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プラハ ヴルタヴァ川

2007-11-14 23:39:16 | 2004年8月中欧3カ国7泊8日
【カレル橋】
プラハ城を出て坂を下りるとモルダゥ川に出た。
2002年には大洪水を引き起こした大河だ。
現地ガイドはその時のものだといって建物に付いた水の跡を見せる。

カレル橋はモルダゥ川に架かるプラハ城地区と旧市街地区を結ぶ石橋。
小楽隊で演奏を披露しているグループ。
似顔絵や絵葉書やマリオネットを売ってる人たち。
プラハ城の賑わいはそのままここに受け継がれ陽光の元、人々の活気であふれていた。

両側の欄干には15対、合わせて30体の聖人像が並んでいる。
その一つ、城側からみて左側欄干の8対目にある「聖ヤン・ネポムツキー」の像はちょっとした伝説を持っている。

聖ヤン・ネポムツキーという人は14世紀の司祭で、今で言うと王室付きのカウンセラーのようなこともやっていた。
職務上、王妃から不貞の悩みを相談されていたが、国王からどんなに脅されても守秘を通した。
そのために橋から川に落とされて命を落としたが、彼の昇天の際に5つの星が輝いたという。

今ではその5星を頂いた聖人像となってプラハの町を見守っている。
彼の偉業にあやかろうとしたのだろう。
この像のレリーフに触れると幸せになれるということが広まった。
確かにそこの台座は皆が触るのでピカピカに輝いていて、触っているところを写真に撮ろうとする観光客で人だかりが出来ていた。

ちなみに、私たち日本人にはヤン・ネポムツキーより旧市街側から左岸5対目のフランシスコ・ザビエルのほうが有名だが。

日本に帰ってからスメタナの「モルダゥ」を聞いた。
交響詩『我が祖国』の中の曲で、私でも聞き覚えのあるメロディーだから相当有名なんだろう。
じっくり聞くと、力強さを感じるがどこか物悲しい。

永い歴史の中で自国のアイデンティティをなかなか表現できなかったチェコという国家に生まれた天才だからこそ『祖国』への郷愁をかくも強烈に表現できたのだろう。
『祖国』という感覚があまり馴染みのない日本人にも心に響くいてくるものがある。
これを書きながら鼻歌でメロディーを歌っていたら中学生の娘が「モルダゥだ」と言った。
中学の音楽の授業で習ったそうだ。

   詞:岩河三郎
 なつかしき河よ モルダウの
 清き流れは わが心
 うつくしき河よ モルダウの
 青き水面(みなも)は 今もなお

 流れにやさしく 陽(ひ)はそそぎ
 さざなみはいつも 歌うたい
 岩にあたり しぶきあげて 渦を巻く

ちなみにモルダウはドイツ語読みでチェコの人はヴルタヴァと発音する。
また、私たちが旅行した年の秋にプラハをドナウ流域としたNHKBSの番組があったがヴルタヴァ川はエルベ川の支流だ。