■100年を飛び越えて
黄色いボトルに 冷たい水を入れて
今朝は あそこまで歩く
決めた場所にたどりつくまで
私の時間は 100年後戻り
あの季節と同じ空が広がって
深く 強く 胸のあたりを包み込む
だけどあのときは 半分だけ本気で
怒ったり 迷ったり 座り込んだり
非情な夏が 音もたてずに
私の予感を 軽く飛び越えていた
思い出というには あまりにあっけなく
勇気や思い込みを 蹴散らしていたっけ
今朝は 迷いも怒りもなく
悲しいほど静かに あそこまで歩く
誰かに呼び止められても
100年の時は 取り戻せないから
始まりと終わりのはざまで
息をしている心地よさ