2018.05.20 21:00~
『草野マサムネのロック大陸漫遊記』
TOKYO FM
http://www.tfm.co.jp/manyuki/
五月も後半、「この番組もそろそろ半年・・・」、え、そうなの? 早いなあ。
まずメッセージ。東京在住の韓国の方。
自転車に乗りながら春風を感じてスピッツを聴くのが好き・・・、わかるなあ、やってみたいなあ(でも危険だぞ!)。
「こぐま」の発音が韓国語では「さつまいも」の意味になるそうで、この方はこれを聴くと無性にさつまいもが食べたくなっていたそうです(笑)。sing-alongの特集で「子グマ!子グマ!」を聴いて以来、今後はこれを聴くたびに、「『さつまいも』を食べたいみんなが合唱していることをイメージすることになりそうです。なんか平和ですね」。
韓国公演やったりMCで韓国語を話していた草野氏、さすが、これは知っていたそうだ。「作るときは意識してなかったけど」
ソウルのカフェでスイートポテトをたのむときに、「コグマ ジュセヨ」とか言ってたと。「韓国は甘いもの、美味しいですよね」
スピッツにさりげなく関係していて、でもエピソードが興味深い・・・こういうメッセージが読まれるんだな(納得)
今夜は「ロックな昭和のアニソンで漫遊記」。
直前まで「大丈夫?」と思っていたそうだけど、無事に音源がすべてそろって・・・ということだそうだ。
前回が『ミュージック・ライフ』を読みながら、そして今回が「昭和のアニソン」ということで、
「ここにきて、この番組の個性が定まりつつあるかな」とご満悦な本人です。このまま突っ走ってくれ!
「昔のアニメや特撮の主題歌って名曲が多いんですよ。ロックぽくて、でもサビではタイトルや主人公の名前を歌っている」
昨今のアニソンはバンドが「バンドの曲」として作っているけれど、「昭和のアニソンにはそれとは違った魅力がある」と。
特に「オレらアラフィフ世代には思い入れもあって」と。語ると結構うるさい元少年が周りにもいます、います。
「昭和の香りたっぷりな濃ゆいところを草野のわがままな選曲で、時間の限り・・・」と、リスナーの期待を高めさせる、自信にあふれた前置きでした。
オンエア曲
01 日曜日(スピッツ)
02 マッハバロン(すぎうらよしひろ)
03 ルパン三世 その2(チャーリー・コーセー)
04 はじめ人間ギャートルズ(ザ・ギャートルズ)
05 ファイトだ!!ピュー太(フォアジェッツ)
06 ハクション大魔王の歌(嶋崎由理)
07 さすらいの太陽(スリーグレイセス)
08 きこえるかしら(大和田りつこ)
09 ミクロイドS(ヤング・スターズ)
10 レオのうた(弘田三枝子)
11 正義の使者だぜ ドテラマン(こおろぎ‘73)
12 KILL ME STOP(CASCADE)
漫遊前の一曲はスピッツの「日曜日」。ああ、いい曲だ。なんて素直なボーカルの声。ここに浸れるならば、一瞬戻ってもいいかな。
『名前をつけてやる』、切なさ宝庫のアルバム。個人的には、「色白 女神の~♪」からのボーカルがすごく好きです。
突然耳に入ってきたのは、まさにロックな「マッハバロン」(すぎうらよしひろ)。1974年(昭和49)に半年間放映された巨大ロボットの特撮ドラマのオープニングナンバー。
草野「オレの中で、ロックなアニソン(特撮だけど)といえば、これ、っていうか普通にロックナンバーじゃん」
「昭和のアニソンや特撮ソングはすごい人が作ってる」そうで、この曲は作詞:阿久悠、作曲:井上大輔(ブルーコメッツ)。
シンプルなロックンロールなアレンジが、いかにも「昭和!」という感じ。草野少年やスピッツメンバーのまさに小学生時代のこだわりソングなんだろうな。
ROLLY、甲本ヒロトらがカバーしているというから、やっぱりバリバリのロックナンバーということで。
次は、「ルパン三世 その2」(チャーリー・コーセー)。
「ルパン三世」といっても、あの有名なほうじゃなく、これを選ぶあたりが・・・。
第一シリーズのエンディングテーマ。作曲は山下毅雄さん。草野氏も「大好きな作曲家」「ロックよりジャズの雰囲気が強い作曲」「口笛の対応やいきなりの転調が魅力」と。
Wikipediaを見たら、彼があげた「ガンバの冒険」「時間ですよ」「大岡越前」以外にも、たくさんのアニメ、特撮、ドラマのテーマ曲、映画音楽を作曲されていたことがわかった。
このお名前は、ドラマのエンディングなどでよく見かけていたし、相方にきいてみたら、時代劇のテーマ曲などをいくつもあげていたから、有名な方だったんだなと。
シンガーのチャーリー・コーセーさんは現役で神戸でライブ活動をしているとのことで、「いつか本物を聴いてみたいな」と。
そして、1974年(昭和49)の「はじめ人間ギャートルズ」(ザ・ギャートルズ)
草野「架空の原始人たちのおおらかな日常を描いた作品」。原始人もの、未来人間もの、いろいろ好きだったな。
草野「すごく見てました。『ドリフの8時だよ全員集合』の前に放送されて、一週間で最も幸せな時間」。
彼にとっては「最も幸せな時間のテーマソング」。それはすごいなあ。何よりも心に残ってしまうだろう。
エンディングでかまやつひろし氏が歌っていほうが人気があるかもしれないけれど、そこはあえて「天邪鬼なんで」と。
「途中で叫ぶ『ぎゃ~』というシャウトはイギー・ポップを思わせるし、ギターソロもなかなかいい」と。
これも作曲はかまやつさんのようで、でも「なかなかFMではかからないんじゃないですか?」(「やったぜ」的な満足感?)
