TRIVIAL JUNK Blog

ダラダラコスプレイヤー”克晴”の、コスと映画とその他諸々。

エミリー・ローズ

2006-04-29 02:09:37 | 映画
観る機会を逸してる内にどんどん公開が終わっていってたので、これは見逃し確定かな…と思ってたら、池袋のヒューマックスで唐突にレイトショー開始。
さすが悪趣味の街池袋は一味違うぜ、ということで大急ぎで駆け込んできました。
<公式ページ>

さて、お話は顔のパーツがちょっと濃い19歳の大学生・エミリーが死亡するところから。
エミリーは幻覚・肉体硬直・発作に悩まされ続けており、神父が「悪魔祓い」を敢行したものの甲斐なく昇天。
その際、精神病としての医学的治療を阻んだことが死因であるとされ、神父様は「過失致死」の疑いで起訴されてしまいます。
ヤリ手の検察官相手に敗色濃厚の神父ながら、野心家の女弁護士は自分の出世の為にこの事件を受け持つのですが…

宣伝では「これはホラーではない、実話である」と、B級ホラー定番の枕詞に彩られる本作ですが、実際はこの文句およびそこから想起されるB級臭とはかなりかけはなれた位置にいます。
本作のキモは、検察官と弁護人による法廷劇の部分にこそあり、実際上映時間の大半は法廷でのシーンです。
医学的見地から過失致死を主張する検察、どうにかそれを突き崩そうとする弁護人。証拠を揃え、理屈をくみ上げ、時には誘導し、時には退き。このやりとりが非常に面白く、法廷ドラマとしてかなり楽しんで見れました。
やったことないけど「逆転裁判」ってこんな感じなのかな?

この話の最大のポイントは、弁護人自身、信仰としての悪魔を無条件に信じてはいない点です。話が進むにつれ、だんだんと「見えないなにものか」の存在を感じ、認め始めますが、法廷ではあくまでも科学的、法律的、論理的見地から検察の主張を覆そうとしており、それはこの話のスタンスそのものに共通します。
従って、本作を「オカルト」のカテゴリに入れるのは大間違いと言えるでしょう。

ただまぁ、悪魔云々のお話である以上は恐怖シーンもしっかり入ってまして、ドアが勝手に開閉したり何者かに締め付けられたりといった「USOジャパン」ちっくな現象に始まり、道行く人がみな「スクリーム」みたいに見えたり、エミリーが肉体硬直でイナバウアー状態のまま奇声を発したり、なんかブツブツ言ってると思ったらクモをポリポリ召し上がっていたりと、ショック系・嫌悪感系おり交ぜたイヤーなシーンがしっかりゴッキリ満載です。怖くないかと言われたらはっきり怖い映画です。
特に肉体硬直についてはそのありえない姿勢が不気味の一言でして、しかもこれ女優さん本人が頑張って体現したというのですからその気合には頭が下がります。
まぁ単純に「ショック度」だけ比べたらさすがに他のホラーより大人しいのですが、なまじ「科学的見地から検証する」というスタンスがあるだけに、単なるオカルト映画よりもやたら印象的に思えたことでした。

最終的に神父の判決がどうなったのかは書きませんが、ラストもなんとも後を引く展開。こればっかりは、直接見て皆様で感じて頂きたい。

ここ最近見た映画では一番面白かった作品でした。(B級ばっか選んでるせいもあるでしょうが)
オススメ。


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コメント (2)
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