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劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-前編Wandering; Agateram を見てきましたよ

2020-12-05 13:30:51 | 感想(その他)
2020年最も楽しみにしていたといっても過言ではない劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-前編Wandering; Agateram を見てきました。

前売りはまだ残ってますし、間違いなくあと何回かは劇場に行くと思うのですが、とにかく今はこの最初の煮えたぎる感想を記録しておきたいと思います。


 五月の頃には8/15という一年でも有数の繁忙期の公開予定だった本映画ですが、色々ありまして結局年末の公開となりました。冬公開ということで少しはクールに公開を迎えられるかと思っていたのですが、実際はもう数日前から「あのシーンは…」「あのキャラは…」と心が思いっきりソワソワして迎えた公開初日。本当は舞台挨拶会に行きたかったものの、仕事があり無理だったので、初回放映に行ってきました。
 
 結論から言いまして……めっちゃ泣いた。「マスクしたまま泣いた呼吸が苦しい」ってヴァイオレット・エヴァーガーデンを見たある方が言っていたことの意味がようやく分かりました。苦しいくらい泣いたんですが、それくらいいい作品でした。
 とはいえ原作ゲームのプレイ感やアニメバビロニアの疾走感を期待している人にはもしかしたら肩透かしだったという人もいるかもしれません。かくいう私も想定して覚悟していたシーンのいくつかが思っていたのとは違ったりしていました。でもあの長編を前後編の映画として再構成するなら、特に前編の役割としてはとてもいい映画だったと思います。
 何度もインタビューなどで「主役はベディビエール」「彼を中心にストーリーが回る」とは呼んでいたのですが、まさにこれは「ベディビエールのストーリー」でした。FGOはキャラに思い入れが強くなるゲームですし、また特に群像劇感の強いキャメロットですから、思っていたものと違うのは当たり前でしたが、しかしそれでなお納得できる作品でした。

 冒頭ベディビエールが「今度こそ我が王を殺すのだ」という何度かPV等で見たシーンからのスタートですが、私たぶん、次に映画館で見るとき最初のこれで泣くと思います。
 私はSNのFateルートから入っているので、ずっとアーサー王の最期=王の救済だと思っていたんですが、ベディからすれば「王を殺す行為」になるんですよね。大きなスクリーンで改めて見ると原作ゲームの時よりもそのことがずっと刺さりました。森の中で横たわるセイバーに優しい声で「見ているのですか。アーサー王。夢の続きを……」(能登ボイス)って言ってたのが、私の初めてのベディなんですが、あの時のベディ視点で言うと王を殺したんだなと思うと同時に、我が王がベディに「胸を張るがよい」っていうのが、ちゃんと王はその事を分かってたんだなっていう15年目の気づきがありました。やっぱり我が王は最高の王だったんですよ。
 とこんなことを冒頭から思ってすでに涙腺がやや緩んでいましたが以降はわりと淡々と進みます。前半はほぼ状況紹介とキャラ紹介でしたね。ほぼ砂漠歩いてるシーンだったので、そこが間延びと感じるかもしれません。しかし必要なことを前編ですべて済ましてしまっているので、後編は逆に怒涛の展開になることでしょう。

 そんなこんなでキャラの顔見世を兼ねつつ聖都へ。しかしそういったシーンであっても、一つ一つがかなり丁寧だなと思うのが、例えばルシュド君とお母さんの描写。なぜお母さんは「聖抜」されてルシュド君はされないのか、というのがさりげなくですがしっかりと分かるようになっていました。
そしてここで出ましたよ、円卓の騎士。まずはガウェイン、まさに太陽のゴリラ。強い。超強い。ガウェインの騎士の部分をこれでもかと見せつけられたシーンでした。

 途中倒れているベディが夢を見るわけですが、それがまた刺さるんですよ。キャメロットが崩壊していくのをベディ視点で見るっていう、つらさしかない。だってべディが一番鮮烈にみているのは親友トリスタンが円卓を離れるシーンなんですよ。曰く「王は人の心がわからない」この後に王もトリスタンも円卓の騎士たちも多くが傷ついていく刃の言葉をトリスタンから聞くベディ。これはつらい。あと、ここで過去ではなくて、夢を見ているという表現にして、はっきりと「ベディがサーヴァントではない」と示しているのもうまいなあと思いました。こういう丁寧な描き方が今回本当に良かったです。

