隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「最後」なんて信じない!~ポール・マッカートニー

2013年11月22日 20時11分35秒 | ライブリポート(音楽)

2013.11.18
Pau McCartney
「Out There! Tour」
at Tokyo Dome


 アリーナはダメだったけれど、1階席のベストな位置。文句はありません。
 それにしても、こんな男子率の高いライブは久しぶり・・・。最近は女子が元気だもんなあ。
 男子といっても、最近はもうライブに足を運ぶこともなくなっていたであろう年齢の男性の多いこと! それはある意味、感動的な光景です。
 若者よ! 今は想像できないだろうけど、「誰にだって熱い青春はあったのだよ!」

 開演までの間、ステージの両脇の巨大スクリーンに、ポールの歴史がさまざまにデザインされて下から上へと流れていく。
 モノクロは主にビートルズ時代、そしてフルカラーのウィングス時代、ソロのCDジャケットまで。
 「あ、あれはビートルズのアメリカ初上陸の映像!」
 とか、
 「『Band on the Run』のジャケットの撮影風景?」
 とか、
 「『Flowers in the Dirt』のジャケットだ」
 なんて懐かしがれる。バックに流れるのはビートルズ~ウィングス~ソロの彼の楽曲で、カバーなども聴ける。
 それだけでも十分にウキウキできる時間だった。
 最後に、ポールと言えば「バイオリンベース」ということで、Hofnerのベースがクローズアップされて、それがシルバーに輝いて・・・、「ウオーッ!」という歓声が高まって、開演!という演出。

 さてさて、ポールとバンドメンバーの登場で一気に興奮が高まり、全員(に近い感じ)スタンディング状態。
 そして、セットリストは次のような感じ。
 初っ端から、これですから・・・。泣けますよね。


★セットリスト★
01  Eight Days a Week (1965 「Bealtes For Sale」)
02  Save Us (2013 「NEW」)
03  All My Loving (1964 「With The Beatles」)
04  Jet (1973 「Band on the Run 」)
05  Let Me Roll It (1973 「Band on the Run 」)

06  Paperback Writer (1966 シングル)
07  My Valentine (2012 「Kisses On The Bottom」)
08  Nineteen Hundred and Eighty-Five 1985 
     
(1973 「Band on the Run 」)

09  Long and Winding Road (1970 「Let It Be」)
10  Maybe I’m Amazed (1970 「McCartney」)
11  Things We Said Today (1964 「A Hard Day's Night」)
12  We Can Work It Out (1964 シングル)

13  Another Day (1971 シングル)
14  And I Love Her  (1964 「A Hard Day's Night」)
15  Blackbird (1968 「The Beatles(White Album)」
16  Here Today (1982 「Tug Of War」)
17  NEW (2013 「NEW」)
18  QUEENIE EYE  (2013 「NEW」)
19  Lady Madonna (1968 シングル)
20  All Together Now (1968 「Yellow Submarine」)
21  Lovely Rita
     
 (1967 「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」)

22  Everybody out there  (2013 「NEW」)
23  Eleanor Rigby (1966 「Revolver」)
24  Being for the Benefit Of Mr. Kite!
       
(1967 「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」)

25  Something (1969 「Abbey Road」)
26  Ob-La-Di, Ob-La-Da  
     
(1968 「The Beatles(White Album)」

27  Band on the Run  (1973 「Band on the Run 」)
28  Back in the U.S.S.R.  
      (1968 「The Beatles(White Album)」

29  Let It Be (1971 「Let It Be」)
30  Live and Let Die (1973 シングル)
31  Hey Jude  (1968 シングル)

  ENCORE 01
32  Day Tripper (1965 シングル)
33  Hi, Hi, Hi (1972 シングル)
34  I Saw Her Standing There (1963 「Please Please Me」)
 
  ENCORE 02
35  Yesterday (1965 「Help!」)
36  Helter Skelter (1968 「The Beatles(White Album)」
37  Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
       (1969 「Abbey Road」)

 *ちなみに「シングル」と表記したものは、『Past Masters Volume 1 / 2』に収録されています。
 アルバム名、リリース年は一応確認したけれど間違いもあるかと思います。

 

 

■華麗なパフォーマンス
 2002年の来日時には行けなかったので、私にとっては、1990年、1993年の以来のポール。
 1990年時には、さすがにウィングス時代のいちばんセクシーでチャーミングだった容姿の記憶から、「老けたなあ」なんて思ったけれど、あれから20年あまり・・・。こっちの変化は著しいのに(-_-;)、ポールはあまり変わらない。
 演奏時のパワフルなパフォーマンス、張りのある声、お茶目なMC。誰もがあちこちで書いているけど、本当に変わらない。若い・・・。
 そして、1990、1993年のときも感じたけど、やっぱりバンドの人なんだなあ、と。もちろん「Paul McCartneyのライブ」なんだけど、バンドメンバーとやるのが楽しくてたまんない感じ、伝わってくる。
 若いときにはそれなりに諍いや葛藤もあっただろうけど、今は大人(笑)なんだろうか。

 曲が終わるたびに、バイオリンベースやレスポールのギターやマーチンのアコギを、客席に見えるように高く掲げて示してくれる。かつてのギター少年はもちろんだろうけど、ポールの長い歴史に思いを馳せて、こちらまで気持ちが高鳴るパフォーマンス。かっこいいなあ! 「Lovely Rita」で使っていたのはギブソンの12弦ギターかなあ。

 MCの半分くらいは「つぎの曲は・・・」な感じで日本語。下に置かれた画面かメモ?を見ながら(笑)。
 英語の部分は映像で日本語に。
 「もっと聴きたい?」や「最高!」「いいね!」などをいろんな言い回しで笑わせる。かわいい。
 身振りのひとつひとつがちゃんと伝わって、会場全体を盛り上げる、みごとなサービス精神か。
 ピアノに頬づえして会場を見まわす表情なんかは、ビートルズ時代の「かわいいポール」を彷彿とさせてた(大げさか?)

