
ロッキーと長さんが去って寂しくなった一係に、ボス(石原裕次郎)がまた変な刑事を連れてきた。
広島出身の春日部一(世良公則)は、赴任の日に愛車で七曲署に向かう途中、ラジオから流れる迷い犬と飼い主の美談に感動するあまり、
信号で停車中の車に追突。前の車の若者たちと乱闘騒ぎを起こし、駆けつけたドック(神田正輝)とラガー(渡辺徹)と奇妙な初対面を遂げる。
免許証の名前の読みが「ハルヒヘイチ」になっていることをドックたちに突っ込まれるカスカベハジメ。
愛車のナンバーが『へ・・・1』というのも徹底しています。

改めて一係で自己紹介。
「ゴリと呼んでくれ」というゴリさん(竜雷太)に、「ゴリラですか?」と直球質問。
後ろの3人、そんなにくっついてるから“ミワカントリオ”とか言われちゃうんですよ。
警察学校の期を訊ね、先輩後輩が明らかになると、あからさまに態度を変えるヘイチ。体育会気質です。
管内をぐるっと回ってみるというヘイチに付き合うのはドック。
ボスとしては、長らくゴリさんの役目だった新人教育係を、そろそろドックにもさせようということなんでしょうが、
警察無線の盗聴できるヘイチの車を面白がったり、張り込み中に野球中継を聴いていたりと、
新人にとってはそれほど緊張しない先輩のようです。

ただ、ヘイチさん。気をつけてください。
ドックと組んで張り込み中に先に寝られてしまうと、ほぼ確実に朝まで寝られません。(先輩のゴリさんであっても!)

管内で起きた銀行強盗が、実は先日トラブルになった3人組の1人だと判明。
男の恋人をマークし、現れた男を追跡するも取り逃がすヘイチ。
がむしゃらに、ひとりで解決しようとするヘイチに、山さん(露口茂)はチームワークの大切さを説く。
広島から上京するときに姉から送られたネクタイで、汗も涙も拭きながら夢中で犯人を追いかけ、
泥だらけの格闘の末、ついに手錠を打つ。
憧れのハンフリー・ボガートから「ボギー」と呼んでくれと名乗るヘイチだが、
ボスからは一打余分なゴルフのボギーだと言われる。

沈んでいた一係に久しぶりに笑い声が響きました。
【本日の心変わり】
ロッキーと長さんの代わりに入る刑事役に世良公則、と聞いた時は正直ものすごく抵抗がありました。
ツイストのころから人気があるのはもちろん知っていたものの、当時の私は世良さんが苦手だったのです。

今となってはなんで嫌いだったのか思い出せませんが、たぶん、若いのに皺っぽい顔と、
ロックンローラーとしての気迫が、なんだか圧が強い感じで引いちゃっていたんだと思います。
小さい子が獅子舞を怖がる感じでしょうか。
ところが、ボギーが出てきたとたん、その愛すべきキャラクターに夢中になりました。

世良さんがボギーを演じなかったら、ボギーはボギーでなかっただろうし、
世良さんのことも苦手なままだったかもしれない。
こんなに一人の人の印象が鮮やかに変わったのは、私の中では後にも先にも世良さんぐらいかもしれません。