2014.12.19
海をゆく者
at PARCO劇場
作 コナー・マクファーソン
訳 小田島恒志
演出 栗山民也
出演 小日向文世/吉田鋼太郎/浅野和之/大谷亮介/平田 満
http://www.parco-play.com/web/play/seafarer2014/#sec01
再演されたら絶対にもう一度観る!と決めていた作品。
やっと願いが叶った。
(『LAST SHOW』とか、「ウィトーマス」とか、再演を待っている作品が何本かあるのだが、なかなか思いは通じない。この2作とも長塚関係と思うと、好きだったんだなあ・・・と感慨深いです)
初演での感想はココで。
今改めて、読んでみたんだけれど、ワタシは変わっていなかったみたいだ。
いいことなのか、どうなのか、感想はほぼ同じ。
忘れっぽい性格で、実はストーリーの概略は覚えているけれども、細かいところは微妙に、というか、かなり覚えていなくて、最後のどんでん返しだって、すっかり忘れていて、新鮮に驚いて、あとで「ああ、そういえばそうだったけ~」と思い出したというありさま。
そんな私でも、心惹かれたところ、驚いたところはビックリするくらい初回のときと同じ。
ただ、小日向演ずる悪魔のキャラクターは、前のときのほうがもう少し「怖さの迫力」が勝っていたかも。今回のほうが、魂を狙うわりには酒もポーカーも弱くて、結局何百年も悪魔サイドから抜け出せない部分の哀れさ、滑稽さが前面に出ている演出になっていたように感じた。それはそれでおもしろく、感情移入できる部分が多かったように思う。
また鋼太郎演ずる兄は、前のときはちょっと老けて見えて、「親父?」みたいな感じが否めなかったけれど(実年齢は彼がいちばん若いそうですが)、今回は「兄」で、それもハミダシ迷惑キャラの陰に優しさも大きさも兼ね備え、目が見えないという不自由さを受け入れつつもやりきれない思いを抱える男としての魅力も伝えてくれたように思う。
浅野さん演ずる兄弟の友人アーバン。眼鏡をなくしたため、ふだんはぼんやりしているのに、強い酒を飲んだ瞬間の目つきが毎回不気味な、でも愛嬌のあるインパクトで、たくさん笑わせてくれた。これは前回は記憶にない。
大谷さん演ずる兄弟の友人ミッキー。テレビでの大谷さんとは違う、舞台狭しと動き回る男。調子がよさそうで、でも心の底に友への思いも忘れない・・・そのあたりが今回は迫ってきた。
そして20年前に約束をかわした悪魔に狙われて窮地に陥るシャーキーを演じる平田満。わがままな兄の世話をするために戻ってきたよき弟かと思いきや、実は酒を飲むと人が変わり、そのために人生を狂わせてきた男だということを、私たちは途中で知る。屈折した男の哀しさが伝わる。
最後の場面。ポーカーに負けた悪魔が去り、クリスマスの朝日が差す窓を見上げて、愛する女性から贈られたCDを聴くシャーキーの姿。
観ている私の心にもかすかな光が差すような、気持ちを心地よく揺さぶられるシーン。
笑いもたくさんあるけれど、役者同士の台詞のやりとりや、その脇では見逃したくない小芝居が繰り広げられていて、言葉は適格ではないかもしれないけれど、「芝居のビックリ箱」みたいな作品。
いつかまた再演されたら、また観たくなってしまう舞台だ。
この5人の役者が同じステージに立って、誰が主で誰が従かなんてわからないくらいに濃い芝居をしている・・・なんとぜいたくなことかと思う。
そういえば、21日に放送された「ドリームフェスティバル第3夜」。
予想してたけど、スピッツは2曲だけでしたね~(笑)。
ま、ボーカルの声が見事に出ていて、改めてすごいな、とは思えたんですけど。
「テレ朝に抗議してやる!」と言っている人もいらしたけど、どうなんでしょうね。
テレ朝の・・・ではなく、本人たちの意向?
ap bankの放送ではまったく現れずに、ホントにスピッツは出演したの?と言いたくなるような感じだったし。
今回は2曲でも流れたんだから「よし」としますか?
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