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■衝撃…!少子化の根本原因は、50年前の「国の政策」にあった~日本の少子化は「人災」だった~

2022-07-06 15:40:35 | 日記

 

■日本の少子化は「人災」だった(上)戦後ベビーブーム突如終焉

産経新聞(2016.2.20)

https://www.sankei.com/premium/news/160206/prm1602060029-n1.html

 

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GHQ、禁断の「産児制限」

 


人工光に照らされた棚に、青々と育ったレタスが所狭しと並ぶ。

兵庫県養父市の旧南谷小学校の体育館。かつて子供たちの元気な声で満ちあふれていた学舎は「野菜工場」へと変貌をとげた。


子供の数が減った影響で小中学校の廃校が相次いでいる。

文部科学省によれば、公立小中学校は平成17(2005)年度からの10年で3200校近く減った。


高齢者施設やオフィス、宿泊施設、レストランなどに転用された例もみられる。

厚生労働省が年頭に公表した推計によれば、昨年の年間出生数は前年比4千人増の100万8千人。


だが、この反転は一時的なものとみられる。

子供を産むことのできる若い女性が激減していくからだ。


それにしても日本の出生数の減少ペースは速い。

戦後のピークである昭和24(1949)年の約270万人と比較すると、70年弱で約3分の1に減った。


しかも、その推移を追いかけると、気になる変化が見つかる。

24年の翌年は出生数が一挙に36万人も減り、第1次ベビーブームが突如終わっているのだ。


明らかに不自然である。

当時の資料を調べてみたところ、意外な事実が明らかになってきた。


戦後、占領政策を実施した連合国軍総司令部(GHQ)が、堕胎や避妊による「産児制限」を仕向けていたのだ。

日本の少子化は、GHQによって引き起こされた“人災”だったともいえる。


焼け野原からの再出発となった日本は、復員や旧植民地からの引き揚げ者が相次ぎ深刻な食糧難に直面した。

一方でベビーブームが起こり、増え続ける人口への懸念が広まっていた。


GHQは当初、無関心を装っていたが、21年5月に「食糧メーデー」が起こると態度を一変させた。

労働運動の広がりによる共産化への警戒だった。


発展途上国の人口急増が共産主義に結びつくという見方は戦前から強かったが、「人口が急増している日本も例外ではない」と認識したのである。

懸念はもう一つあった。


米国は国土面積が狭い割に多くの人口を抱える日本を戦前から注視していた。


GHQの報告書を翻訳した『GHQ日本占領史第4巻 人口』(日本図書センター)には、日本の開戦理由を「人口を養うに必要な資源獲得のための軍事力による領土拡張を擁護し、同時に、増加する人口を養うための彼らの帝国主義的政策を宣伝した」とする分析結果が残されている。


GHQの人口問題の専門家らは、戦後も「日本の人口増加に歯止めがかからなければ、将来、膨張主義が復活する」と警告した。

だが、人口の多寡が「国力」を意味した戦前・戦中において、人為的に人口を減らす産児制限は“禁断の政策”であった。


各国政府はこれを認めず、米国でもキリスト教団体を中心に反対論が強かった。

占領国が人口抑制を強要した場合、国際社会から強い非難を受けることは必然だった。


そこで、GHQは日本人自身の手で産児制限を普及させることにしたのである。

なぜ日本の少子化はかくも深刻化したのだろうか。


有効な歯止め策が見つからない今、その手掛かりを求めて、出生数が激減した根本的理由を歴史にたずねることにした。

 

 

人工妊娠中絶、女性議員を推進役に 「日本人の意思で法制化」迫る

 

戦時中の新聞や書物には、「人口戦」という言葉がしばしば登場する。


相手国民を減らし、弱体化させるための作戦を展開するのだが、虐殺ではなく、経済封鎖などによって出産期の女性や小さな子供の健康に影響を与え、あるいは結婚や出産をためらわせる思想を普及させる間接的な形で実行される。


連合国軍総司令部(GHQ)も例外ではなかった。

目に留まったのは、戦前、産児制限の普及運動に取り組んでいた加藤シヅエ氏(1897~2001年)たちだった。


産児制限を合法化し日本に定着させる推進役となることを期待し、女性の立候補が認められた昭和21(1946)年の戦後初の総選挙で、加藤氏らを後押ししたのである。

加藤氏の自叙伝『加藤シヅエ ある女性政治家の半生』(日本図書センター)に、詳細なやりとりが残されている。


「九月二日にはミズリー号で、降伏文書の調印が行われて、ああこれで完全に終戦だと思ってましたら、少し経ったある日、ジープが家の前に停まりましたの。

(中略)