 バックのスクリーンに映し出される映像やアニメーションも、それぞれに凝っていて、時代を映し出したり過去を再現したり。たぶん、私なんかにはわからない意味や見どころがもっとたくさんあったんだろうなと思う。


■亡くなった妻と友に
 ビートルズ解散後、最初のソロアルバムからの「Maybe I’m Amazed」は「リンダに」。
 そして、ジョンの死後、最初のアルバム『Tug Of War』からの「Here Today」は「ジョンに」。この曲の優しいメロディー、詞に込められたジョンへの思いに、当時も感動したけれど、ライブで聴く「Here Today」は格別。
 そして、ウクレレで(「これはジョージのウクレレ」と言った?)「Ram on」を軽く演奏したあとで、アコギで「Something」。『Abbey Road』のジョージの名曲。これには涙がこぼれそうになった。相方も、ここはちょっと胸が震えたらしい。
 最後に、観客に「ありがとう」と言ったあと、こんなすてきな曲を作ったジョージにも「ありがとう」と言ってたな。
 それからジミヘンの曲もメンバーと演奏。ここにはこんなドラマがあると以下の記事より。


 http://mfound.jp/news/2013/11/021810.html

 ポールがジミー・ヘンドリックスを同世代ながら大いに認めていたことは有名だけど、こうやって何十年もたって、あえてリスペクトしていることに、やっぱりこちらは歴史を感じちゃう。


■山ほどある「聴きたい曲」!
 演奏された曲に関しては、もうここには書ききれないほどの思いがある。
 イントロを聴いただけで体が自然に反応しちゃうような曲ばかりだ。
 構成としてはビートルズの曲が多いけれど、ウィングスのヒット曲も。
 そういえば、ウィングス時代の曲としては、シングルの「Hi Hi Hi」以外はすべて『Band on the Run』からだったな。名盤と言われるし、ポールもお気に入りなのかも。
 ソロとしてはニューアルバム『NEW』から4曲と、『Kisses On The Bottom』から1曲。1990年前後の曲も聴きたかったけど。
 だけど、どの曲もキャッチーで覚えやすくて、スッと入ってくるものばかり。50年間につくられた曲をアトランダムに並べられて、冷静に考えれば圧倒されてしまう。
 
 もちろん、聴きたい曲はこれら以外に数えきれないくらいあるけどね。きっとあの場にいた誰もがそうだろう。
 初期の初期の曲(もうベタに、「I Wanna Hold Your Hand」「She Loves You」とか)とか、「Drive My Car」とか、「She's Leaving Home」とか、「Two of Us」とか。そうそう、ジョンの曲もね。
 でも、思いがけず、「All Together Now」「Being for the Benefit Of Mr. Kite!」「Lovely Rita」ときて、「
Helter Skelter」までやってくれたんだから感動だ。
 「Another Day」もうれしかったなあ。40年前の曲なのに、出来立てみたいに新鮮だった。
 「Ob-La-Di, Ob-La-Da」が好きだったことなんてないはずなのに、大合唱には心が動いてしまったし。
 「Get Back」やらなかったなと思ったら、そのかわりに「I Saw Her Standing There」だったそうだ。これはどちらも聴きたかったからしかたないな。
 「Get Back」は、1969年のアップルの屋上でのライブ映像が目に焼きついている。解散までの危ない時期のメンバーを思えば、ちょっと複雑だけど。
 そして、「Back in the U.S.S.R.」は、歌詞にこめられた当時の世界情勢はともかく、やたらノリまくれる楽曲。

 
 ラストの三部作「Golden Slumbers / Carry That Weight / The End」。
 1990年のライブでは、不意を突かれて、本当に泣けたっけ。『Abbey Road』の最後にこの曲たちをおさめてくれて、ほんとうによかったなと。
 ジョンシンパの男友達は、ジョンの発言から、こんなふうにつくりものめいた作品を認めなかったけれど、でも今聴いたら、「ポール、許すよ」と言ってくれるかしら。
 バンドメンバーのプレイの力強さと、そしてメロディーの美しさ、歌詞の深い意味・・・。いろいろな世代へのメッセージになるのだろう。


 メディアは「日本で最後のライブになるだろう」と報じていたし、71歳という年齢を考えればそうかも、と私も思っていたけれど、この日のポールを見て、私は考えを改めました。そして相方に言ったの。
 「ポールはきっとまた来るよ。ライブもやるよ」
 それくらい、エネルギッシュで、いい意味で軽くて(背負っているものなんて全然感じさせずに楽しそうで)、そして「過去のアーティスト」なんかじゃなくて現役バリバリで・・・。
 ライブ中、一度も水分をとらなかったし、アンコールのときもすぐに出てきちゃうし。
 それに、
ポールは最後に言ったもの、「See you again !」ってね。
 
 彼に比べたら、ワタシなんてひよっこみたいなもの。明日から頑張らなくちゃ・・・そんなことを思いながら帰りの電車に揺られていた。
 そして最寄りの駅近くの居酒屋で、2時まで相方と洋楽談義。
 ジョンやポールがくれた貴重な時間をずっと忘れないでいようと思った。


                         


 そういえばスピッツ草野がライブで、「70くらいまでスピッツをやれたら」と言ってたっけ。
 うん、あなたたちは4人だもの、十分がんばれる! 70代、きっとOKです。


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