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『笑う男』 ヘニング・マンケル(著), 柳沢由実子(翻訳)

2018年02月02日 22時32分00秒 | ■読書
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『笑う男(原題:Mannen som log)』を読みました。


殺人者の顔に続き、「ヘニング・マンケル」作品です… 北欧ミステリが続いています。

-----story-------------
正当防衛とはいえ、人を殺したことに苦しむ「ヴァランダー」
警察官を続けるか否か悩む彼のもとへ、友人の弁護士が訪ねてきた。
父親の死に腑に落ちない点があると言う。
しかし「ヴァランダー」に他人に力を貸す余裕はなかった。
だが警察を辞める決心をした彼が見たのは、その友人が殺害されたという新聞記事。
事件を追い始めた彼の身に犯人の魔の手が迫る。
ゴールドダガー受賞シリーズ。
解説=「関口苑生」
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第4作… 本当は第1作から順番に読んでいきたいのですが、古本屋で調達している影響で、先日読了した第1作の殺人者の顔から、第2作『リガの犬たち』、第3作『白い雌ライオン』を飛ばして、本作品を読むことになっちゃいました、、、

「ヴァランダー」は、前作の『白い雌ライオン』で、正当防衛とはいえ人を射殺してしまったの後遺症が癒えず、病気療養中という設定から始まるし、イースタ警察署のメンバも一部変わったりしているので、できれば順番に読んでおきたかったところですが、やむを得ないですね… でも、十分愉しめました。


1993年10月、「クルト・ヴァランダー」は、前回の事件で人を射殺してしまい、心の傷を負った後遺症が癒えず、警察を休職してデンマークのスカーゲンで療養していた… その彼の元を友人で弁護士の「ステン・トーステンソン」が訪ねてきた、、、

用件は交通事故死と判断された父親「グスタフ・トーステンソン」の件が腑に落ちず、再捜査して欲しいというものであったが、警察を辞める決意を固めていた「ヴァランダー」はこれを断った… 11月1日の休暇明け最後の出勤日となるはずの朝、「ヴァランダー」は朝刊の死亡欄に「ステン・トーステンソン」の名を見付けた。

「トーステンソン」が何者かに射殺されたとを知っり愕然とした「ヴァランダー」は、辞職の決意を翻し、驚く署長の「ビュルク」や同僚たちを尻目に復職を決意… 弁護士親子の死の謎を追い始めた「ヴァランダー」が自動車事故の再調査を開始し「グスタフ・トーステンソン」の身辺調査を行っていると、トーステンソン法律事務所の秘書「ベルタ・ドゥネール」から何者かが自宅の裏庭に侵入した形跡があるとの連絡が入った、、、

「ヴァランダー」が駆けつけると裏庭には、なんと地雷が仕掛けられていた… 捜査を進める「ヴァランダー」本人までもが何者かに命を狙われ、クルマの燃料タンクに爆発物を仕掛けられるが、運転中、異変に気付いた「ヴァランダー」は危うく難を逃れる。

手段を選ばない見えない敵に恐怖感と怒りを抱きつつ、鑑識課の「スヴェン・ニーベリ」や若手女性刑事の「アン=ブリッド・フーグルンド」等と協力して敵を追い詰めて行く… 「ヴァランダー」が目を付けたのは、「グスタフ」のクライアントでファーンホルム城という中世の城に住み、自家用ジェット機で世界を駆け回る国際的な企業家であり大富豪の男「アルフレッド・ハーエルベリ」、、、

彼は各国の研究機関から名誉博士号を贈られるほどのスウェーデン国内でも人望が厚い有名人だった… 「ヴァランダー」は、まるで治外法権を持っているようなこの“笑う男”の真の姿に迫るべく悪戦苦闘するが、自殺したと思われていた県庁の会計監査官「ラース・ボーマン」「ハーエルベリ」の関係を掴み、元警官でファーンホルム城の警備員「クルト・ストルム」から情報を入手することで、「ハーエルベリ」の犯行を確信する。
 
終盤の「ヴァランダー」の単独行動と獅子奮迅の活躍は、やや現実離れしている印象が拭えませんが… まっ、許容範囲かな、、、

相変わらず私生活は、順風満帆とは言えない状況ですが… 事件終了後のクリスマス・イヴには「ヴァランダー」の恋人「バイバ・リエパ」がリガから到着し、明るい未来を感じさせるエンディングでしたね。

あと、本作から登場した新しく有能な女性刑事「フーグルンド」が、今後、どのような役割を担っていくのか気になりますね… 第1作の殺人者の顔(1990年の設定)では42歳という設定だった「ヴァランダー」が、本書(1993年の設定)では48歳の設定になっているのは、ちょっと違和感がありますが、まっ、フィクションだから、これも許容範囲ですね。


以下、主な登場人物です。

「クルト・ヴァランダー」
 イースタ警察署警部

「アン=ブリッド・フーグルンド」
 イースタ警察署の新任刑事

「マーティンソン」
 イースタ警察署の刑事

「スヴェードベリ」
 イースタ警察署の刑事

「スヴェン・ニーベリ」
 イースタ警察署鑑識課の刑事

「ビュルク」
 イースタ警察署の警察署長

「ハンソン」
 イースタ警察署の刑事

「エッバ」
 イースタ警察署の交換手

「ペール・オーケソン」
 検事

「ステン・ヴィデーン」
 クルトの旧友。馬の調教師

「ソフィア」
 ヴィデーンが雇っている女の子

「バイバ・リエパ」
 リガに住む未亡人

「ステン・トーステンソン」
 クルトの友人。弁護士

「グスタフ・トーステンソン」
 ステンの父親。弁護士

「ドゥネール夫人」
 トーステンソン父子の秘書

「ラース・ボーマン」
 県庁の会計監査官

「アルフレッド・ハーエルベリ」
 グスタフ・トーステンソンの顧客。ファーンホルム城の主

「クルト・ストルム」
 ファーンホルム城の警備員。元警官

「リンダ」
 クルトの娘





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