■ワクチン後遺症~副反応ではない 慢性的な後遺症の訴え~
Yahoo!ニュース 2022/2/14 サンテレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9a4fc43dcfe109f52bc69478574a3bf5fb804ab
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新型コロナのワクチン接種後、長期間症状が出続けている後遺症を訴える患者がいます。
まだ十分に認知されていない「ワクチン後遺症」について取材しました。
・3回目のワクチン接種とオミクロン株への効果
オミクロン株の感染拡大によって、県内でも保健所や医療がひっ迫。
急ピッチで3回目のワクチン接種が進められています。
「本県も含めて全国で3回目の接種の進捗が進んでいない現状がありまして。やはり3回目のワクチン接種が大事だと。できるだけ県の接種会場で枠の拡充をさせていただいてなんとか進めていきたい」
神戸大学などは、ワクチンの効果について神戸大学医学部付属病院の医師65人を対象に、ウイルス感染を予防できる抗体 中和抗体を調べました。
神戸大学大学院 森康子・感染症センター長「今までの従来株、デルタ株はワクチン接種後、2カ月、6カ月でも中和抗体を持っていて、ある程度感染を抑えることがワクチン2回接種で可能でした。第5波が落ち着いてきたのはワクチン2回接種の効果があったと思われます」
メッセンジャーRNAワクチンで、オミクロン株は1回目、2回目の接種で十分な抗体ができませんでしたが。
神戸大学大学院 森康子・感染症センター長「オミクロン株はなんと驚いたんですが、今まで2回接種でほとんどできなかった中和抗体が3回接種することによってこのように64倍まで上がりました」
・因果関係が否定できないと認められた事例はこれまで1例もない
一方、ワクチン接種にはリスクも伴います。
こちらは、厚生労働省に報告があった死亡報告事例です。
2021年2月17日から2022年1月2日までにワクチン接種後に亡くなったと報告された人数は1438人。
このうち専門家によって因果関係が認められないとされたのが10人。
情報不足などによりワクチンと死亡の因果関係が評価できないとされたのが99パーセントにあたる1428人。
たとえ、接種の数時間後に亡くなったとしても因果関係が否定できないと認められた事例はこれまで1例もありません。
・副反応ではない 慢性的な後遺症とは?
また、アナフィラキシーや急性アレルギー反応といった副反応以外にも、接種後から長期間症状が続いているワクチン後遺症を訴える人たちがいます。
患者の母「(1回目接種の翌日)お母さん、何かちょっと胸が息が苦しいんやけど気のせいかなと言って。それで私『えっ』て。朝に熱も出なかったのでそんなことないんちゃう?気のせいちがうって(学校に行かせた)。学校からお母さん、息が苦しいって言っていますって。息ができないって言っているんです。迎えに来てくださいって」
・ワクチンの後遺症を訴える患者の声
尼崎市にある長尾クリニック。
全国からワクチンの後遺症を訴える患者が訪れます。
院長の長尾和宏医師は、これまで50人以上の患者を診てきました。
長尾和宏医師「症状としては実に多彩で、例えば50人いたら50人とも違うんですけども共通することは、日常生活が以前のようにできない。学校に行けない。職場に行けないという状態が1カ月以上、中には半年以上続いて社会生活から脱落してしまっている」
(長尾医師の診察 患者が歩こうとする様子)「立っていられないって書いてあるけど立ってらない? ふらふらする。ちょっと歩いてみようか。ゆっくり。バックできへんのか。その椅子に戻って。倒れそうか?トイレ行くの大変やね」
患者「壁にこう…。壁つたいに歩く」
関西に住む中学1年の女性。
2021年10月に1回目のファイザーのワクチンを接種した後、歩行困難などの症状が表れ、病院を転々としました。
母「(総合病院での)検査結果が」
Q何って言われた
母「異常なし」
Q異常やんか 神経内科には行った?
