神奈川絵美の「えみごのみ」

優雅なシングル

1週間ほど前の話になるが、
あるエッセイストの取材に立ち会った。


ここのところお気に入りの、薄緑の塩瀬の帯。
ツツジとハナミズキがミックスされたような花で、
そんなに強く主張せず、仕事時にも好感度が高い。

ただ、この日はご覧の通り、
着付けがいろいろ、上手くいっていない
お太鼓の下線がぴしっとせず、
写真を撮ってから慌ててできるだけ直して出かけた。

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さて、場所は東京某市。駅前の喧騒を離れて閑静な住宅街へ。
エッセイストのAさんは、私より5~6歳上とはとても思えないほど
お肌つやつや、可憐なスレンダー美人。
この日はインタヴュアーが別にいて、私は見学者の立場だったので
ほとんど会話できなかったけれど、
花が好きだという彼女に、一言、この春観た梅の話をしたら、
大きい目をぱっと輝かせ、優しい笑顔を返してくれた。

Aさんはずっとシングルライフ。
(これは公表しており、おひとりさまをテーマにした随筆も複数上梓している)
通された自宅の一室は、8~9畳ほどの細長い間取り。
手前にはダークブラウンのウッディなテーブル、
向こうにはアッシュブラウンの革張りのソファーセット。
あくまでイメージの参考に、フリーの間取りソフトから拾ってきた図を
載せると・・・

こんな感じ。  (もちろんディテールは違います)

決して広々しているわけではないのに、
ハウジングかインテリア雑誌に出てきそうな
“ヨーロッパの品の好い田舎風”で何とも居心地が良い。
白い壁、フローリングにふわふわのラグ、
壁際にはアンティーク調の飾り棚、
淡い水彩のようなタッチで描かれた樹木の絵皿が2枚飾られて。

      「あんなにキレイできちーんとしているリビングって・・・」
       帰り道。
      「独身でいらっしゃるからこそよね。あー、うちなんて」
       と、小学生の娘さんがいる編集者がぼやいていた。


実はこの間取り、うちのリビングダイニングとそっくりだ。
約9畳、細長いタイプ。
半分はダイニングとして、テーブルが置いてあり、
残り半分はリビングとして・・・・・・


のはずなのに。


うちは実質、このありさまだ。
     ↓



遊び放題、散らかしっぱなし、
食べることしか頭にない
こんな娘のために、4.5畳はベッドに食事、テレビまで付いた
事実上“治外法権”エリアだ。
床のラグは、敷いたそばからひっくり返され、
ソファカバーにも穴があいてしまった。
おもちゃやトイレシーツなどの犬グッズがそこここにあり、
飾り皿なんてとんでもない。
人間がここに足を踏み入れたら
  1.「遊んでくれー」
  2.「おやつくれー」
  3.「おなかなでてー」  のいずれかの要求に応えないといけないし。


ああチビワンも、“優雅なシングル”だなあ・・・・・・。

コメント一覧

神奈川絵美
ohaさんへ
こんにちは 私もワタシも! 丁重にされるとへこへこしちゃったりして

ふと思い出したことがあったのですが、大学生のころ、国際交流の一環でいろんな国の若者が船で世界を旅するというイベントに、先輩が参加したときの話。
インドの位の高い娘が、脱いだ洋服を自分で畳んで収納するという習慣がなく、脱ぎっぱなしで部屋が散らかり、同室者はタイヘンだったそう。
こういうのを聞くと、果たしてインドの彼女は「優雅」なのかどうか疑問ですよねー
神奈川絵美
菊子さんへ
こんにちは そーなんです、人間の方が肩身せまくて

でもまあそれでも、日々過ごしていけるということは、完璧にキレイな部屋だと居心地が悪いということの裏返しなのでしょうね・・・。
oha
優雅
一生のうち一日でもいいから優雅に暮らしたい。
貧乏性は生まれつきです。
菊子
http://blogs.yahoo.co.jp/kimonodekabuki
あはは、リビングは
チビワンに占領されているのねー。
綺麗な部屋は遊びに行くには
良いけれど住むには居心地悪いわよ。
Aさんもお客様が来る前は
片付けるのに大変かもよ。
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