二世で、塚本太郎さんというGHQの民間情報教育局の方でした。

家に上がっていらっして、こうおっしゃるの。


『今日は実は、お願いに来ました』って。

何事かと思いましたら、『日本に新しい民主主義の法律を作らなくてはならないので、御夫婦にいろいろな意味で相談相手になって貰いたい。


非公式に顧問を引き受けて頂けませんか』とおっしゃいました」


衆院選立候補を促す場面についても、「ある日、GHQの将軍が突然訪ねていらっしゃったんです。


『どうしてあなたは立候補しないんですか』って訊かれましたので、『夫(=加藤勘十氏)が立候補しているのに、私まで出るなんて考えられません』と申しましたら、『婦人参政権を与えよと言ったのは、あなたじゃないですか。


戦前から運動を続けて来た張本人が、そんなことでいいんですか』って、懇々と説得なさるんです」と書かれている。

GHQがこだわったのが、産児制限を認める法案を議員提出とすることだった。


「日本人自身の意思で法制化した」とする必要に迫られていたのである。

当然のことながら、占領下とはいえ日本政府は産児制限の受け入れを拒絶した。


芦田均厚相は、20年12月15日の貴族院本会議で「一度出生率が減少傾向になった場合には、人口増加の傾向に回復することは困難である。

人口が過剰であるからといって、すぐに政府が公然と産児制限を認めることは、慎重に考慮を要することだ」と答弁している。


人口の多寡が「国力」を意味した戦前・戦中において、産児制限は「民族の自殺」であり、将来的な国家の滅亡につながると考えられていた。

第二次大戦が終わってなお、日米間で国家の存亡をかけた「静かなる戦争」が続いていたのだ。


衆院議員に当選した加藤氏や医師出身議員らは精力的に動いた。

GHQ公衆衛生福祉局のクロフォード・サムス局長が記者会見で産児制限を強く促したこともあり、23年6月、日本政府の慎重姿勢をよそに人工妊娠中絶を認める優生保護法が成立した。


だが、この法律は中絶の門戸を広く開くものではなかった。

「貧困」を理由とすることを認めなかったからだ。


加藤氏らは「産児制限は文明人の有する当然の自由で、国民の基本的人権だ」と法改正を訴えた。

一方、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官は米国の人口学者が産児制限の必要性を語ることを妨げなかった。


このため学者らは「日本が産児制限政策にためらい、帝国主義への回帰を忘れられず、人口増加を目指している」との報告書をまとめた。

人口学者らの見解は、主権回復を悲願としていた日本政府には重圧だった。


人口膨張を抑制できなければ、国際社会への復帰が認められないのではないか、との焦りである。

闇堕胎による女性の健康被害が社会問題化したこともあり、ついに吉田茂内閣はそれまでの政府方針を転換した。


24年4月、産児制限拡大を検討するため人口問題審議会の設置を閣議決定した。

これを受け、同年6月には優生保護法に改正が加えられ、日本は「経済的理由」で中絶が認められる国となった。


結果として、第1次ベビーブームは突如終焉(しゅうえん)したのである。

主権回復から間もない27年5月に同法は再び改正され、「経済的理由」に該当するかどうかの判断は医師に委ねられた。


それは、現在に至る長い少子化の歴史の始まりでもあった。

 


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■日本の少子化は「人災」だった(上)戦後ベビーブーム突如終焉
産経新聞(2016.2.20)
https://www.sankei.com/premium/news/160206/prm1602060029-n1.html

 

 

 

 

 

 


■衝撃…!少子化の根本原因は、50年前の「国の政策」にあった

日本の人口を減らそうとした時代が…

週刊現代(講談社)2019.3.2

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60028?imp=0

 


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「いまの日本の人口減少は、他の先進国に比べて異常な状況だ」と語るのは、日本の少子化の歴史を紐解いた『日本の少子化 百年の迷走』(新潮選書)の著者である作家、ジャーナリストの河合雅司氏だ。