母「ギラン・バレーとかも疑ってそれでも検査は異常なしって」
Qギラン・バレー症候群じゃないって言われた
長尾医師は、ワクチンの後遺症と診断。
女性は現在、治療を受けて回復に向かっているそうです。
・ワクチン後遺症という概念がない
こちらは兵庫県内に住む高校1年の男性です。
2021年9月、1回目にファイザーのワクチンを接種後、新型コロナに感染し、2回目のワクチンも接種。
記憶力の低下を訴えています。
Q記憶力って例えばどういう風に記憶力が悪いと感じますか
男性「数学の公式を覚える時にさっきやったのに全然頭に入ってこない。全教科が」
Q全教科、暗記できないようになった
男性「暗記ができないです」
Q留年する可能性がある
男性「はい」
長尾医師は、新型コロナの感染による後遺症とワクチン後遺症の両方を疑っていて、脳の中で炎症が起こっている可能性を指摘しています。
長尾和宏医師「(ワクチン後遺症は)強い全身倦怠感。疲れやすい。動いたらすぐに疲れる。あるいは胸が痛い。あちこち痛みが移動する。食欲がない。人によっては歩きにくい。認知症のように短期記憶が障害される。ものが覚えられない。こういったことを訴える方がいらっしゃいます。コロナ後遺症に限っては病気として認められている。ところがワクチン後遺症という概念がないために補償の受け皿がない。若いですから介護保険の対象にもならない」
・5歳~11歳のワクチン接種について
3月からは5歳から11歳も対象になり、ファイザーのワクチン接種が特例で承認されます。
後藤茂之厚生労働大臣「具体的に(5歳から11歳の)有効性については抗体価の上昇が16歳から25歳までと同様に評価されていること。発症予防効果が約90%であることが報告されております。安全性については有害事象の発現頻度などを踏まえると、現時点で安全性に重大な懸念は認められないという評価がなされております」
青山大人 衆議院議員「オミクロン株についての科学的知見はちゃんと収集されたのか?」
後藤大臣 「オミクロン株については5歳から11歳の直接のデータは現時点で存在していないわけです。薬事・食品衛生審議会においても 5歳から11歳に対しても成人と同様の効果があると推測されているというのが科学的な正確な言葉でございます」
・子どもの接種に長尾医師は強い懸念
5歳から11歳の接種については小児科医の間でも意見が分かれていて、長尾医師は強い懸念を示しています。
長尾医師「子ども(10代)がコロナで亡くなった方は3人。ワクチンで亡くなった方は5人(因果関係は不明)としても、3対5。ワクチンで亡くなった人が多いわけです。リスクとベネフィット(利点)と言いますけど、子どもはベネフィットよりもリスクの方が高いんじゃないか。では、高齢者、同居している高齢者を守るために子どもが打てという方がいらっしゃいますけども僕は子どもには酷なんじゃないか」
厚生労働省は、死亡事例は報告されていても「ワクチンが原因で亡くなったことではない」と否定しています。
また、3回目の追加接種についても感染予防効果や重症予防効果の観点から接種が望ましいと呼びかけています。
・副反応も国の健康被害の救済認定には高い壁
ワクチンの副反応について2021年2月17日~2022年1月2日までに医療機関から副反応の疑いと報告された事例は、3万件を超えています。
こちらは2022年1月28日時点のデータで調査時期が違いますが、国の健康被害の救済認定を受けたのは515人。
そのほとんどがアナフィラキシーや急性アレルギー反応、アナフィラキシー様症状です。
では、副反応ではなく、1カ月あるいは半年と長期的に症状が出るワクチン後遺症はというと、まだその概念が十分に知られていないのが現状です。
兵庫県ワクチン対策課は、「人数は非公表だが、後遺症を訴える患者を把握している。基本はかかりつけ医に診てもらい、医師が判断に迷った場合は専門的な医療機関を紹介している」ということです。
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ワクチン後遺症~副反応ではない 慢性的な後遺症の訴え~
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