kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

コリー二事件

2020年11月28日 | ★★★☆☆
(本ポスト、かなり支離滅裂ですのでご注意ください)

プロモーションとは裏腹に「帰って来た続・荒野の用心棒」と言いたくなるような作品。

【以下、妄想とネタバレあり】

まずこの映画、「戦後ドイツの<不都合な真実>」がコピーなのだが、それってナチと戦争犯罪以外にある?
もういきなりネタバレしているのだが、舞台は2001年ベルリン、ドイツ人実業家マイヤーが射殺される。犯人はフランコ・ネロ演じるイタリア系ドイツ人のジャンゴ・・・ではなくコリーニ。

トルコ系ドイツ人の主人公が国選弁護士として指名されるが、実は彼の後見人がマイヤーで、さらに孫娘とは恋人関係にあった。何も語らないコリーニに対峙した彼は恩人の殺人犯の弁護に苦悩しながら、真相に迫っていく。

基本、法廷ドラマなのでドイツの司法システムが垣間見えるのは面白い。
のだが、フラッシュバックを交えながらの背景説明が長い。動機が戦争犯罪絡みって明白じゃん!!(身もふたもない)

犯行に使われた銃はワルサーP-38(戦中型)で、現在、入手すら困難な銃を使用したことが真相解明のキーポイントになる。コリーニは墓場に埋めたこの銃を掘り出して使用したのだ(ウソ)

やがて1944年にイタリアのコリーニの出生地でナチによる住民虐殺事件が起きていたことが判明し、その陣頭指揮を執っていたのが武装親衛隊保安部だったマイヤーであることが発覚する。コリーニの父親もその犠牲者だったのだ。
フラッシュバックで描かれる戦時中の惨劇。
幼いコリーニの前で撃ち殺される父親、そこでコリーニに「音楽でも吹いてやれ」とハーモニカを渡す親衛隊のマイヤー。
そこから、現代に転換しマイヤーに銃を突きつけ「祈れ」とつぶやくジャンゴ・コリーニ。「お前は誰だ」とつぶやくマイヤーの口にハーモニカをくわえさせるコリーニ・・・・
あれ、そんな映画じゃなかったっけ。

実は戦時中の虐殺に絡む殺人事件だけがテーマではなく、この事件の裏にはナチ戦犯を無罪放免にする法律の存在があり、途中から話題がそこにスライドしてしまう。
この部分をはじめ、この映画、何か所か乱暴な展開がある。小説だとちゃんと説明されているのかも知れないが。

にしても、元々Django大好きなお国柄でフランコ・ネロがキーパーソン、フラッシュバックを多用したストーリー展開、ドイツでは普通に映画を作ってもマカロニウエスタンしてしまうのに違いない!
それは「戦後ドイツの<不都合な真実>」というコピーの映画がナチと戦争犯罪を描いているとの同じくらい自明のことなのだっ!!

なので、この映画、ドイツでリバイバルされる時は「Django Collini」になっていると思います。






題名:コリーニ事件
原題:Der Fall Collini
監督:マルコ・クロイツパイントナー
出演:エリアス・ムバレク、アレクサンドラ・マリア・ララ、フランコ・ネロ

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