「2010年の先進各国の総人口を100とした場合の、2060年の人口予測を社人研が出しています。

それによれば、アメリカやオーストラリアをはじめ、いまよりも人口が増加する国が多い。


減少するのは韓国、ドイツ、日本くらいです。

しかも、韓国は10年比で89.9、ドイツは79.1なのに対し、日本は67.7まで減少すると予測されている。


日本の減少幅が突出していることがわかるでしょう」

 

並み居る先進国のなかで、断トツのスピードで人口減少の道をひた走る日本。

なぜ、そんな状況に陥ってしまったのか。


「それは、戦後の日本で起きた2度のベビーブームの前後で、国を挙げて人口を減らそうとした時期があったからです」(河合氏)

 


「家族計画」の名の下に


国も新聞も、日本中がこぞって「少子化対策」を騒いでいるいまの世の中と真逆のことが行われていたというのは、にわかには信じがたいが、それは紛れもない事実だ。

1947年、日本は第一次ベビーブームを迎える。


終戦による旧植民地からの引き揚げや、出征していた夫の帰国によって、夫婦による「子作り」が一気に進んだ結果だ。

この年以降、日本の出生率は上昇し、'49年には4.32を記録している。


出生数は、269万6638人にのぼる。

これは2017年の3倍近い数字だ。


ところが、翌1950年には上昇がピタリと止まり、出生数が一気に約36万人減少している。

明らかに不自然な推移だが、いったい何が起こったのか。


「複雑な要因がありますが、GHQが産児制限の普及を誘動したことにより、爆発的な中絶ブームがおこったことが一番大きい。


食糧難の中で人口が急拡大していた日本が再び軍国化することを恐れたアメリカは、中長期的に日本の出生数を抑え、人口の増加に歯止めをかけるべく、中絶の合法化や避妊知識の普及などを陰に陽に働きかけていたのです」(河合氏)


くわえて、当時のアメリカには「人口の急増は共産化に結びつく」という考えも根強かった。

アメリカにとって、日本の人口増は絶対に食い止めなければならない「課題」だったのだ。


当時の吉田茂内閣はこのGHQによる産児制限の誘導を受け入れ、「家族計画」を国民へ広めるべく務めるようになる。

そして、それに一役も二役も買ったのが当時の新聞だった。


'49年の新聞記事を見ると、いま掲載されているのはまったく逆の「人口増加による危機」を叫ぶ言葉が並んでいる。


〈文化的に内容のある生活をするためにも産児制限は有効な手段といわなければならない〉(読売新聞1月1日付)


〈とにかく人口が多すぎる。なんとかしなければ、どうにもならぬと、だれもが考えている〉(毎日新聞11月21日付)


こうした、国を挙げた「産児制限」の啓蒙によって、日本の出生率は減少のカーブを描いた。

'57年の出生数は約156.7万人。'49年からわずか8年で、100万人以上減少した計算だ。


「歴史に『もしも』はないといいますが、第一次ベビーブームがわずか3年という不自然な形で終わっていなければ、いまの日本の人口問題はもっと違った形になっていたでしょう」(河合氏)


その後、'60年代に入り、高度成長が本格化すると、急速な経済発展による労働力不足を背景に、国による人口抑制政策は次第に後退していく。

 

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■衝撃…!少子化の根本原因は、50年前の「国の政策」にあった
日本の人口を減らそうとした時代が…
週刊現代(講談社)2019.3.2
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60028?imp=0

 


■欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりが「がん」で死ぬのか 週刊現代(講談社)2014.10.14

2022-07-06 15:40:13 | 日記

 

■欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりが「がん」で死ぬのか

週刊現代(講談社)2014.10.14

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40436


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日本人にはあまり知られていない不可解な事実がある。

先進国の中で日本だけ、がんの死亡数が増加し続けているという。

わが国の医療は世界トップレベル?だからといって、安心してはいられない。

 

30年で2倍に増えた


「じつは、がんの死亡数が増え続けているのは、先進国では日本だけなのです」

東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏はこう断言する。

日本人の平均寿命は女性が86・61歳で世界一、男性は80・21歳で第4位。その数字だけが独り歩きし、日本人は健康なのだと思いがちだが、そう考えているのは我々日本人だけのようだ。

