作品です。

 ■第1部 言葉の罠にはまらないために
  ・言葉は人類最大の発明である
  ・「過去」と「未来」は言葉で作られた
  ・言葉はデジタル、だから不完全
  ・人は言葉の欠けを勝手に埋める
  ・SNSが炎上するわけ
  ・日本語のすぐれたところ
  ・すべての読書は誤読である
  ・あらゆる争いは言葉の行き違いから起きる
  ・「勝った」「負けた」も言葉の魔術
  ・人間は自分がなりたいものになる
  ・スポーツも勉強も勝ち負けではない
  ・世の中にいいことなんてないでも面白がろうと思えば面白い
 ■第2部 地獄を楽しむために
  ・「ら抜き言葉」は間違いか
  ・「正義」の対義語は「悪」?
  ・「神」という言葉があらわすものは
  ・「愛」という便利で危険な言葉
  ・語彙の数だけ世界がつくれる
  ・人生でいちばん大切なのは「整理整頓」
  ・本の数だけ人生がある
  ・嫌いなことをしないために頭を使おう
 ■京極さんとの言葉をめぐる一問一答
  ・カオスとは、言葉で切り取らなくてはならないものですか?―切り取るのは、認識するための手段にすぎません。
  ・「言霊」とはどういうものですか?―「呪う」ことも「祝う」こともできるものです。
  ・「言葉は不幸である」と思われますか?―言葉は不幸でもあり、幸福でもあります。
  ・理不尽な勝負を挑まれたら、どうすればいいですか?  ―勝負を無効化しちゃいましょう。  
  ・本の収納の仕方を教えてください。―本の収納だけは「愛」と執念
  ・なぜ嫌いな小説を書いているのですか。 ―生活のためですね。  

「今の十代の皆さんは、私が十代だった頃に比べても、はるかに優秀です。
 しかし、大人になった皆さんを待ち受けているのは地獄のような現実です。それはいつの時代も変わりありません。
 地獄を楽しむためのヒントを、もう地獄に堕ちている先輩が、少しだけお教えします」(京極夏彦)

「あなたの世界」は、言葉ひとつで変わってしまいます……SNS炎上、対人トラブル――すべては「言葉」の行き違い、、、

語彙を増やして使いこなすわざを身につければ、楽しい人生を送ることができます……地獄のようなこの世を生き抜くための「言葉」徹底講座。

大人前夜のきみたちへ。学校では教えてくれない本物の知恵を伝える白熱授業……「17歳の特別教室」シリーズ第5弾。

京極夏彦の特別授業……若い方からミドル、そしてリタイア後の生き方を考えている方まで、なるほどと思う含蓄が詰まった一冊でしたね、、、

そんな中でも印象に残ったのは、

●言葉は非常に不完全なもので、伝えたい事柄を正確に言い表すことは不可能に近い
●受け取る方は常に過剰な意味合いを付加してしまう
●自分の気持ちでさえ言葉にはできない……言葉は通じないので、それを承知で使う

というメッセージことですね……仕事のことで議論する中で、なかなか相手と噛み合わないことがあるんですよねー このメッセージを理解しながら言葉を選ぶことで、少しは改善できたらいいな と思います。

言葉について、色々と考えさせられる……そんな一冊でした。

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