隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「埋もれたままでなくてよかった!」~ジュディ シルで漫遊記

2024年04月08日 20時42分41秒 | スピッツ

2024.04.07
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM



 4月2週目。
 そして、「楽しかったです」って言います? 「これって間違った日本語だと国語の授業で習ったことがある」
 正しいのは,「楽しゅうございました」。この言い方は「子どもらしくないよね」と。
 でも先生曰く,「『です』は『だ』に置きかえられないとダメ」。
 たしかに「たのしかっただ」は「方言では言うかもしれないけど、(普通は)言わないもんね」。
 「楽しかったのです、なら大丈夫らしいけど」
 「楽しかったです」は、「単純に『楽しかったー』に丁寧語をつけたいだけなんだけどね」。
 できるだけ「楽しゅうございました」と言うようにしているそうだけど、「おとなになって、『楽しかったっす』ってなるのかもね」。
 「こんな感じで、小学校時代の先生の教えに支配されている草野です」と。「これってルール的には最近緩くなったりしてるのかな」
 (日本語は本当に難しい。仕事がら人の書いた文章に「?」をつけることがよくあるけれど、以前よりずっと緩くなって、「その人らしさ」に重きが置かれたりすることもある。いいのか悪いのかは、まだ不明だけど)

 そして今週は、【ジュディ シルで漫遊記】
 ジュディ・シルさんは、「70年代の短い期間活躍されたけど若くして亡くなった悲運のシンガーソングライター」。
 「ほとんど忘れ去られた存在だったが、今世紀に入って再評価され、カントリーミュージックとバッハをブレンドしたような独特の世界は聴いていてとてもがクセになります。ワタクシも精神を落ち着かせたいときなどに聴いたりしています」、そんなジュディ・シルさんで漫遊します。
 (ココでかけてくれましたね。それから、よく聴きたくなるシンガーです)


 セットリスト
 01 春の歌(スピッツ)
 02 Jesus Was a Cross Maker(Judee Sill)
 03 Lady-O(Judee Sill)
 04 Crayon Angels(Judee Sill)
 05 The Archetypal Man(Judee Sill)
 06 The Kiss(Judee Sill)
 07 The Living End(Judee Sill)
 08 夜間飛行(APOGEE)


 漫遊前の1曲は、スピッツで「春の歌」(2005年、11thアルバム『スーベニア』/2005年、30thシングル)。
 「春真っ盛りかな?ということで、そのまま、この歌を聴いていただきます」
 (サビで一気に気持ちが解放される。いい歌だなあ。大サビ前のテツヤくんのジャカジャカが大好き)

 最初の曲は、「Judee Sillさんで、いちばん知られた曲」、「Jesus Was a Cross Maker」(1971年、デビューアルバム『Judee Sill』/グラハム・ナッシュがプロデュース)。
 (なんて心地よい声、浮遊する感覚)
 草野くんがJudee Sillの存在を知ったのは、この曲をBRAHMANがカバーしている(2013年、アルバム『超克』)のを聴いて、「なんかBRAHMANらしくないな」と思って調べたのがきっかけ。
 そして、「タワレコでアルバム2枚買って、そこからはまって聴いていました。心が疲れたときとかに聴くと、メチャメチャ沁みるんですよね」


 Judee Sillさんのプロフィール。
 1944年、ロサンゼルス郊外の穏やかな街、スタジオ・シティーで生まれる。
 父親の経営していたバーにあったピアノによって音楽に触れることも多かった。
 8歳のときに父親が亡くなり、その後母親の再婚相手に虐待されたことで、道を外れ悪事にも手を染め、強盗未遂で逮捕され、少年院に収監される。
 その少年院の教会で教会音楽と出会い、ミュージシャンへの道を進むことになる。
 人気バンド、The Turtlesとの出会いも大きかったという。


 次は、Judee Sill の「Lady-O」(1971年、デビューアルバム『Judee Sill』)。
 The Turtlesに提供するために作った曲をセルフカバー。


 当時の女性シンガーは?
 Judee Sillさんはリアルタイムではそれほど知られなかったが、今世紀に入って再評価される。
 それでも、『ミュージック・ライフ』の70年代の女性シンガーのランキングには入っていた。「なので、知る人ぞ知る」という感じだったのか?
 70年代前半と言えば、キャロル・キングやジョニー・ミッチェルらが人気があったが、「そのかげに隠れていたのかな」。
 その二人の「ソウルミュージックやジャズの要素が彼女にはほとんどない。バッハなどの教会音楽の影響が強く、それゆえにオシャレな要素があまりなくて。ときどき童謡を聴いているような・・・、ちょっと童心に帰って聴くこともできるんですよね」。
 そのあたりが「21世紀に入って、時代に合致した再評価につながったのか?」
 (個人的には、あの頃、「ジャニス・イアン推し」でした。あ、そういえば、カーリー・サイモンもいましたね)