米国で1年間にがんで死ぬ人は、約57・5万人。

日本人は約36・5万人だが、人口10万人当たりで換算すると、日本人の死亡数は米国の約1・6倍にもなっている。

意外なことだが、日本は先進国であるにもかかわらず、がんが原因で亡くなる人が増え続ける唯一の国。

日本が「がん大国」である「本当の理由」はここにある。

いまや日本ではがん患者が増え続け、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬ?そんな時代になった。

がん研究振興財団が昨年発表したデータでは、1年間で新たにがんと診断された人は74万9767人。

がんは、日本人の死因のトップとなっている。

脳卒中を抜き、がんが死因の1位になったのは1981年。

その後、がんの罹患数、死亡数ともに年々増え続けている。

死亡数は、30年で2倍以上にも膨れ上がった。

もちろん、世界的に見ても、がんは患者数も死亡数も増えている。

だが、国際がん研究機関(IARC)の発表によると、世界中で、がんで死ぬ人の65%は発展途上国の国民。

先進国では、がんが原因で死ぬ人は減り続けているという。

中川医師が続ける。

「欧米では、だいたい毎年5%ずつがん死亡数が減っています。それに比べ、日本では増加が止まりません。1995年の時点では、日本も米国も同程度でしたが、それ以降、差はどんどん開いていっています」

がんの患者数が増えれば、がんで死ぬ人が増えるのは当然のことのように思えるが、そうではない。

先進国の場合、高度な検査設備があることで、従来ならば見つからなかったレベルの早期のがんが発見され、患者数が増加しているという側面もある。

だが、その場合、見つかったとしても高い治療技術があれば、がんを治すことができるはずだ。

医療設備が整った先進国では、がんによる死亡数が減少していって当然である。

ましてや、先進国の中でも、日本の医療はトップクラス。

「とくに手術の技術は、世界一」(前出・中川医師)とも言われる。

そんな日本でなぜ、がん死が増え続けているのだろうか。


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■欧米ではどんどん減っているのに なぜ、日本人ばかりが「がん」で死ぬのか
週刊現代(講談社)2014.10.14
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/40436


■アフラックに屈服したTPP日本~郵便局との提携が国民皆保険を空洞化する~ 麻生財務相「日本生命を外し、代わりにアフラックのがん保険を売らせる売国的譲歩」

2022-07-06 15:39:31 | 日記


■アフラックに屈服したTPP日本~郵便局との提携が国民皆保険を空洞化する~

麻生財務相「日本生命を外し、代わりにアフラックのがん保険を売らせる売国的譲歩」

週刊ダイヤモンド 2013.8.1 山田厚史

https://diamond.jp/articles/-/39579


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やっと交渉参加が認められ、マレーシアでTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)協議に加わる直前の発表だった。

アメリカンファミリー生命保険(アフラック)が全国2万店の郵便局でがん保険を売ることが決まった。

保険商品の共同開発もするという。

米国が求める「郵政民営化」が、とうとう形となって現れた。

販売提携、共同開発、次は出資、つまり日本郵政の経営支配だろう。

狙いは処女地とされる日本の医療保険市場。

国民皆保険を空洞化する米国資本の戦略拠点に郵便局がなろうとしている。

 

・外資の保険ならOKという矛盾


日本郵政は日本生命との提携を予定していた。

子会社のかんぽ生命で日生が開発したがん保険を発売する段取りだった。

それが舞台裏でひっくり返った。


米国政府は「政府の信用が背後にあるかんぽ生命が民間と競合する保険を販売するのは民業圧迫であり、外国企業の参入を妨げる非関税障壁である」と主張し、TPP交渉と絡めて日本側に圧力をかけていた。

麻生財務相がTPPの事前交渉で「かんぽ生命からがん保険の申請が出ても認可しない」と米国に約束した日本側が、その後の交渉で「日本生命を外し、代わりにアフラックのがん保険を売らせる売国的譲歩」(保険業界関係者)に突き進んだ。

政府の信用をバックにがん保険を売るな、と言いながら、米国系のアフラックのがん保険ならOKというのは筋の通らない話である。

他にも外資系保険会社は多数ある。

アフラックだけを優遇するのは、これまでアフラックが主張してきた理屈にも合わない。

誰にでもわかる非道理がまかり通った「力による決着」である。

アフラックのがん保険はかんぽ生命の直営80店に留まらず、日本郵便の2万局、つまり全国津々浦々でアヒルのキャラクターといっしょににぎやかに販売される。

全国制覇である。


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アフラックに屈服したTPP日本~郵便局との提携が国民皆保険を空洞化する~
週刊ダイヤモンド 2013.8.1 山田厚史
https://diamond.jp/articles/-/39579


■賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業 Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説

2022-07-06 04:14:04 | 日記

 

■賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業

Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説

https://news.yahoo.co.jp/articles/61833a40e74a6bd72229412435f6d4c5d608c3b4


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・大幅に引き上げられる賃上げ税制の控除率


12月10日にまとめられる予定の2022年度与野党税制改正大綱の議論が、大詰めを迎えている。


その最大の注目点は、企業の賃上げを促す「賃上げ税制」の強化である。

現在の制度のもとでは、大企業が新規採用者への給与支払い分を前年度比2%以上増やした場合に、その増加分に対して法人税が15%控除される。


中小企業については、給与の支払総額を1.5%以上増やせば増加分の15%が控除される。

さらに教育訓練費を一定額以上増やすと大企業では5%、中小企業では10%の控除率が、それぞれ上乗せされる。


最大の控除率は、大企業で20%、中小企業で25%である。

この制度が修正、拡充される。


大企業については、前年度から継続雇用している従業員に対象を改め、賃上げ率の条件も「2%以上」から「3%以上」へ引き上げる方向で議論が進んでいる。

一方で、賃金を4%以上増やした上に社員教育を充実させると、控除率は最大で30%となる。


中小企業については、控除率を最大40%とする見通しだ。

「賃上げ税制」は、3%の賃上げ目標を掲げた安倍政権が2013年に導入したが、期待された効果はあげられなかった。


その制度を強化するだけで、賃上げを促す効果が果たしてどれほどあるのか疑問、との声に応えるかのように、議論が進む中で控除率がどんどん引き上げられていき、大盤振る舞いとなった印象である。

規模の大きさを求める声が高まる中、過去最大規模にまで膨れ上がっていった先般の経済対策と似た構図だ。

 

・制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業


税制面からの強いインセンティブが与えられることで、企業の賃上げが促されることが全くないとは言わないが、目立った効果はあげられないのではないか。


企業にとって税優遇の効果は一時的である一方、ひとたび基本給を引き上げれば、それは容易には引き下げられず、経営環境によっては収益を圧迫しかねない大きな負担となるからだ。


将来の成長期待が乏しい中、一時的な税優遇だけで、企業が大幅な賃上げを決めるとは考えにくいところである。

こうした小手先の政策ではなく、企業の成長期待を高める政策を進めることこそが、企業に賃上げを促す最良の策であり王道なのではないか。


ところで、企業にとって一人当たりの賃金支払いの増加率は、定期昇給分を除くベースアップ率に近いものとなる。

仮に新卒採用者と定年退職者の数が等しく、雇用者数が一定の場合、年功序列の定期昇給分は、一人当たり平均賃金支払いの上昇にはつながらないからだ。


そしてそのベースアップ率は、安倍政権の下でのピークでも+0.4%台半ばにとどまった。

さらに、新型コロナウイルス問題によって、2021年にはほぼゼロ近傍まで低下した。


そのベースアップ率に近い一人当たり現金給与総額の所定内賃金(毎月勤労統計)は、昨年は前年比+0.2%、今年は最新10月の値で前年同月比-0.2%である。

これが企業の賃上げの平均的な姿である。


+3%、+4%の賃上げができる企業は、相当業績が良く、また将来の売り上げ増加期待が強い、ごく一握りの優良企業であるはずだ。

そうした優良企業が最大40%の税控除を受ける一方、厳しい経営環境で賃上げが実施できない多数の企業は、税控除を受けることができない。


これは、企業の収益格差をさらに拡大させてしまうことになるだろう。

コロナ禍によって、企業間の業績の格差はかなり広がった。


これを縮小させることが短期的には求められる中で、「賃上げ税制」の強化は逆に格差を一段と拡大させる方向に働く、という大きな問題を抱えているのではないか。


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賃上げ税制:制度が利用できるのはごく一握りの好業績・優良企業
Yahoo!ニュース 2021/12/8 NRI研究員の時事解説
https://news.yahoo.co.jp/articles/61833a40e74a6bd72229412435f6d4c5d608c3b4