 そしてベディたちは今度はファラオの都へ。
 一方で逃げられたガウェインは獅子王の前に。そして獅子王からの痛打と許し。ここら辺りは事前の獅子王役の川澄さんのインタビューで読んでたところで、さすが我が王だなと川澄さんのアルトリアへの解釈に感心することしきりでした。
 あとここでモーさんが「父上がそういうならいい」みたいなことを言うんですが、キャメロットのモーさんはいつもにもましてまっすぐに息子として「父上」を見てるのがめちゃくちゃつらい。生前はずっと隠してた父上への感情を隠すことなく父上の騎士として仕えてて、父上は全然そんな目で見てくれないのはもう気にしないけど、自分は息子だっていうのは貫いてるモーさん、ほんと誰か何とかしてあげてほしい。無理だけど。

 ファラオと色々あってニトちゃんは可愛くて、というかいつにもましてファラオが良い感じでうるさくて最高でした。ほんと、このファラオのうるさいの大好き。そんなこんなで山の民の村に着いたあたりからは一気に展開が早くなります。
 
 そして私が一番楽しみにしつつかつどうなるのかと戦々恐々としていた夕暮れのキャメロットのシーン……あああ、こうきたかあああ!ベディの口から思い出を語らせてかつ王の回想を一瞬入れる!創造と全然違ったけど、これは何度も見返してその度に噛みしめたい系のシーンになってました。うん、良い!これはこれで良い。
 今回の映画は前編ということもあって、ベディの「罪」については全く触れられていないし、獅子王がまだまだ何もわからないけど巨大な敵ということにしかなっていません。だからこのシーンの前の藤丸の「酷い王様」発言と、ベディの「偉大な王」だという答えがあるんだけど、でもこの段階ではベディの「アーサー王」は全然見えてこないんですよね。それこそトリスタンの「王は人の心がわからない」の方が説得力があるくらいで。
 その中で描くなら、この描き方で良いんだと思います。いつかFGOがフルボイスになったら(笑)あのシーンは号泣しながらゲームで堪能します。

 さて急展開の中、静謐ちゃんを助けに砦に行きます。で、ここでのベディ対モーさんの戦闘ですよ。ここでのモーさんの咆哮ですよね。ベディへの思い、そして「今度こそ父上の円卓の騎士として」という決意、この叫びで私の涙腺は決壊しました。アーサー王親子の生前のすれ違いは、モーさんと父上どっちもの意見がわかるだけに、もうどうしようもない因縁と運命がねじれの位置でかみ合うことがないんですけど、それだけにモーさんのセリフは泣けました。
 ところで今回の映画の前売り特典、なかなか獅子王関連が無い中、最後の最後にモーさんと獅子王が背中合わせで立ってる絵のやつがあったんですよ。で、その絵、入れ替えて向かい合わせにしても二人の視線は絶対に遇わないんですね。これだよ……こういうとこだよっ!!!!

 アグラヴェイン卿の登場がありまして、ここで三蔵ちゃんの真名がっていうかここまで「ん?なんでキャスター?」って思ってみてたんですが、なるほど三蔵ちゃんはまだ真名言ってませんでしたね。だってこの映画はその前に天竺行って牛魔王ファミリーが最高に幸せになってほしいイベントありませんでしたしね。

 で、村に戻ってみれば襲撃された東の村が。そしてここからのスーパーアーラシュ・カマンガータイムですよ。カッコよかった。もう本当に大英雄でした。私もう一生ステラ撃たない……。
 ここでアーラシュさんがベディにいセリフでまた泣けましたよね。「最後まで忠義を貫け」と。「獅子王を倒せ」じゃなくて「忠義を貫ぬけ」ってどんだけかっこいいんだアーラシュ・カマンガー!!オジマンディアスの主催のアーラシュファンクラブに入会したいよ!!村に着いたときに「見ての通りのアーチャーだ」に「あ、これ弓を使う人はアーチャーじゃない!」っていうツッコみ待ち?とか思って本当にすいませんでした!!!!

 最後は再びベディの決意で締め。冒頭と同じセリフを再び口にします。今度は決意に満ちた目で。

 かーらーのーエンドロールは坂本真綾「独白」そして歌詞に私、号泣。こんな曲、泣くしかないじゃん。号泣ですよ。
 あとエンドロールのキャストでフォウ:川澄綾子と獅子王:川澄綾子って分けてクレジットしてたの、ありがたさしかありませんでした。素晴らしい!天才か!

 いや、本当にいい映画でした。最高でした。また行きます。二回目、三回目行ったらもっといろんなことが見えるのかなあ。楽しみです。

 あと、後編の予告が全力で殺しに来てましたね。今回なかったあのシーンとか、後半のあのシーンとか、楽しみしかないです。2021年春!全力で待ちたいと思います。












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