「今夜は短い曲でどんどん行くぞ!」
そして「ファイトだ!!ピュー太」(フォアジェッツ)。
1968年(昭和43)のアニメのオープニングテーマ。
草野くん自身はリアルタイムでは見ていないけれど、アニソンのオムニバスで知って、「イェイイェイ」ではなく「シェイイェイ」というところに引っかかって、そこがいいなと思ったとか。曲終わりで、「この『シェイ イェ~イ』っていうのが耳に残るんですよ」。
当時人気だったGS(グループサウンズ)のまさに影響を受けた、というか、そのまんまの楽曲ですね。ロックですか?(笑) なんとなくちょっと元気な当時の歌謡曲っぽい雰囲気?(あ、これは私のぶつぶつです)
そして、最近実写化されたものを見ておもしろかったという、1968年(昭和43)のアニメのオープニングテーマ「ハクション大魔王の歌」(嶋崎由理)。
実写化作品では、関ジャニ∞の村上くん、温水洋一さんらが出演されていたとか。
メロディラインは演歌っぽいけれど、「イントロのファズギターが肝。当時はサイケブームだったから、サウンド的にはナウだったのでは」と。
曲終わりで、「『はぁ~ はぁ~』というところが意外にセクシーですね」と。
次は、「さすらいの太陽」(スリーグレイセス)
1971年(昭和46)4月から放送。「日本アニメ界初の芸能界を目指すアイドルものの作品」で、当時すでに人気のあった藤圭子さんがモデルといわれている(流しをしながら芸能界を目指す・・・。流しってわかる?)。
草野少年は高校生のときに再放送をみていたそうだ。
作曲はいずみたく。「作曲界の巨匠、レジェンド。作品には『見上げてごらん夜の星を』『世界は二人のために』『ふれあい』『手のひらを太陽に』『太陽がくれた季節』などなど、名曲ばっかり」と。
小学3年生の頃に親とともにいずみたく氏のコンサートに行ったことがあり、「お客さんの歌詞に(即興で)曲をつけて歌っていた」のがすごく印象的に残っているそうだ。
曲終わりに、「ホント、いい曲だな」とつぶやく。
次は「きこえるかしら」(大和田りつこ)、1979年(昭和54)放送の「赤毛のアン」(「世界名作劇場」)の主題歌。
先日亡くなった高畑勲さん、監督・演出・脚本の作品。
曲調はロックではないけれど、「オレは個人的にすごい好き。サントラ盤も持っている」。現代音楽家、三善晃氏の作品で、「一筋縄ではいかないメロディーライン。絶対にオレにはつくれないメロディー」と。
イメージが広がる壮大な曲調だけれど、どこかかわいらしいなあ。
曲終わりで、「カラオケでもたまに歌う」と「オペレッタ風」に抑揚をつけてちょっとだけ歌ってくれました。
「『赤毛のアン』はエンディングもメチャメチャいいので、機会があれば聴いてみてください」
赤毛のアン エンディングテーマ:さめないゆめ
私自身は、この「さめない夢」のほうが記憶に残っている気がする。
どちらも、「子どもにこそきちんと作り上げた作品を」というような制作者側の決意が感じられる、という解説をあちこちで目にする。
ちなみに、三善晃氏の講演を高校の頃に何度か聞く機会があったこと、ちょっと思い出した。
アニメじゃないけど、『赤毛のアン』から三部作(『アンの青春』『アンの愛情』)くらいまでは、しばしの間愛読書だったなあ。一時夢中で読んでたっけ。ギルバートは憧れの人で、小学校のクラス中見回して「いないいない、全然ダメ」とか思っていた(笑)。
次は、1973年(昭和48)4月からの放送、手塚治虫によるヒーローアニメ「ミクロイドS」のオープニングテーマ(ヤング・スターズ)。
草野「進化しすぎたアリと人間のドラマ。当時は公害問題がクローズアップされていた頃。必ずしも人間が正しいわけではないというストーリー。いかにも手塚治虫!」
作詞はまたまた阿久悠氏。「心を忘れた科学には 幸せ求める夢がない」という歌詞を紹介してくれた。
