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『妃は船を沈める』 有栖川有栖

2021年05月07日 21時12分00秒 | ■読書
「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『妃は船を沈める』を読みました。


「有栖川有栖」の作品が続いていますね。

-----story-------------
「妃」と呼ばれ、若い男たちに囲まれ暮らしていた魅惑的な女性「妃沙子」には、不幸な事件がつきまとった。
友人の夫が車ごと海に転落、取り巻きの一人は射殺された。
「妃沙子」が所有する、三つの願いを叶えてくれる猿の手は、厄災をももたらすという。
事件は祈りを捧げた報いなのだろうか。
哀歌の調べに乗せ、臨床犯罪学者「火村英生」が背後に渦巻く「欲望」をあぶり出す。
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探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの長篇8作目にあたる作品… もともと中篇だった『猿の左手』に、同じ登場人物を配置した中篇『残酷な揺り籠』『幕間』でつなげて、長篇の前半と後半として形を整えた作品のようです。

 ■はしがき
 ■第一部 猿の左手
 ■幕間
 ■第二部 残酷な揺り籠
 ■解説 西澤保彦


「三松妃沙子」… 「妃」と綽名される彼女の周りには、いつも若い男たちが集まっていた、、、

自由で貧しくて、少し不幸な彼らとの時間に彼女は、何を求めていたのだろう… 願い事を三つだけかなえてくれる猿の手に、何を祈ったのだろう。

倫理と論理が奇妙にねじれたような、不可解な二つの事件の背後には、濃くゆらめく彼女の気配があった… 臨床犯罪学者「火村英生」、罪深くも誇り高い難敵に挑む……。


「火村」が前半の『猿の左手』で追い詰めきれなかった犯人を、後半の『残酷な揺り籠』での別な事件をきっかけに追い詰めていく展開… 終始、「妃」こと「三松(設楽)妃沙子」に振り回された感じですね、、、

それにしても、「妃沙子」の女王様的な言動に共感できなかったなー 「火村」の敵ですが、もっと魅力を感じる人物像の方が共感できて愉しめたんじゃないかと思います… 『猿の左手』の被害者との入れ替えや、『残酷な揺り籠』の密室トリックは、なかなか魅力的な仕掛けでしたけどね。




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