先日、体内時計の研究をされている医大の先生の講演を聞いてきました。
人間に限らず、生物には生まれもってDNAに刻まれている無意識のサイクルを持ち生命活動を営んでいます。
人の場合、体温は夕方~夜に最高温になったり、生理の周期が約一月であったりするのがそれです。
身体中の各細胞毎に時を刻んでいるそうです。
しかし、地球の1日は24時間なのに対して細胞レベルで刻む一日は24.18時間とのこと。
そうなると1日で0.18時間のズレを生じてしまうことになりますね。
そこで活躍するのが、その細胞全てを統括して正しい時間に合わせる指令を出している脳内の視交叉上核というところ。
この視交叉上核でなされる作業に必要な刺激は、朝の太陽光なんです。
眼球からの光刺激を視交叉上核が受け止め、松果体に信号を送りメラトニンというホルモンが分泌されます。
メラトニンは血流に乗って全身の細胞に行き渡り、体内時計を0.18時間巻き戻してくれます。
これに対して、通常自然界ではありえない夜の時間帯に強い光を浴びてしまうと早朝の太陽光を浴びるのとは逆の現象が起こるそうです。
そう、時間の巻き戻しではなく遅延ですね。
夜中のTVやパソコン作業などが、遅延を引き起こすと言われています。
一日の周期は、睡眠の位相に大きく影響を与えます。
体内時計のリセットが行われず、遅延が起こるようになると
不眠症、鬱病などの症状が引き起こされてしまいます。
中々寝付けない、中途覚醒してしまう、午前中がだるく夕方になると動けるようになる、などの症状がある方は、まず朝の光を浴びるようにしてみると改善される場合があります。
体内時計のズレだけが問題のケースではかなり有効だということです。
是非お試しください。
早朝、外に出られないほど重症の方には、この朝の太陽光に似た波長の照明器具が販売されていますので、こちらをお勧めします。