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「刑事はもうすぐ廃業だ」
古傷が悪化して病床に臥していたスコッチ(沖雅也)が、命を懸けて最後の事件に挑む。
1982年怒涛のメンバーチェンジ。前年のスニーカー(山下真司)退職、ラガー(渡辺徹)の加入につづき、
年が明けてまもなくついにスコッチが去ります。
このあと、ロッキー(木之元亮)殉職、長さん(下川辰平)転勤、ゴリさん(竜雷太)殉職と別れがつづく一係ですが、
スコッチの場合は、切り離して観ようとしてもどうしても沖雅也さん自身とだぶってしまってつらいです。
それでも、病をおして戦うスコッチを、同じように病と闘いながら演じきった沖さんを見送らなければ次に進めないなと思います。
一匹狼で一係のチームワークをかき乱す存在だったスコッチが、しだいに心を開き
いつのまにかベテランと若手の橋渡しのような、なくてはならない存在になっていました。
私自身、出てきたころのスコッチは人を寄せ付けない感じで正直ちょっと苦手でしたが(たぶん今見たら違う印象をもつと思う)、
後半のかっこよさとユーモアを併せ持ったキャラクターは好きでした。
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病院を抜け出し、ボス(石原裕次郎)に電話をかけて最後のわがままに許しを請うスコッチ。
「私は最後まで刑事でいたいんです。ボスの部下でいたいんです」
ボスに怒鳴られ嬉しそうなスコッチに、ボスも「わかった」というしかない。
自分に復讐をしようとしている男から改造拳銃の製造基地の場所を聞き出すため、ロシアンルーレットで脅す。
もはや自分の命も短いことは覚悟しているので、引き金を引くのに躊躇しません。
ようやく聞き出したのに無理が祟って吐血、その場に倒れてしまう。
病院に運ばれたスコッチが最期のときを迎えるとき、そばにいたのは最初にあんなに反目していたゴリさんでした。
駆けつけた山さん(露口茂)は、「ボスももうすぐ来るぞ」と励ます。
最近は若手を率いてリーダーシップをとることが多かったスコッチですが、
最後のエピソードでは、ボス、山さん、長さん、ゴリさんと、先輩たちとの絡みが多く、
「死にたくない」という本音をもらせたのが観ていて少しホッとしました。
必死に笑顔を作りながらポロポロ涙がこぼれてしまうゴリさんには、私も泣かされました。
殉職編というのは本人も周りも格別な思いで演じるのだと思います、
命が消えてゆくさまを繊細に演じた沖さん。
必死にこちらにつなぎとめようとする竜さん。見守る露口さん。
演技をこえたものが伝わってきて、凄みすら感じます。
新しい沖雅也には会えないけれど、こうして作品を何度も見返すことができるのだから、
これからも彼は私たちのなかに生きつづけていくのでしょう。
殉職編のレビューはしましたが、行きつ戻りつしながら、また元気なスコッチやキャプテンにふれたいと思います。