日時:5月15日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:B5変形版600円。監督と主演3人のインタビューも掲載。表紙のデザインが70年代ぽくってカッコいい。
フローラン・エミリオ・シリ監督といえば、フランス版「要塞警察」の「スズメバチ」に大感激し、「ホステージ」でちょっとスカをつかまされた気分だっただけに、今回、アルジェリア戦争を描いた本格戦争映画に期待も高まる。しかも、主演・製作がブノワ・マジメル!
ソ連のアフガン侵攻を兵士目線で描いた「レッド・ストーム/アフガン侵攻」という傑作映画があるが、これはそのフランス・アルジェリア版とでもいうべき出来映え。(よく似た展開なので、参考にしていると見た。)
フランス軍に志願したマジメルは将校としてアルジェリア戦争に派兵されるが、戦場には英雄的な行動もなければ、善悪に区別もなく、作戦は失敗続き。独立派の敵には不必要な拷問まで行い、憎しみが憎しみを呼ぶ構図が淡々と描かれる。「プラトーン」のように「良いアメリカ人と悪いアメリカ人がいました」と二元論ではないあたり好感がもてる。(モロッコの礫の多い地形でのロケがまた、殺伐とした雰囲気を盛り上げる。)
そして、淡々としているからこそ、戦場で生き残るためには人間性を失わざるを得なくなってしまっている登場人物たちに心を揺さぶられてしまう。
内容の深い戦争映画も描写が中途半端では逆に白けるだけだが、戦闘シーンも良くできている。特に目視は出来ても、銃の射程距離外だったり、連絡が取れなかったりするあたり、なかなかリアル。
ラスト近くで、戦友が撮った8ミリに次々と死んだ戦友の元気な姿が映し出されるシーンには、すすり泣きが聞こえてきたけど、ワタシは捕虜のアラブ人のゲリラが第二次大戦の激戦地モンテカッシーノの英雄だったというくだりに泣けてしまった。
レジスタンスが戦後の勢力争いで内戦になる話以上に、義勇軍である自由フランス軍として外国の戦場に身を投じたもの同士が、十数年を経て、敵味方となる構図は一層、悲劇的だ。
映画館:サロンシネマ
パンフレット:B5変形版600円。監督と主演3人のインタビューも掲載。表紙のデザインが70年代ぽくってカッコいい。
フローラン・エミリオ・シリ監督といえば、フランス版「要塞警察」の「スズメバチ」に大感激し、「ホステージ」でちょっとスカをつかまされた気分だっただけに、今回、アルジェリア戦争を描いた本格戦争映画に期待も高まる。しかも、主演・製作がブノワ・マジメル!
ソ連のアフガン侵攻を兵士目線で描いた「レッド・ストーム/アフガン侵攻」という傑作映画があるが、これはそのフランス・アルジェリア版とでもいうべき出来映え。(よく似た展開なので、参考にしていると見た。)
フランス軍に志願したマジメルは将校としてアルジェリア戦争に派兵されるが、戦場には英雄的な行動もなければ、善悪に区別もなく、作戦は失敗続き。独立派の敵には不必要な拷問まで行い、憎しみが憎しみを呼ぶ構図が淡々と描かれる。「プラトーン」のように「良いアメリカ人と悪いアメリカ人がいました」と二元論ではないあたり好感がもてる。(モロッコの礫の多い地形でのロケがまた、殺伐とした雰囲気を盛り上げる。)
そして、淡々としているからこそ、戦場で生き残るためには人間性を失わざるを得なくなってしまっている登場人物たちに心を揺さぶられてしまう。
内容の深い戦争映画も描写が中途半端では逆に白けるだけだが、戦闘シーンも良くできている。特に目視は出来ても、銃の射程距離外だったり、連絡が取れなかったりするあたり、なかなかリアル。
ラスト近くで、戦友が撮った8ミリに次々と死んだ戦友の元気な姿が映し出されるシーンには、すすり泣きが聞こえてきたけど、ワタシは捕虜のアラブ人のゲリラが第二次大戦の激戦地モンテカッシーノの英雄だったというくだりに泣けてしまった。
レジスタンスが戦後の勢力争いで内戦になる話以上に、義勇軍である自由フランス軍として外国の戦場に身を投じたもの同士が、十数年を経て、敵味方となる構図は一層、悲劇的だ。
題名:いのちの戦場-アルジェリア1959- 原題:L'ENNEMI INTIME 監督:フローラン=エミリオ・シリ 出演:ブノワ・マジメル、アルベール・デュポンテル、モハメッド・フラッグ |
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