手塚作品が続いて、1965年(昭和40)第一回放送のアニメ『ジャングル大帝』のエンディングテーマ「レオのうた」(弘田三枝子)。
作曲は冨田勲さん、「神ですね!」。
歌唱は弘田三枝子さん。スピッツはアマチュア時代、彼女の曲をカバーしていますよね。彼女のオリジナルというより彼女が歌っていた洋楽「Be My Baby」や「Vacation」をカバー。
YouTubeで聴いても、彼女の「私のベイビー」(Be My Baby)は力強くてキュートで胸にズンズンくる。スピッツのカバーした「Be My Baby」も私はすごく好きですけど。
草野「(弘田三枝子さんの)ナイフのようなエッジのきいた今聴いてもクセになる。(「レオのうた」は、)曲調はロックじゃないけど声はロック」と。
これは西武ライオンズのチャンステーマとして使われているそうで、「ホークスファンとしては、やられそー!というときにきく曲だから、ドキドキするんだけど、でもいい曲!」と。
時はずっと新しく、1986年(昭和61)放送のギャグアニメ「正義の使者だぜ ドテラマン」のテーマミュージック(こおろぎ‘73)。
「『荒宿区の八本木が舞台』という緩さが、さすがタツノコプロの作品」
上京したばかりの草野くんは、西八王子の田村くんの風呂なしアパートで、「なぜか二人一緒にどてらを着て?見ていた」そうだ。思い出の曲? 曲終わりで、「すごく懐かしいです・・・」と。
これまでの昭和40年代の曲たちと比べて、サウンドもアレンジもオシャレで,明らかに違うなあ。同じ昭和でも、比べて聴くとこんなに異なるんだと感じておもしろい。
今回のテーマで、「魔女っ子メグちゃん」や「勇者ライディーン」なども用意していたそうで、「第二弾もやりたい!」。
「『魔女っ子メグちゃん』の前川陽子さん、『勇者ライディーン』の子門真人さん、ロックに限定しなければ、大杉久美子さん、堀江美都子さん、『ヤッターマン』の山本正之さんなんかも大好物」だそうです。
ロックじゃないから、「昭和アニソン大陸で漫遊記」ってことで、冠の「ロック」をはずして「第二弾」もお楽しみに、です。
「ちょっぴりタイムマシーン」のコーナーは、CASCADE「Kill Me Stop」(1995年『VIVA!)。
95年当時、スピッツのバンド内で流行っていたそうで、「Kill Me Stop ♪」のところの微妙にリズムの引っかかるところ、少しだけ歌ってくれた」。
ジャンル分けが難しいと解説し、フェスで間近に見たら、「すごいパワフルなステージだった」そうだ。今でも活動していて、「新しいアルバムもかっこよかった」と。
95年前後の雑誌『Rockin'on Japan』で、CASCADEの記事はよく見かけたなあ。
そして、このコーナーにメッセージ。
以前の「ロック大陸漫遊記」のこのコーナーで紹介されていた(ココ)ハイハニDXにはまったリスナーから。
気になったけどCD売ってないし・・・ってことで、直接本人にDMを送ったらボーカルの女性から返信があって。
「ハイハニDX、復活するかも。18年の時空を越えて、あなたの心に届いてくれたのならうれしい」
と。
草野氏も「よい曲を埋もれさせないためのコーナーなので、目論見がとおってうれしい」と言っていた。
「ちょっぴりタイムマシーン」、やったぜ!ということで。
さてさて、来週は「産業ロック」特集。うわっ! これも楽しみ・・・っていうか、この番組のテーマのチョイスのしかた、すごいですよね。振れ幅がハンパじゃない。
「売れ線の狙ったロック」ということで、「かつて某音楽評論家がちょっと悪意をこめて命名した」曲たち、バンドたち。
草野「オレも当時は好きじゃないふりをしてたけど、今聴くと名曲が多い!」
某音楽評論家・・・、渋谷陽一さんって書いちゃっていいんですよね?
どんな曲をセレクトしてくれるのか、楽しみですね。