 


【3人に1人が年収減を実感】日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない~アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~

2022-07-06 04:13:45 | 日記

 


■3人に1人が年収減を実感

コロナ禍の家計、民間調査

共同通信 2021/5/19

https://this.kiji.is/767617463727489024?c=39550187727945729

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新型コロナウイルスの影響で年収が減った・減るだろうと答えた人は計37.3%で、3人に1人に上ることが19日、明治安田生命保険の調査で分かった。

増加傾向だった世帯貯蓄額も3年ぶりに減少に転じ、家計が厳しくなっている実態が浮き彫りになった。

調査は3月、全国の20~79歳の既婚男女を対象にインターネットで実施。1620人が回答した。

昨年3月に比べ、年収が「今現在減少した」と答えた人は17.7%、「将来減少する(と感じる)」は19.6%。「今現在減少した」と答えた人を職業別で見ると、自営業・自由業32.3%、パート・アルバイト24.5%が上位を占めた。


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3人に1人が年収減を実感
コロナ禍の家計、民間調査
共同通信 2021/5/19
https://this.kiji.is/767617463727489024?c=39550187727945729

 

 

 

 

 

■日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない~アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~

東洋経済 2021/10/03 野口悠紀雄

https://toyokeizai.net/articles/-/458676


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日本の賃金は、OECDの中で最下位グループにある。

アメリカの約半分で、韓国より低い。


同様の傾向がビッグマック指数でも見られる。

ところが、アベノミクス以前、日本の賃金は世界第5位だった。


その後、日本で技術革新が進まず、実質賃金が上がらなかった。

そして円安になったために、現在のような事態になったのだ。


円安で賃金の購買力を低下させ、それによって株価を引き上げたことが、アベノミクスの本質だ。

昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。


野口悠紀雄氏による連載第53回。

 


・日本の賃金はアメリカの約半分で、韓国より低い

 

OECDが加盟諸国の年間平均賃金額のデータを公表している。

2020年について実際のデータを見ると、つぎのとおりだ。


日本は3万8515ドルだ。他方でアメリカは6万9391ドル。

したがって、日本の賃金はアメリカの55.5%でしかない。


ヨーロッパ諸国を見ると、ドイツが5万3745ドル、フランスが4万5581ドル、イギリスが4万7147ドルだ。

韓国の賃金は4万1960ドルであり、日本の値はこれよりも低い。


2020年において日本より賃金が低い国は、旧社会主義国と、ギリシャ、イタリア、スペイン、メキシコ、チリぐらいしかない。

日本は、賃金水準で、いまやOECDの中で最下位グループに入っていることがわかる。


だから、日本人は、日本で得た賃金を外国で使っても、あまり大したものが買えない。

こうした状況に対処しようと思えば、アメリカや英独仏、あるいは韓国などに出稼ぎに行き、日本より高い賃金を得ることだ。


日本人が老後生活を送るためには、海外出稼ぎを真剣に考えなければならない時代になってきた。

「ビッグマック指数」というものが算出されている。


これは、イギリスのエコノミスト誌が公表しているデータで、各国のビッグマックの価格を比較したものだ。

2021年のデータを見ると、つぎのとおりだ。


日本のビックマックは390円で、これを為替レートで換算すると3.55ドルになる。

他方で、アメリカのビックマックは5.65ドルである。


したがって、日本のビックマックはその62.8%ということになる。

上で見たように、OECDの数字では、日本の賃金はアメリカの賃金の55.5%だった。


ビッグマックの価格の違いも、賃金格差のデータとほぼ同じだ。

またユーロ圏のビックマックはドルに換算して5.02ドル、イギリスのビックマックが4.5ドルである。


これも、賃金格差とほぼ同じ傾向だ。

さらに、韓国のビックマックは4.0ドルであり、これは日本の3.5ドルより高い値になっている。


これも賃金の場合と同じだ。

 


・ビッグマックの価格は日本が最低


ビッグマック価格が日本より低い国は少ない。

これも賃金の場合と同じだ。


このように、賃金で見てもビックマック価格で見ても、日本と外国の格差は同じような傾向になっている。

これは、ビッグマック指数がある時点での賃金の国際比較をするのに使えることを意味する。


これは、別に不思議なことではないし、偶然でもない。

ビッグマックの価格と賃金の比率がどこの国でも大体同じような値であれば、賃金における日本と外国の比率と、ビックマック価格における比率は、ほぼ同じようなものになるはずだからだ。