 次は、「この曲も、どこか童謡的な雰囲気があります」、Judee Sillの「Crayon Angels」(1971年、デビューアルバム『Judee Sill』)。
 「1stアルバム、全曲すばらしくて、全曲聴いていただきたい。捨て曲なし、なんですけど」。
  

 そして次は、Judee Sillの「The Archetypal Man」(1971年、デビューアルバム『Judee Sill』)。

 この曲は、「出だしはカントリーミュージック風っぽいんだけど、途中、急に讃美歌っていうかミサ曲っぽい展開をします。バッハの影響が出てるのかな?」。
 個人的には、「この歌がいちばん、ジュディさんの独自の色というか、持ち味が出ているのかな」。


 Judee Sillの歌詞。
 彼女の歌詞の世界は、「抽象的で、宗教っぽくもあり、キリスト教の世界が反映されている」。
 それでいて、「ラブソングにも思えたり。日本語の歌詞を読んだだけでは、すぐに理解できない。そういうところも、聴き手の世界を狭めない良さがあるかな」。


 そして次は、Judee Sillの「The Kiss」(1973年、2ndアルバム『Heart Food』)。
 「1stに劣らず2ndアルバムもよくて、この曲はちょっと五輪真弓さんの『恋人よ』にも近いサウンドで、荘厳な気分に浸れます」と。
  
Judee Sill - The Kiss


 カーペンターズ??
 曲を聴いて、「カーペンターズっぽい」という感想を持つ人もいる。
 草野くんは、「全然違うんだけどなと思っちゃいます」。
 草野くんは「カーペンターズにはまったことがないんで、偉そうなことは言えないんですけど」という前置きで、「Judee Sillさんって、わかりやすく言うと、暗さとか素朴さが強いかな。カーペンターズは洗練されていて、暗さや素朴さが感じられない」、そして「Judee Sillさんの曲って、童謡っぽさとかイノセンスが無意識に出ている感じがするが、カーペンターズって意識的に出している感じかな。難しいな・・・。あくまでワタクシの感想です」と。


 そして最後は、Judee Sillの「The Living End」(2005年、幻の3rdアルバム『Dreams Come True』)。

 この曲は、かなり前にココで紹介された。
 彼女は「ちゃんとしたオリジナルアルバムを2枚しか出していない」。
 そして、リリースされなかった幻の3rdアルバムがあり、そのデモ音源をジム・オルークさんがミックスして、2005年にリリースされている。
 ジム・オルークさんはオルタナ系でクセのある人で、このミックスには賛否両論あるそうだが、草野くんは「結構いいんじゃない」と思ったそうです。「楽曲としてはすばらしく、いかにもデモ音源、というドタバタしたドラムもかえって味わい深い」。
 そして草野くんのプレイリスト全体で再生回数2位を誇る、「メチャメチャ聴いてる曲です」。
  


 その後のJudee Sill
 70年代後半に入り、交通事故にあい、その後遺症や薬物中毒を闘いながら、音楽シーンから徐々に遠ざかり、1979年11月に薬物過剰摂取で亡くなる。35歳だった。
 『New York Times』が遅まきながらその死を伝えたが、ほとんどの人は彼女の死に気づいていなかったという。「世捨て人のように暮らしていらっしゃったのでしょうか」
 80年代90年代は、彼女の音楽自体も忘れられていて、「知る人ぞ知る」という感じだったようだが、2000年代に入ると再評価され、「オレみたいにはまっちゃったという人が世界中にいると思います」。
 「ご健在だったら、どんな音楽を聴かせてくれてたのかな、と、どうしても想像してしまいます」と。


 特集の終わりに。
 ジミヘン、ジャニス・ジョプリンさんら、若くして亡くなったアーティストに対しては、どうしても、「もしご健在だったら」と思ってしまう。
 Judee Sillさんもそんな一人ではあるが、ジミヘンさんらと違って、「長い間忘れられていたというのがびっくりだね。埋もれたままにならなくて、ホントに良かったなと思います」と心から。
 「機会があれば、これからもラジオでかけていきたいアーティストの一人です」
 (この番組のおかげで、私の貧相なプレイリストを彩ってくれるようになったミュージシャンです)


 今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、APOGEEの「夜間飛行」(2006年、メジャーデビューシングル)
 (イントロは、「夢追い虫」・・・。ひさびさに聴いてこよう!)
 APOGEEは草野くんが前から気になっていたバンド。ライブも見たことないし、フェスで一緒になったこともないそうです。
 「でも、この曲はもっと広く聴かれてもいいんじゃないかな」
 去年リリースされたニューアルバムも「なかなかよかった」ので。
  APOGEE「ゴースト・ソング」Music Video
 (永野さんの声が好きです。ちょっとクセになる)

  

 そして来週は、「邦楽ロックの好きなジャケットで漫遊記」。
 以前にココで取り上げたのはすべて洋楽だったので、今度は邦楽ロックだそうです。
 (これは楽しみです)

 そして、「草野さん、私の得意料理はトパラン・キョフテです」
 (トルコ料理? 食べてみたい)


                              


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