太陽LOG

「太陽にほえろ!」で育ち、卒業してから数十年…大人になった今、改めて向き合う「太陽」と昭和のドラマ

#558 疾走24時間

2019年05月04日 | 太陽にほえろ!
給料日に飲んで帰る道すがら、後ろから尾行してきた男に給料袋を奪われそうになるボギー(世良公則)。
ボギーに反撃された若い男は杉本良平(長谷川諭)と名乗り、免許証も見せ父親の借金の返済が明日に迫っていて
やむを得ずやってしまったと平謝りしたため、同情したボギーはなけなしの給料をほとんど渡してしまう。

しかしその翌日、良平と似た特徴の若い男によるひったくりが続発。
そのうちの一件の被害者が、助けたマミーの目を盗んで姿を消したことから事件は思わぬ方向へ。



情に厚く人を信じやすいボギーが巻き込まれる犯罪のひとつのパターンと言えるでしょう。
とくに自分より若い者に対して兄貴気質が炸裂するため、冒頭から観ているこちらが「あゝ、ボギー…」と
心配した通りの展開に。



なごやかな雰囲気ですが、実は給料日の翌日に後輩のラガー(渡辺徹)から金を借りようとする図w

少年課や交通課の後輩からも借りていることをドック(神田正輝)に責められ、トシさん(地井武男)や山さん(露口茂)からも
どうしたことかと問い詰められる。

自身も山さんやジプシー(三田村邦彦)に借金していたドックがボギーを責める資格はないと思いますが、
そのドックのところに少年課・交通課の被害者wたちが借金に来るという…七曲署、どうなっとるんじゃ。


捜査の過程で、姿を消した被害者が竜神会の息のかかった人間で、盗んだダイヤモンドを鞄に入れていたことがわかる。
街で良平を見つけ身柄を確保したボギーは、ダイヤをとりもどそうとする竜神会から追われることに。


車の窓に映った人影で尾行を知るボギー。なんかカッコいいんですけど!



粘って引きずられる良平。粘り強さが可笑しみに。

良平父の話は嘘だったが、一緒に甲府から遊びに来ていた彼女・香が、街でトラブルになった男たちに囚われ
彼女を救うために30万円をかき集めていたことが分かった。

竜神会から追いつめられ、銃弾の雨を逃れあわやのところを駆けつけた仲間に助けられたボギーと良平は、
約束の時間ギリギリに30万円をもって香が囚われているマンションへ飛び込む。


「おめでとう!良平くん」

なんと、これはチンピラのように見えた3人組の若者がとっさに思いついたゲームだった。
良平が時間までにお金を集めて香を助けに来るか否か。
しかも香もそれを承知でその遊びに乗っていたのだった。

3人組の中に、のちに“顔面凶器”と言われる小沢仁志さん(白いジャケット)がいるため、まさかゲームとは思いませんでした。
小沢さんはこれがデビューだそうですが、すでに安定の悪人顔w 

茫然とする良平の代わりに、ボギーの怒りが爆発! 3人をボコボコに殴り倒してしまう。
「ちょっと手こずっちゃったけど」
そういいながら傷だらけの顔で笑うボギーにあきれ顔のドックとラガー。

「減俸だな、おまえ」(何回目?)


3人組の恐喝が原因で良平はひったくりを繰り返したにもかかわらず、3人組よりも良平の罪が重いことに憤慨するボギーは
ボス(石原裕次郎)に対し、「俺の考えが間違ってるならクビにしてください。俺はそんな冷たいボスの下で働きたくない!」と抗議。

そこに取り調べを終えたトシさんが良平を連れてくる。
「刑事さんのような友達がいると思えば頑張れる。きっと罪を償ってやり直す」
そう誓う良平。
彼の口から、ボスと山さんが情状酌量の証言をしてくれるということを聞いたボギーはすぐさま前言撤回。

今日の当直も進んで買って出て許しを請うボギーに、すっとぼけた表情を向けるボス。
このころは若手だけでなく、ボスも面白さに重きを置いていたんでしょうか。
昔よりおとぼけの表情を見せてくれることが多かった気がします。


【本日の卒業生】
『ゆうひが丘の総理大臣』で優等生遠藤役だった長谷川諭さん。
出てくるとどうしても「遠藤!」と呼んでしまいそうになります。
他の生徒役とくらべても『太陽』への出演回数が多く、以前にロッキーやラガーの回で犯人役を演じ、
こののちにドックの回にも登場し、木念先生と遠藤のツーショットが実現します。

根は真面目でいい人間なんだけど、つい犯罪に手を染めてしまう…そんな若者像にハマっていたと思います。