kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出

2016年07月28日 | ★★★☆☆
日時:7月24日
映画館:八丁座

最近、大英帝国がちょっとしたマイブーム。「レジェンド」を観に行きたかったが、時間が合わず同じく第二次大戦の終結が背景のこちらに作品に。

1945年の欧州戦勝記念日、時のエリザベス王女は妹のマーガレット王女と一緒に、歓喜に沸くロンドン市内にお忍びで出かけることにする。もちろん、予定どおり事が進むはずがなく、あれよあれよとトラブルが起きていく。

当時、エリザベス王女が外出した話はあったかも知れないが、映画は完全にフィクション。言うまでもなく「ローマの休日」のリアル焼き直し版なのだが、原題「A Royal Night Out」は映画「赤ちゃんのお出かけ(Baby's Day Out)」のタイトルのもじりだろう。だから、ロマンチック・コメディよりむしろドタバタ劇を意識しているのかも知れない。

監視役の近衛兵から逃れ、大混乱のロンドン市内で姉妹は離れ離れになり、何も知らない口が悪い武骨な兵隊に助けられるという、お約束の少女マンガのような展開。

エキストラとセットを駆使したロンドンはなかなかの迫力で、当時の躍動感が再現されていると思う。(比較対象を知らないので、正確なことは言えない。)カープが優勝したら、ひょっとしたら広島市内もこんな騒ぎになるのかも知れない。

実在の王室が登場するので、下々の者たちとの育ちや考え方の違いもストーリーに盛り込まれているが、そこはスパイスにすぎず、あまり本筋には関係ない。

コメディ映画らしくストーリーの緩急が激しく、王室マニアの娼館オーナーが登場すると話が一気に面白くなる。王女2人の巻き込まれ方が大胆で、単純に比較するのは無意味だが、日本の皇室で同じネタは不可能だろう。製作する方も王室も寛大だ。

若い頃ならコメディとして楽しめたのだが、大人になるとシチュエーションを想像しただけで胃が痛くなるような場面も。間抜けな将校2名の将来と彼らを怒鳴りあげる連隊長などは考えるだに恐ろしい。

ところでこの映画、ジョージ王子の笑顔→王室版「赤ちゃんのおでかけ」→「王女のおでかけ」で発想されたんじゃないだろうか。







題名:ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出
原題:A Royal Night Out
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:サラ・ガドン、ベル・バウリー、ジャック・レイナー、ルパート・エヴェレット、エミリー・ワトソン
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