ロックアウト

日時：１２月２日
映画館：バルト１１

２０７９年、宇宙空間に浮かんだ重犯罪者刑務所で暴動が発生。人道支援活動で居合わせた大統領の娘を救出するためにＣＩＡ工作員で訳アリの犯罪者スノーが送り込まれる・・・って、どう聞いても我らが「ニューヨーク1997」じゃないか。

これに対して、「スネークが持っている銃はイングラムだけど、ガイ・ピアースが持っているのは違う銃だから違う映画。」とコメントしたのは、ガンクレイジーの友人、蔵臼金助先生である。さすがだ。

「ニューヨーク1997」ってことは配給会社もわきまえていて、チラシにも「スネーク・プリスキン」の名前が出てくる。死んだと聞いていたぜ、アンタ。

かってフランス映画「スズメバチ」が、そんなことは一言も出さなかったにも関わらず、同じジョン・カーペンター監督の「要塞警察」を完全にリイマジネーションして、それはそれで面白い映画に仕上げていたことを思えば、これもひょっとしたら変化球的に面白い映画かも知れないとかすかに期待して映画館へ。

訳アリの犯罪者といったのは、スノー自身、別の任務と思惑があり、この辺がすでに反社会的性格のアウトローだったスネークとは違う。上映時間も１時間３０分強と短く、その中で人質救出と自分の元任務を同時進行させるもんだから、なかなか盛りだくさん。（ワタシは持っていないが、もう一人の「スネーク」の影響も受けているだろうな・・・。）

さらにこれでもかというくらい、次々と新しい設定をぶっ飛ばしてきて、よって１つ１つのエピソードが完全に消化不良で、まるで思いついたら話さずにはいられない女子高生の会話のような展開となってしまう。

バタバタと話が進むから、映画としてのメリハリが効いておらず、ヒネリと気の利いたアクション映画が好きなものにとってはなかなか厳しい中身。いつもの悪いほうのリュック・ベッソンらしさが完全に前面にでている。

映像的にもいつかどこかで見たような画面ばかりで、最後の宇宙戦にいたってはあまりにもセンスが古臭くて、ちょっと唖然。

久しぶりに入場料を損したと思ったぞ。

ところで、大柄な顔立ちであんまり美人でも可愛くもないヒロインを白衣にしたり、ショートカットにしたり、髪を染めたり、囚人服着せたりとコスプレ着せ替えごっこのセンスは相変わらずだなあと、妙に感心してしまった。（笑）

題名：ロックアウト 原題：LOCKOUT 監督：スティーブン・レジャー＆ジェイムズ・マザー 出演：ガイ・ピアース、マギー・グレース、ピーター・ストメアー