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『夜よ鼠たちのために』 連城三紀彦

2021年10月06日 22時11分00秒 | ■読書
「連城三紀彦」の短篇ミステリ作品集『夜よ鼠たちのために』を読みました。


「連城三紀彦」の作品は、アンソロジー作品で「東野圭吾」選のスペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001に収録されていた『ぼくを見つけて』以来なので、約10年振りですね。

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『このミステリーがすごい! 2014年版』「復刊希望! 幻の名作ランキング」第1位!

意外な結末が胸を打つ、サスペンス・ミステリーの傑作短篇集。
世田谷の某病院にかかってきた脅迫電話で呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首には針金が巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって見つかった。
妻の復讐のため、次々と殺人を犯す男の脳裏には、いつも一匹の鼠がいた……。
深い情念と、超絶技巧。意外な結末が胸を打つ、サスペンス・ミステリーの傑作全9編を収録した短編集。
目利きが選んだ、いま再び読みたい傑作ミステリーナンバーワン!
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東西ミステリーベスト100の日本編で第86位ランクインしている作品です… クオリティの高い9篇が収録されていましたね。

 ■二つの顔
 ■過去からの声
 ■化石の鍵
 ■奇妙な依頼
 ■夜よ鼠たちのために
 ■二重生活
 ■代役
 ■ベイ・シティに死す
 ■ひらかれた闇


気が付いたら思いもよらぬ結末に誘われている作品ばかり… 巧くミスリードさせられ、どんでん返しの結末が待っている作品が多く、読み終わるのが勿体なく感じられる一冊でしたね。

特に印象に残っているのはタイトルにもなっている『夜よ鼠たちのために』ですね… 孤児院で過ごした少年時代の怨恨を起点に、妻の復讐のための連続殺人事件が絡み、犯人は最初から明らかと思われたが、、、

豊富にトリックが詰め込まれて、騙され度が高い作品でした… 医療ミスを絡めているところも面白かったですね。

それ以外では、、、

自宅の庭と新宿のホテルで、同一人物の死体が二つ… という魅力的な導入に惹きつけられ、最終的には合理的な説明がつけられる『二つの顔』

興信所で働く男が人妻の浮気調査のため尾行を依頼されるが、その気配は全くなく、意外な展開が待っている『奇妙な依頼』

3歳児の誘拐事件を追うベテラン刑事と若手刑事… 実は二重誘拐!?という展開が意外な『過去からの声』

46歳の優柔不断な男を巡る、ややこしい四角関係が縺れた事件… 思い描いた4人の立場の入れ替わりが鮮やかな『二重生活』

有名俳優に容姿が似た男を利用し、ある計略を果たそうとするが… 『二重生活』同様に登場人物の立場の入れ替わりが鮮やかな『代役』

が印象的でしたね… 1981年(昭和56年)から1983年(昭和58年)に発表された作品ですが、全く古臭さを感じない作品ばかりでした、、、

深い情念と超絶技巧、そして意外な真相が胸を打つ作品群でした… 次も「連城三紀彦」の作品を読んでみようと思います。



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