先日、産後間もなくの体調不良で来院されたKさん
症状は出産してから全身の浮腫み、倦怠感、左頭痛、左股関節の違和感、乳腺炎でした。
Kさんは、妊娠中の腰痛で来院されていまして、今回は産後初めての来院です。
お顔をパッと見た感じでも産前と比較して大きく腫れており、皺もありません。
ご本人は皺がなくなって「10代に戻ったみたい!」と冗談で喜んでおられました(笑)
妊産婦さんには良く見られる症例なのでKさんの了解を得て掲載させていただきました。
鍼灸=腰痛や肩こりと思っていらっしゃる鍼灸治療経験のない方々にとっては
意外な効果かな?と思いまして・・・
治療経過は以下の通りです。
鍼灸師会の臨床研究会での発表用に書いたものをそのまま転記しました。(治療方法の記載は難しいので無視して、経過だけご覧下さい。)
主訴:一週間前に出産してから全身が浮腫む。
副訴:乳腺炎(両側、硬く熱感あり)、左頭痛、左股関節痛。
診察:六部定位脈診にて腎経虚著しく、続いて膀胱経虚、肝経虚、肺経実、脾経実、胃経実、胆経実
治療:1回目(1日目)復溜、曲泉、命門、腎兪に補鍼。孔最、地五会、内庭に寫鍼。術後、左頭痛、左股関節痛、共に消失。
2回目(2日目)浮腫みは略なくなった。頭痛・股関節痛みなし。昨日帰宅後から尿量が増して今朝は昨日より1kg体重減少。乳腺の痛みは昨日よりましだがまだ痛む。六部定位脈診にて腎経虚、膀胱経虚、肝経虚、胆経実、胃経実、三焦経実。復溜、曲泉、命門、腎兪に補鍼。臨泣、内庭に寫鍼して脈を診ると略良かったが、暫く診ていると脈が徐々に元に戻っていく。良く診直してみると土経と相生関係であり、水経と相克関係にある三焦経実が邪魔をしているようにみえた為、液門に寫鍼すると他の脈も全て調った。乳腺の患部は触らず。
3回目(3日目)体重更に500g減少。乳腺の痛みは8割改善。左は痛みなし、今は右の内側にのみシコリが残る。治療は前回に同じ。
4回目(9日目)3回目の治療後~翌日までに搾乳したら両乳房ともシコリ消失。全て症状無し
妊産婦さんの不調には薬を使えないケースがあるため鍼灸治療は優位な治療法の一つになります。
他にも逆子、つわり、痔、腱鞘炎など様々な症状を抱えた妊婦さんが来院しております。