もう少し詳しく言うと、つぎのとおりだ。

OECDの数字は、2020年を基準とした実質賃金を、2020年を基準とした購買力平価でドル表示したものだ。


したがって、物価の変動を除去した実質賃金であり、また為替レート変動の影響を除去したものになっている。

どちらも2020年を基準としているので、2020年については、名目賃金を実際の為替レートで換算した額に等しくなっている。


日本人の賃金が国際的に低いという状態は、昔からそうだったのだろうか?

アベノミクスが始まる前の2010年がどうだったかを、ビックマックの2010年の価格(ドル換算値)で見ると、つぎのとおりだ。


日本は3.91ドルで、アメリカの3.71ドルやイギリスの3.63ドルより高かった。

日本より高かったのは、スイス、ブラジル、ユーロ圏、カナダだけだった。


韓国は3.03ドルで、日本より低かった。

この時には日本のビッグマック価格がこれだけ高かったのに、いまは低くなってしまったわけだ。


つまり、日本人は、国際的に見て、アベノミクスの期間に急速に貧しくなってしまったことになる。

 


・日本の実質賃金は伸びなかった

 

なぜ日本は急速に貧しくなったのだろうか?

それを見るために、OECDの年間平均賃金額データで2010年の値を見ると、つぎのとおりだ。


日本の値は3万8085ドルで、アメリカの6万1048ドルよりかなり低い。

またイギリスの4万6863ドル、ドイツの4万7054ドル、フランスの4万4325ドルなどに比べても低い。


また韓国の値は3万6140ドルであり、日本と大差がない。

このように、2010年においては、OECDの数字とビッグマック指数がかなり異なる状況を表している。


こうなる理由は、つぎのとおりだ。

上で述べたように、OECDの数字は、2020年を基準とする購買力平価によって各国を比較している。


ところが、2010年は円高だった。

しかし、2020年基準購買力平価では、2020年と同じ購買力にするように為替レートを調整するので、2010年の現実の為替レートよりは円安のレートで比較しているのだ。


したがって、日本の賃金は、国際比較で低く評価されることになる。

このようなデータを算出しているのはなぜか?


それは、為替レート変動の影響を取り除いて、その国の実質賃金が時間的にどのように変化したかを見るためだ。

2020年購買力平価で計算した数字を時系列的に見れば、各国通貨表示で見た実質賃金の推移を表わしていることになる。


そこで、年間平均賃金額について、2000年に対する2020年の比率を見ると、つぎのとおりだ。

韓国は1.45倍と非常に高い値だ。


アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスは、1.2倍程度だ。

ところが、日本は1.02でしかない。


つまり、この20年間に、実質賃金がほとんど上昇しなかったのだ。

実質賃金が上がらず、かつ円安になったために、ビッグマック指数で見た日本の地位が低下したのだ。

 


・アベノミクスの本質:労働者を貧しくして株価上昇


日本の賃金が国際的に見て大幅に低い状況は、本来は不均状態とはいえない。

なぜなら、もしマーケットが正常に機能していれば、日本製品の価格が安いのだから、日本の輸出が増え、円高になるはずだからだ。


この調整過程は、現在の上記の不均衡がなくなるまで続くはずだ。

しかし、円高になると、輸出の有利性は減殺される。本来は、円高を支えるために、企業が技術革新を行い、生産性を引き上げねばならない。


それが大変なので、円安を求めたのである。

手術をせずに、痛み止めの麻薬に頼ったようなものだ。


このため、日本の実質賃金は上昇しなかったのだ。

物価が上がらないのが問題なのではなく、実質賃金が上がらなかったことが問題なのだ。


賃金が上がらず、しかも円安になったために、日本の労働者は国際的に見て貧しくなった。

日本の企業が目覚ましい技術革新もなしに利益を上げられ、株価が上がったのは、日本の労働者を貧しくしたからだ。


これこそが、アベノミクスの本質だ。


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■日本人は国際的に低い給料の本質をわかってない
~アベノミクスにより世界5位から30位に転落した~
東洋経済 2021/10/03 野口悠紀雄
https://toyokeizai.net/articles/-/458676